ブレグジット Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/brexit/ Wed, 19 Aug 2020 02:39:11 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.3.2 https://image.tokion.jp/wp-content/uploads/2020/06/cropped-logo-square-nb-32x32.png ブレグジット Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/brexit/ 32 32 ブレグジットが影を落とすイギリスのファッション業界のゆくえ https://tokion.jp/2020/08/09/brexit-british-fashion/ Sun, 09 Aug 2020 06:30:00 +0000 https://tokion.jp/?p=2782 12月末に完全移行するブレグジットにおいて、若手のエネルギッシュなクリエイションは、どのように引き継がれていくのか。

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イギリスのEU離脱問題(ブレグジット)が切迫してきた。新型コロナウイルスの影響で影を潜めていたものの、移行期間終了の12月末が刻々と迫っている。イギリスがブレグジットを決定したのは2016年6月23日の国民投票で、EUとの厳しい交渉とイギリス国内での激しい論争を経て、3年7カ月後の2020年1月31日、ついに離脱が実現し移行期間に突入した。

イギリスの報道によると、ブレグジット当日の離脱派は新年を迎えたかのようで、盛大なお祭り騒ぎだったという。離脱派の市民団体「Leave Means Leave」はロンドンのウエストミンスター宮殿前の広場を会場にして、ユニオンジャックを盛大に掲揚し、巨大スクリーンには、EUの前身である欧州共同体加盟から離脱にいたるまで、47年におよぶ歴史をまとめた映像が流れた。離脱派は切望した新時代の幕開けに歓喜する一方、残留派の支持媒体は、保守党が販売したEU離脱記念グッズを「ダサい」「ガラクタに金を使うな」と辛辣に批判。ブレグジットの1週間前に開催された、残留派団体の統括組織「Grassroots for Europe」のカンファレンスでは「残留派の勢いは失われていない」と主張した。残留派のドミニク・グリーブ元法務長官が「イギリスとヨーロッパが保ってきた、オープンな協力姿勢や民主主義、法の支配といった価値を、世論はいつか尊重する側に傾くだろう」とスピーチすると、スタンディングオベーションが起こった。ブレグジットに揺れていた状況が落ち着いた現状、今後は“どのように経済の舵取りをするか”が議論の焦点となる。

貿易問題により影響を受けるであろうアパレル企業

 ブレグジットによる生活の変化は、政治権限に始まり、市民権や移民、金融まで枚挙にいとまがないが、ファッション業界は貿易と労働問題に大きく関係する。イギリスとEUの自由貿易協定(FTA)締結の交渉には多くの時間が費やされることになるだろう。イギリスのファッションブランドの多くが残留の意思を示したことは貿易問題が起因している。イギリスのアパレル企業のEU依存は、衣料品輸出先の80%をEUが占めている現状を見ても明らか。イギリスはEU離脱後も関税ゼロといった利益を維持したいものの、EUは“いいとこ取り”への警戒を強めている。

今後、イギリスは貿易において税関審査や検疫手続きが必要になることで管理費、さらに原材料およびコンポーネントの追加関税により、価格に影響が出ることを危惧している。衣服やアクセサリーなどの多くはEU諸国や中国での生産がメインなので、輸入時や国内出荷の通関手続きの費用が重なり、生産コストの高騰は避けられない。特に、通関で必要になる原産地申告は、サプライチェーンが複数にまたがる衣料品などの製品では、証明するのが困難な場合がある。ノルウェーを例にすると、関税同盟ではない特定の商品供給者は、商品の経済的起源を証明するという厳密な規定をクリアする代わりに、関税を支払うことがある。

非売品の国外移動についても複雑化するはずだ。例えば撮影のために洋服のサンプルをイギリスからEUへ送る場合も、単なる小包では済まず、より多くの費用と時間を要することになる。パリでショーを開催している「ステラ マッカートニー」「アレキサンダー・マックイーン」を始め、各社が運営するショールームも大陸間でのやりとりが複雑になることは必至だ。ブレグジット直後の為替変動により、「ポンド安により観光客が増え、決算でも有利に働いた」と「バーバリー」バイスプレジデントのアンドリュー・ロバーツはフランスのウェブメディア「Fashion Network」に語ったが、新型コロナウイルスの影響で観光客が減少することを考えると、この恩恵は一時的といえる。

移民規制による労働力の問題が顕在化

ブレグジットによりイギリス国民は国外への自由な移動や就労に規制が引かれ、外国人がイギリス国内で働くハードルが高くなる。現在、イギリス政府は推計350万人のEU諸国出身者に対して、少なくとも12月末までに引き続き労働権利を確保するための登録を呼び掛けている。来年以降は新たな入国管理制度の導入により、高度な技能者を受け入れながら、未熟練労働者の流入を制限できるのだが、英国ファッション協議会は、ファッションに携わる労働者の不足により、生産能力の低下を懸念している。マーケティング会社「Fashion Roundtable」がイギリスの製造企業50社を対象に行った調査によると、移民規制により全体の80%のポストに空席が生まれ、そのうちの4分の3以上が国内に補填できるほどの十分なスキルを持ったスタッフがいないと示した。製造業に関わる企業や英国ファッション協議会は、国内労働力の向上について政府との協力姿勢を表明しているものの準備状況については不安が残る。ブレグジット後、ラグジュアリーブランドに関係する伝統工芸などの文化的財産を失う可能性もある。移民規制の強化に学生が含まれるか否かは不透明で、優れた人材を排出してきた名門校「セントラル・セント・マーチンズ」への影響も避けられない。

 6月上旬にイギリスはEU理事会のシャルル・ミシェル議長らとビデオ会議で会談を行ったが、貿易交渉に進展は見られなかった。現時点で、イギリスはEU離脱に基づく移行期間終了後の21年1月1日からの半年間、EUからの輸入手続きを簡素化する決定をしいる。輸入通関申告手続きの猶予を最長6カ月間までとし、関税の支払いも通関申告時まで繰り越すことが可能で、7月以降はEU非加盟国からの輸入と同様の通関手続きを要求される見込みだ。47年間続いた制度を放棄して、正確に舵取りを行えるパワーが今のイギリスにあるだろうか。コンセプチュアルなものづくりや若手のエネルギッシュなクリエイションなど、イギリス独自のカルチャーはどのように後世に引き継がれていくのだろうか。

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世界中に“希望”を届ける花屋が東京に初“オープン” 花を介して生まれる人と人の繋がり https://tokion.jp/2020/07/28/flower-shop-kibou/ Mon, 27 Jul 2020 18:10:08 +0000 https://tokion.jp/?p=1440 AMKKによる世界各地の旅先で花を無償で配るプロジェクト。東京での初開催にあたり、始めた経緯や活動の広がりを振り返る。

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フラワーアーティストの東信とボタニカル・フォトグラファーの椎木俊介を中心としたフラワークリエーション集団AMKK(東信、花樹研究所)は、東京・南青山にあるオーダーメイドの花束専門店「ジャルダン・デ・フルール」を中心に、実験的なアートピースの制作や、「エルメス」「ドリス・ヴァン・ノッテン」などのファッションブランドとのコラボレーションも行っている。幅広い活動の1つに、「フラワーショップ希望」というプロジェクトがある。鮮やかなパラソルが目印の“花屋”の活動内容はいたってシンプル、世界各国を巡って“花と希望”を街ゆく人に無償で配るというものだ。旅先の国で生産されている花の種類を事前にリサーチし、花はほぼ現地で調達する。

「フラワーショップ希望」をスタートしたのは2016年。アメリカ大統領選挙でのドナルド・トランプ氏の当選や、国民投票によるイギリスのEU離脱(ブレグジット)決定に世界中が揺れた年だ。「海外で仕事をしていて、世界各地で不穏な空気を感じたんです。政治や経済も一気に変わっていく予感がしました。その中で自分達にできることを考えた時、花屋の原点に立ち返って人が花を贈る時にどんな思いを込めるのかを改めて考え、純粋に花で人を喜ばせたいと思ったんです」。

手探りで始めたという「フラワーショップ希望」に自信が持てたきっかけは、東が敬愛するウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領を訪ねた時だ。ムヒカ氏は大統領時代、公邸に住むことを拒否し、給与所得の9割以上を寄付して質素な暮らしをしていることから“世界で一番貧しい大統領”と呼ばれていた。「『フラワーショップ希望』の話をしたら、ムヒカさんがすごく良いことだと言ってくださったんです。世の中が変わっても、時間や愛する心のように人を豊かにするものはあり続ける。そして『言葉にならない思いを込めて贈る花もその1つなんだ』と言ってくださり、自分が始めたことは間違っていなかったと活動に勢いがつきました」。

「フラワーショップ希望」を通してインドやジャマイカ、ブラジル、ドイツ、アルジェリアなど計10ヵ国以上を訪れた東は「花は世界共通の“言語”だ」と語気を強める。「アフリカの片田舎やブラジルのアマゾン熱帯雨林周辺の街にも花の市場があるんです。花が国や人種を超えて人間の生活に根付いていることが、世界中を旅してわかりました。例えば赤いバラが愛を表現したり、マリーゴールドが宗教的なお供えものであったりというように、誰かが決めたわけでもないのに世界各地の花に同じ意味が込められていることも不思議ですよね」。

東自身が花の力を感じたエピソードがある。見ず知らずの外国人である東が街頭で活動していても現地の人に警戒されず、ブラジルのファベーラ(スラム街、貧民街)など危険な地域でも歓迎を受けた。インドでは物乞いの子どもも多いが、花を配る東の姿を見ても金銭は要求せず、花をもらって喜んでいたという。「人間の欲に訴えかけるものは争いを生んでしまいますが、花は心に訴えかけるものだから逆の反応になるのだと思います。花を贈り合う文化も今みたいにものが溢れていても廃れないですし、人間の心の奥底に根付いているのかもしれないですね」。

花によって人との繋がりが強くなり、希望が広がる

「フラワーショップ希望」の活動自体はシンプルだが、そこから生まれる繋がりは「花をあげる人ともらう人」という枠におさまらない。東から花をもらった人が、その花をまた別の人に贈るという連鎖こそが「フラワーショップ希望」の核心と言える。「当初の予想以上に広がりが生まれました。もらった花を恋人や親に贈る人や、お墓に供えるという人がいますが、花をもらった嬉しさをお裾分けしたくなるからだと思います。花を配ること自体はささやかなことかもしれませんが、そこから風媒花のように活動が広がっていくんですよね」。花をもらうことで喜びを誰かと共有したい気持ちになるのだろう。花を介して生まれるアナログなコミュニケーションは、相手との関係性をより特別なものにするに違いない。

「この活動を始めた時に『世界平和を望んでいるか?』とよく聞かれました。確かに花はその可能性も秘めていると思いますが、元は出会った人達、特に子どもにとって思い出に残るような活動にしたかったんです。花をもらった人がまた別の誰かに贈ったり、その時に感じた気持ちを話す。そうすることで希望が広がっていくきっかけになってほしいですね」。

東京での初開催にあたり

7月28日から8月2日まで、「TOKION the STORE」で、「フラワーショップ希望」が東京に“オープン”する。「たくさんの人に来てとは言えない状況ですし、どんな反応があるかも予想できないですが、細心の注意を払いながら花でみんなを元気にしたいです」。

また、以前から強い要望があった「フラワーショップ希望」のスタッフTシャツなどのグッズも販売する。収益は今後の「フラワーショップ希望」での花の仕入れ資金に充てられる。「十分な距離をとって花を配ることになるかもしれませんが、自分自身も密にならない接し方を意識しながら行います。新型コロナウイルスだけでなく、11月にアメリカで大統領選挙がありますし、また世界が大きく変わっていくと思います。だからこそ、自分達が今まで発信してきたメッセージをより強く打ち出していきたいです」。

東信
1976年生まれ。ミュージシャンを目指し上京したが、花屋でのアルバイトをきっかけに花の業界に足を踏み入れた。2002年に、高校の同級生で現在は作品撮影を担当する椎木俊介とともに、オーダーメイドの花屋「ジャルダン・デ・フルール」を東京・銀座にオープン(現在は南青山に移転)。2005年から花屋と並行して植物の造形表現を始め、2009年にAMKK(東信、花樹研究所)を立ち上げる。以降はニューヨーク、ミラノ、パリ、上海、ブラジルなど世界各国の美術館やアートギャラリー、パブリックスペースなどで作品発表を行っている。
https://azumamakoto.com/

Photography Shin Hamada

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