矢島由佳子, Author at TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報 https://tokion.jp/author/yukako-yajima/ Fri, 15 Oct 2021 06:13:45 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.3.2 https://image.tokion.jp/wp-content/uploads/2020/06/cropped-logo-square-nb-32x32.png 矢島由佳子, Author at TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報 https://tokion.jp/author/yukako-yajima/ 32 32 Yogee New Wavesが語る“バンドのリアル”  迷いの渦中で感じた音楽の意義 https://tokion.jp/2021/10/15/yogee-new-waves/ Fri, 15 Oct 2021 09:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=67695 ニューアルバム『WINDORGAN』をリリースしたYogee New Waves。コロナ禍での活動を振り返りつつ、今の率直な思いを語る。

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これは、コロナ禍で生きるバンドのリアルなドキュメンタリーだ。

新型コロナウイルスの蔓延によって、音楽ライブの中止・延期が相次ぎ、開催した場合にはいくつもの感染防止対策による制限がかかってしまう2020〜21年。ライブを単なる娯楽ではなく人生の中心として捉えているミュージシャン達にとって、そういった状況は、経済面に限らず多くの苦痛や困難をもたらしている。

2013年に活動を開始し、1970年代のシティポップが鳴らした都会の中に潜むニヒリズムなどさまざまな人間模様や街の風景を、今の時代に東京から鳴らす4人組(角舘健悟、粕谷哲司、竹村郁哉、上野恒星)バンド・Yogee New Waves(ヨギー・ニュー・ウェーブス)。彼らは、オリンピックで活気が溢れる2020年の東京で4枚目のアルバムをリリースしようとしていた矢先にコロナに直面し、バンドにとって一番の糧であるライブも失った。10月13日にようやくニューアルバム『WINDORGAN』をリリースできるようになるまでの、バンドとして一度歩みを止めてから、水なしの植物のような状態になっていた日々と心情をここで語る。

——前作『BLUEHARLEM』から2年半という長い時を経て、ニューアルバム『WINDORGAN』がリリースされした。この2年半、特にコロナ禍での1年半にどんなことを考えて過ごしてきたのか、生き方や音楽に対する向き合い方がどう変化して、それがどのようにアルバムに反映されているのか、ということを聞かせていただければなと。

角舘健悟(以下、角舘):前提として、この作品(『WINDORGAN』)は6割方コロナ前に作っていて。オリンピックが来て、街が活気に溢れている中で出そうと思って作っていたんだけど、コロナによってシャットダウンされてしまったんです。海外のアーティストとかはコロナ禍で感じたことをすぐにリリースするような速度感でやっていて、けど自分達にはこの温め続けた曲があるから、歯がゆかったですよね。コロナになってからも制作はしていたんです。でも、無理に動いてやるよりは、一度立ち止まってみようよ、という話になって。そのまま1年という時が過ぎます。それで、一度止めたエンジンをかけてポジティブに作品に取り掛かるためにはどうしたらいいんだろうということを話し合うところから始まって、なんとか10月に風のアルバムを出せることになりました。

粕谷哲司(以下、粕谷):最初の緊急事態宣言のタイミングはメンバー同士でも会わないようにしていて。みなさんそうだったと思うんですけど、ずっと家にいて。リモートで今後どうしていくかを話したんですけど、ライブもどうなるかわからないし、リリースしてもどうなっちゃうんだろう、という状況で。みんな悶々としていたという感じですね。

——空白の1年は、どう過ごしていたんですか?

角舘:なんかね……俺は、自分のポジティブな活力の主軸がライブしかないことに気が付いたんです。さかのぼったら3歳頃からステージで演奏することを覚えていて、それを今までこと切らしたことがなかったんです。それが1年もやらない、おまけに曲を作っても「なんか違うな」ってなる、なんだか良くないスパイラルの中にいたように思います。だからただひたすらアンビエントを聴いたり作ったりしてました。作ることを止めたら楽しくないと思ったから、花を買ってきてそれが咲くまでの過程をインスピレーションにして曲を作るみたいな壁打ちをずっとやってましたね。それをどこかで発表するとかではないんだけど、ただ、あの静寂の中でバンドがドカンと音楽を鳴らしてるイメージがないからこそ、自分の中に入りたくて。だから自分のルーツにも帰ってみました。自分の住んでいた街に行ってみたり、パーカッションの恩師に会ったり、とにかく根幹を探り続けてました。昔はドラムをやってたから、ドラムの練習をしたりRECしたり。絵を描いたり。作って生み出すという行為はし続けた。あと鍵盤を弾けるように練習してました。見る人がいないってだけ。その時に思ったのは、作ったものを見てもらいたいとうこと。今まで、人に見てもらって、そのフィードバックに対して自分のエネルギー量を理解していたみたいな感じで。だからこの時期は、修行僧ですよね。頭はイカれそうになったかな……そうですね、今思えば頭はイカれましたね。

——ステージの上という自分が高揚できる場所、ライブという人生の糧を急に失って、気が滅入ったアーティストはこのコロナ禍で本当に多いなと、いろんなアーティストインタビューをしていても実感します。

角舘:でもそれを腫れ物に触るかのように見てほしくはなくて。その感受性で今までやってきた人があの時間を過ごしたら、ちょっとイヤな感じになるのは、俺は逆に自然だと思ってる。自分もすごく健全だと思った。これが次に繋がるということも感覚としてわかっていたから、黙ってシンセサイザーのカットオフをひたすらねじり続ける……みたいな感じ(笑)。

——そういう時に惹かれた音楽は、アンビエントだったんですね。

角舘:アンビエントと、あとはジャズかな。この2つにはめちゃくちゃ救われた感じがします。

——なぜその2つのサウンドにいったんだと思います?

角舘:一見メッセージ性がないっていうのがまずポイントだと思う。そこに「ある」というか。アーティストのメッセージや意図があるというより、自然のものから採取したって感じです。ジャズとかってもうちょっとそこにあるものをライブして録ったという感じがする。だからその2つは聴けたのかな。

癒やしの音に惹かれたことが『WINDORGAN』に繋がる

——なるほど。今回のアルバムでコロナが始まってから作ったのはどの曲ですか?

角舘:「windorgan」「JUST」、あと「Toromi days」は詞をコロナ中に書いたかな。この3曲だけじゃないかな。

粕谷:あと「SISSOU」は、曲自体はあったけどレコーディングしたのは最近だね。

——ああ、なるほど。「JUST」はこのアルバムの重要な1曲なのではと感じていて。まさにそこに「ある」ものを採取している感じがするというか。作者の目的とか打算から生まれた曲じゃなくて、人間の手を離れたところ、つまり音楽とか世界に導かれるように生まれた曲のように感じる。それに、聖歌が持つようなパワーがある曲だなとも思う。

角舘:俺、学校がカトリックだったから、ミサで訪れる美しさみたいなものをどういうふうに表現できるのかなということはずっと考えていたんです。そもそも自分は街とリンクしている感じがして、街に元気がないと俺も元気がなくなっちゃう。だからコロナになって自分も落ちて。その中でどうしたら曲ができるかなってずっと考えていたんだけど、「JUST」は曲を書きながら瞬間を切り取るみたいなことをしなくちゃと思って出た曲だと思っていて。だから「JUST」=今という曲名です。本当に、「今」を書いただけだったんです。その時に感じたことだけを、今その瞬間に書き綴っていって作った曲という感じ。「JUST」に関しては、書いててずっとゾクゾクしてた。

——「JUST」はピアノで作った曲?

角舘:「Toromi days」はそうで、「JUST」はガットギターで作ってエレピ(エレクトリックピアノ)で磨いた感じ。

——今までYogeeでピアノから作った曲ってなかったですよね?

角舘:それこそエレピを買ったばっかりで。アンビエントを作ることはできたけど、なかなか曲はできなくて、どういう気持ちを言葉にしたらいいんだろうって詞にもならなかったりしていたけど、「JUST」を作り始めたらちょっとずつ自分の心が吐露できるようになってきて。

——なんでピアノを買おうと思ったんですか?

角舘:それはね……コロナ前だけど、プロモーションで疲弊していた時に、気がついたら楽器屋に入って「これを……ください」って(笑)。そういう感じで買ったんですよ。ウーリッツァーっていう、とっても素敵な楽器なんですけど、もともと癒やすために作られた楽器で。

——そのエピソードやオルガンの癒やしの音に健悟さんが惹かれたことは、この『WINDORGAN』というタイトルの由来に繋がってます?

角舘:繋がってますね。シンセサイザーには興味があったけど、ピアノという楽器に興味を持つとは思ってなかったから。今まではギターだからメジャーとかマイナーとか大雑把なカラーの話だったけど、ピアノになった瞬間に、さらに複雑な音階の和音を組める。彼(=音)にとって彼は邪魔者なんだけど、一緒にいることによって味わい深い、ということをすごく学び取れて。和音という概念が自分の中にできたんですね。

——それは人間関係のあり方にも通ずる話な気がしますね。

角舘:和音が鳴ってるみたいな感じでバンドをやってるなっていうふうにも思ってましたし。

——この“WINDORGAN”というのは造語ですか?

角舘:これはね、あるんですよ。オランダの建築物で。海沿いとかにあるんだけど、風が吹くと音がガーってなる楽器兼建築物。それの存在を知って、なんか僕らもWINDORGANのようだなと思ったというか。街に点在していて、風というか動力があって、音が鳴っている。人はみんなそういうもんだとも思う。

——アルバム中盤にあるインスト曲windorgan」は、アレンジからミックスまですべて健悟さんが手掛けられていますが、アンビエントを聴いて作るモードの延長線にあるものという感覚?

角舘:それはめちゃくちゃあって。「CAN YOU FEEL IT」「SUNSET TOWN」とかで、抽象的なサウンドスケープを1回鳴らしてから曲をやることはこれまでもあったけど、それの今の時代版って感覚で作ってみました。

バンドにとってのライブって、植物にとっての水やりと一緒

——他のメンバーは、この空白の1年をどう過ごしてましたか?

粕谷:いろいろやってましたね。やはり喰らうことも多くて、腐ってる時期もありました。家を出られない時は本当になにをしたらいいんだろうなって。そもそもドラムだと家で鳴らせないし、最初の方はスタジオに入るのも控えていて、家で1日中パッド練習をするみたいな日もあって。でもそういうのも経て、「今」自分が興味を向けているものを極めるのが一番いいということを体感した期間でした。結局自分が好きだったり興味があったりするものを突き詰めるべきだと思ったんですよね。

——音楽、ドラム以外で粕谷さんが興味を持ったものって、どんなものでした?

粕谷:釣り、カレー、あとはゲームにハマったり、絵を描いたり、パーカッションに興味が出たりもしました。結局、例えば自分が釣りをしたいと思ってる時に音楽をやろうとしても、自分のドラムがよくなる幅はほんのちょっと、もしくは下がっちゃうことが多くて。こんな状況の中で負のスパイラルに入りたくなかったから、今楽しいと思うことを全力でやるということを大事にしてました。釣りを本気でやったら、飽きて、自然と今度は音楽に興味が出てきて……っていうのを、今もそうですけど、ずっと繰り返してます。その考え方を作っていったような1年半でした。

——上野さんは、この1年いかがでしたか?

上野恒星(以下、上野):いろいろ思うこともありましたけど、一番自分の大きな変化としては……自分はそもそも小学校くらいから音楽を聴くのが好きで、ずっと興味の中心は音楽だったし、バンドを始めてからもずっとレコードを買って聴いていたけど、音楽に対する興味みたいなものが本当になくなっちゃって。レコードも全然買わなくなったし、そもそも新しい音楽を聴くことがなくなって。音楽と向き合うことですごく自分が削られていくような状態だったんです。でも絵を描き始めたら、今までは全然興味なかったのに、すごく楽しくて、失われていった部分が少しずつ取り戻せてるような感覚になっていって。世の中の状況的にもまだ全然ですし、いろいろ考えるところがあるんですけど……フジロックに出たり、友達がレコーディングに誘ってくれて1曲演奏したり、洋服を作っている友達の展示会に行ったりして、最近はポジティブなものをもらっているので、ちょっとずつ自分を取り戻してる感覚はあります。今は、これからのツアーを楽しんでいいものにできればなって思っていますね。

——ボンちゃん(竹村)はいかがですか?

竹村郁哉(以下、竹村):なんかあんまり覚えてないんですけど……曲作ったり、植物に水やったり、飯作ったり、音楽聴いたり聴かなかったり、めっちゃへこんだり。ニュースを見てもへこむことが多いので。俺が言うのもおこがましいけど、みんなそんな感じだったんじゃないかと思うんですよね。何を見ても後ろ向きな言葉が多いから。それで「このときの気持ちはこの時しかないから、デモくらいにして書き留めておこう」と思って、パソコンに向かってギターやベースを弾いて、みたいなことをしつつ。別に何かのために作るわけではないけど、その時の「感情」まではいかないような想いや匂い、温度、風とかってすぐに忘れちゃうから、形にしておいたら振り返られるかなって。あんなに目まぐるしかったことはないし、社会に対しても自分に対しても自分の周りの人に対しても、すごくワガママになったり、すごく親身になったりを繰り返して……最終的にこの1年半をあんまり覚えてないんですよね(笑)。それくらい「ガタガタ砂利道」という感じだったんじゃないですかね。

あとは粕谷にとってのカレー、釣りみたいなことで言ったら、植物を育ててましたね。心が鬱屈とした時に植物を愛でることを繰り返していたので、今うちがジャングルみたいになってます。愛情を込めれば込めるだけ彼らは答えてくれるんですよ。で、こないだライブのことを考えてて、思ったんですよ。

——何を?

竹村:バンドにとってのライブって、植物にとっての水やりと一緒だなと思って。バンドって、水がないと実をつけないんですよ。

——昨年は有観客ライブを1本しかできてなくて、今年もフェスを入れてもまだ3本しかやってないですもんね。

竹村:でもレモンって、水を絶てば絶つだけ、甘い果実を実らすんですって。そういうことを思いました。

角舘:間違いないね。

音楽家ってだけで、人に勇気を与えられる

——(笑)。そうやってできた甘い果実が、このアルバムやこれからのツアーであるということですよね。アルバムの発売を後ろ倒しすると決めて止まってから1年が経って、バンドとしてのエンジンを再度かけられたのは、どういうきっかけだったんですか?

角舘:「JUST」に関しては、ヘッドアレンジをある程度排除して、みんなで音を出していくところに戻ってみたんですよね。それを録音しようって。それからかな。そこまではバンドらしい動きがなかったような感覚があるんだけど、「JUST」が最初だったんじゃないかなって俺は思う。どう思う?

粕谷:バンドがもう1回エンジンを、っていう意味では、契機になったと思う。それぞれにいろいろなことがあったし、バンドとしても、前より閉鎖的な状況があって煮詰まることも多かったから、話し合わなきゃいけないタイミングが多くなって。でも難しい状況の中でなんとか一歩を踏み出せたような感じがあったのは、今年に入って「JUST」にしっかり取り組み始めた時間からですかね。

角舘:「JUST」は、すごくバンド的な、プレイヤーが立ってる曲になったと思う。この曲群だと一番「WINDORGAN的瞬間」をみんながやってるなとも思うし。

粕谷:静かというか、静謐なのがいいんですよね。そこが他の曲との決定的な違いだなと思っていて。単純に音がいっぱいあるとかないとかではなくて、プレイヤーの息遣いとか、健悟の言葉の息遣いみたいなものが聴こえる。そういう印象になる曲はYogeeで初めてだなって、できた時に聴いて思いましたね。

——リリースが延びたことで、ボツにした曲もあるんですか?

角舘:俺の中では4〜5曲くらいあるのかな。

粕谷:これだけ長い時間があると、「時代の状況や今の心境に合わない」みたいな観点はずっとあって。

角舘:コロナの前とコロナの今があったから、地続きではあるんだけど、やっぱり感覚は違って。最初の話で言ったら、俺は「全部録り直そうよ」って何度も言ってた気がするし。「もう1回曲書けばよくない?」って。このアルバムは自信を持って出せるものですけど、心境と合わないっていうのは今でもある。でも、このアルバムが絶対にパワーがあるものだとも理解してるから。

——このアルバムはYogeeがずっとブレずにやってきた音色の鳴らし方、バンドとしての音の重ね方、言葉の綴り方、言葉にならない人間や街のエネルギーをつかんで音楽の中に封じ込める力に、さらに磨きがかかっていることを証明する内容だし、本当にグッドミュージックな曲が揃ってると思う。こうやって、バンドが大変な状況を経てポジティブなエネルギーが宿ってる作品を完成させた時、ライターとしては「落ち込んだ時期を経て、今はとてもポジティブなモードにいる」って書きがちなんだけど……今はまだそう断言されるのも違うっていう感覚ですよね?

角舘:それもリアルじゃないですかね。リアルなのがバンドだなとも思う。それが、デザインされたものなんかよりもずっと人に勇気を与えると思うので。今は特にそう。

粕谷:やっぱり嘘はつきたくないので。いろいろあったからこそこれだけ時間がかかったっていう自分達の正直なところはやっぱり伝わってほしいし、伝わらなきゃ作品を作ってる意味は薄れるとも思うし。

角舘:バンドのスタンスとしては、今はまだ渦中にいる感覚。けどそれはたくさんの人達がそうだから。すごく大事なのは、受け手もその渦中にいるということですよね。

——まだまだコロナは終わってないですしね。

角舘:そう、それを見ないふりしたくもなるけど。そういう時にこの曲達を聴いたら絶対に救われると思って作ってはいるから、聴いてほしいなとは思ってます。

粕谷:この先のツアーに関してはすごくポジティブに考えていて。ツアーするのも久しぶりだし。

角舘:とてもやる気に満ち溢れてる! レモンの定理で言ったらまさにそうなるよね。

竹村:レモンでしょ。なっちゃうでしょ。

角舘:こういう時こそWINDORGANであるべきだと思ってる。音楽家ってだけで、多くの人に勇気を与えられる。そういう職業をやってるのはめちゃくちゃミラクルな人生を歩んでるなって思ってるから。だからそういう気持ちでツアーをしたい。

粕谷:与えたいっていう気持ちは、前以上にめちゃくちゃ強いね。俺らももらえるってわかってるから。ライブをやると自分達も元気をもらえるんですよ。それが毎週末あるわけですから……楽しみすぎておかしくなりそう(笑)。

Yogee New Waves(ヨギー・ニュー・ウェーブス)
2013年に活動開始。角舘健悟(ボーカル・ギター)、粕谷哲司(ドラムス)、竹村郁哉(ギター)、上野恒星(ベース)の4人組。2014年4月に『CLIMAX NIGHT e.p.』でデビュー。9月には1stアルバム『PARAISO』をリリース。2019年3月に3rdアルバム『BLUEHARLEM』をリリース。2020年7月12日に最新曲「White Lily Light」をデジタルリリースし、同日に初の配信ライブ“Naked”を有料配信。12月には有観客&配信によるOneman Live“Escort”をZepp Tokyoにて開催。2021年、4年ぶりとなる「FUJI ROCK FESTIVAL’21」や、各地野外フェスへ出演。そして約2年半ぶりとなるニューアルバム『WINDORGAN』を10月13日にリリースする。さらに、10月16日から全14都市を巡る全国ツアー“WINDORGAN TOUR 2021”をスタートする。
http://yogeenewwaves.tokyo
Twitter:@Yogees_band
Instagram:@yogeenewwaves
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCK8yCL7OaVb2PLg2XUh7Xyg

■Yogee New Waves 4thアルバム『WINDORGAN』
リリース日:10月13日
価格:通常盤¥3,300、アナログ盤¥4,400、VOS限定盤(CD+DVD+GOODS)¥9,350
収録曲:01. SISSOU/02. to the moon/03. You Make Me Smile Again/04. Night Sliders/05. JUST/06. Ana no Mujina /07. あしたてんきになれ/08. windorgan /09. Toromi days feat.Kuo (落日飛車Sunset Rollercoaster) /10. Jungrete/11. Long Dream/12. White Lily Light

■WINDORGAN TOUR 2021
10月16日 福岡 DRUM LOGOS OPEN 16:30/START 17:30 
10月17日 広島 クラブクアトロ OPEN 16:45/START 17:30 
10月23日 高松 DIME OPEN 16:45/START 17:30 
10月24日 京都 磔磔 OPEN 16:45/START 17:30 
10月27日 札幌 ペニーレーン24 OPEN 18:00/START 18:30 
10月30日 金沢 EIGHT HALL OPEN 16:30/START 17:30 
10月31日 新潟 GOLDEN PIGS RED OPEN 16:45/START 17:30 
11月3日 仙台darwin’ OPEN 16:30/START 17:30 
11月6日 岡山 YEBISU YA PRO OPEN 16:45/START 17:30 
11月7日 浜松 窓枠 OPEN 16:30/START 17:30 
11月12日 心斎橋 BIGCAT OPEN 17:00/START 18:00 
11月13日 名古屋 BOTTOM LINE OPEN 16:30/START 17:30 
11月16日 東京 Zepp Tokyo OPEN 17:00/START 18:00 
12月4日 沖縄 Output OPEN 17:00/START 18:00 
http://yogeenewwaves.tokyo/live

Photography Takuroh Toyama

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音楽の聴き方が変化して、ヒットの法則はどう変わる? 博報堂・谷口由貴に聞く https://tokion.jp/2021/04/22/yuki-taniguchi-from-hakuhodo/ Thu, 22 Apr 2021 06:00:08 +0000 https://tokion.jp/?p=29251 音楽の聴き方がCDからストリーミングメインに移行して久しい。音楽の聴き方が新しくなったことで、ヒットの法則がどのように変化しているのか。博報堂コンテンツビジネスラボで活動している谷口由貴に聞く。

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2020年はCDをリリースしていないアーティストが「紅白歌合戦」の出場を果たし、最近ではAdoの「うっせぇわ」のミュージックビデオが公開から5ヵ月未満で1億回再生を突破しBillboardの総合チャートでも1位を獲得(CDは未発売)。特に2020年から2021年にかけて、ヒットの指標、ヒットに至るまでの過程や影響元、ヒットする音楽性が、ものすごいスピードで変化し続けている。ポップカルチャーの熱狂はいつの時代もティーンから生まれるからこそ、昨今の若者の心理や消費行動を分析するとヒットの傾向や予測が見えてくるだろう。そこで今回は、博報堂の「コンテンツビジネスラボ」メンバーとしてエンタメ領域のコンテンツ消費行動研究や音楽ヒット分析を行っている谷口由貴に、データや分析結果としてどういったファクトが出ているのかを聞いた。

音楽は「聴く」から「使う」へ

——谷口さんから見て、ストリーミングサービス全盛の時代における音楽の届け方は、CD時代からどのように変わりましたか?

谷口:CDからストリーミングになって変わったことが、3つあると考えています。まず、ヒットの指標がCDの売上枚数からストリーミングの再生回数に変わったこと。それによってヒットの方程式が、「ストリーミングのリスナー数×再生回数」に変わりました。2つ目は、過去の楽曲と最新の楽曲がプレイリストの中でごちゃまぜになることによって、楽曲の新旧という概念が薄まってきたこと。3つ目は、プレイリストという仕組みが新しく登場したことによって、プレイリストを使って新しいリスナーを獲得したいというアーティストが増えて、「プレイリストマーケティング」という言葉もできたことです。リスナー側としても、今までになかった出合い方ができる時代になったのかなと考えています。

——「リスナー数」と「再生回数」が増えていく要因として、今はどういったものに影響力があると分析されていますか?

谷口:リスナー数を増やすためには、いかにストリーミングサービスのプレイリストに入るか。あと、YouTubeやTikTokなどのSNSでいかに発信してもらえる曲になっているか。そういった点が大事になってきています。今はやはり「歌ってみた」やSNSでのつぶやきなどのUGC(User Generated Contents=ユーザーが生成したコンテンツ)にパワーがあるんですね。例えばYOASOBIさんが出てきたときは、「これって小説がもとになってるらしいよ」ということが新鮮で人に教えてあげたくなる種になっていたと思うんです。そういった、SNSでわざわざ人に教えたくなる要素が拡散につながると思います。そこの設計はすごく難しくて、音楽業界の人も「もう半分くらい運です」とおっしゃるんですけど(笑)、アーティスト側にとってはそれによって波及するかどうかが決まるような気がしていますね。

UGCの強みは、一般人が発信するものこそ共感できる、親しみやすい、真似したくなる、という気持ちが醸成しやすくなることで、だから最近はストリーミングよりも先にTikTokで流行が生まれるのだと考察しています。「あの子が聴いてるなら聴いてみよう、あの子が使ってるなら使ってみよう」という気持ちが起きやすい場になっている。TikTokで特徴的なのは曲を「聴く」ではなくて「使う」という、まず動詞が変わっていることですよね。

そして、リスナー1人あたりの再生回数を増やすためは、抽象的になってしまいますが、中毒性のある楽曲を作る。Adoさんの「うっせぇわ」も、YOASOBIさんの曲も、中毒性があって話題になっていますよね。いかに中毒性のある曲を作れるのかは、あくまでリスナー側である私にはわからないところではあるんですけど、そういう設計ができたらいいのかなというふうに思ってはいます。

——リスナー数を増やすための設計は運によるところがありながらも、どういった部分は作り込むことができると考えられていますか?

谷口:音楽以外の面からもアーティスト自身を好きになってもらう工夫が大事なのかなと思います。例えばDoulさんのように、海外の有名なアーティストがSNSでシェアやフォローをしただけで海外ファンが一気に増えることもありますが、そもそもDoulさんは自分でMV制作に関わったり、その中でファッションもメイクも自分でやっていたり、英語でしゃべっていたり、かっこいい「Doul」という世界観を作り込んでいる人で、楽曲だけでなく世界観にハマってもらう設計をされていると思うんですね。アーティストにとって楽曲は1つの「面」だと思うんですけど、ファッションやメイクなど接点を増やして、いくつもの面でできあがる世界観で攻めていくのが大事なのかなと思います。ボカロP関連の人は逆に顔を見せないことで、ミステリアスな雰囲気や余白を作ったりして、世界観作りに成功しているケースもありますね。

――プレイリストやUGCに影響力があるとおっしゃる中で、「THE FIRST TAKE」はいかがですか?

谷口:あれは結構影響ありますね。THE FIRST TAKEが出たタイミングで、ストリーミングの再生回数が伸びたりSNSの投稿数も増えたりするというのはデータ上も出ています。流行りの軌道に乗ってるので、「昨日、○○がTHE FIRST TAKEに出たね」と話題になりやすいですよね。コンテンツビジネスラボのメンバーと話していたのは、THE FIRST TAKEのあの感じってライブに近いよね、ということ。コロナ禍でライブ代わりだったからこそあそこまで人気になったのかもしれないですよね。

ジャンルよりも「好き・嫌い」と「流行り」

——今、他に10代に人気のサービスというと?

谷口:まず10代の傾向としては、ストリーミングサービスでいうと、他の年代と比べてLINE MUSICの利用率が高いんですね。特に10代女性に関しては、LINE MUSICの利用率は18%と高い値です。(※日本での利用率が比較的高いApple MusicやSpotifyなどでも、調査対象者の全体利用率は6%台)なのでLINE MUSICのランキングと他のストリーミングのランキングは結構違っていて、それはおもしろいです。LINE MUSICの上位の曲が、あとからApple Musicのランキングに現れたりするので、若い子の中で流行っている音楽が知りたかったらLINE MUSICのランキングを見るといいのかなと思います。

あと、10代男性の傾向としては、一昔前よりもラジオが聞かれるようになっているみたいです。YouTubeもながら見、ながら聞きするからほぼラジオに近い立ち位置になっているようで、そうなるとYouTubeとラジオが≒になっているんですよね。例えば、霜降り明星さんを好きな人は、「しもふりチューブ」と「霜降り明星のオールナイトニッポン0」に同じように触れているんだと思うんです。ストリーミングサービス内にもPodcastがあったりするので、音声コンテンツと音楽コンテンツの壁はあまりないのかもしれません。

——音楽のジャンルとしては、今どういったものが若者達に好まれているというデータがありますか?

谷口:この間SHIBUYA109 lab.が発表した調査結果によると(「SHIBUYA109 lab.トレンド予測2021」15〜24歳の女性を対象にした調査)、アーティスト部門には「エモいヒップホップ」が挙がっていました。川崎鷹也さんや優里さんなど、自分のエモさを表現するのにふさわしい楽曲がSNSで好んで使われていて、さらにヒップホップも流行っているから、結果的に「エモいヒップホップ」がはやるというふうになっているんだと思います。

そもそも、もうジャンルはあまり関係がないという説もありますよね。例えばKing Gnuさんはミクスチャーロックですし、K-POPも洋楽とJ-POPが混ざり合ったものであるように、いろんな要素を持っている楽曲が多すぎて、「これはヒップホップです」「これはロックです」とか言えなくなっている気がします。ジャンル関係なく個々人が持っている「好き・嫌いの軸」と「流行の軸」があって、多くの若者は、その2軸で「好き、かつ、流行っているから聴く」という選び方になっていると思います。それこそ、ストリーミングサービスにはいろいろな切り口のプレイリストもあるし、ジャンルで括らないほうが自分の好きな音楽に出合えるんじゃないか、という時代ですよね。

――エモい弾き語りやヒップホップがトレンドになっている一方で、ボカロ系をルーツに持つ人達の音楽も今ヒットしているのは、どういった理由があるからだと分析されますか?

谷口:米津玄師さんに始まりボカロP出身の人が活躍しているのは、昔ニコ動でしか聴かれなかったものがいろんなプラットフォームへアプローチするようになって、触れる人が増えて気付かれるようになっただけという気はするんですけどね。あとは、バンドよりも打ち込みのほうが制作が早くてリリースのペースも早いので、リスナーを飽きさせにくく、離脱させにくいというのは強みだと思います。

SixTONESさんの「うやむや」という曲が、楽曲もMVもボカロっぽくなっているんですよね。今までのジャニーズソングにボカロっぽいものはあまりなかったと思うんですけど、SixTONESさん、Snow Manさんくらいから明らかにちょっと変わっていて、新規ファンを増やすためなのかジャニーズという枠に囚われないことをどんどんやっているので、おもしろいです(笑)。「うやむや」は結構再生されてて、おそらく、ジャニヲタじゃない人や普通にボカロの音楽を好きな人も聴いていると思います。

――ストリーミングが全盛となっている中で、今もCDを買う人やレンタルする人達の消費行動・心理は、どのように捉えられていますか?

谷口:我々コンテンツビジネスラボの調査結果によると、実は10代の女性が一番CDを買っています。もう少し解像度を上げると、アイドルファンの方が多いです。CDを買うことが応援になっているのだと思います。アイドル以外のジャンルでは、YOASOBIさんのCDが売れているように、CDを買ってもらうためにはやっぱりひと工夫が必要なんだなと思いました。付加価値がないと「ストリーミングで聴くじゃん」ってなっちゃうので。CDはファングッズとして買うことが増えてきていますよね。

レンタルにおいては、Billboardさんのチャート指標でルックアップ(CDをパソコンで読み取った回数)というものがあるのですが、ストリーミングなど他の指標に比べるとそこまで目立たないものになってきています。特殊だったのは、YOASOBIさんのCDが発売後に在庫切れになって、どうしても手に入らなくなった時期が何日間かあったらしくて、そこだけレンタルが伸びたという話は聞きました。ちなみに、ラボの調査結果によると、10代男性が一番レンタルしているようですが、それでも年1回以上CDレンタルすることがあるのは、5人に1人くらいの規模感になっています。

音声メディアとオンラインライブに注目

——2021年はどういった傾向が生まれる、もしくは、さらに強まっていくと予測されていますか?

谷口:もともと、コンテンツビジネスラボでヒットの予測をしていたんですけど、不確定要素が多すぎて、過去のヒットを分析することが主な仕事になっています(笑)。特にTikTokヒットに切り替わってからは、今まではトップアーティストが長い期間上位にランクインし続けてチャートが変わらない状態だったストリーミングサービスが、かなり流動的になっていますよね。いろいろな要素が複雑に絡まっているような感じはしますが、なぜヒットしたのかも上手く説明できないような状態があるので、すごく難しいんです。

注目していることとしては、1つは、音声メディアや、音声メディア×生配信というものがどうなるのか。音声メディアはこれからくるってずっと言われていますし、実際Clubhouseも急に流行りましたけど、動画視聴時間がすごく伸びている中で、動画から音声メディアに移行していくのかどうかは気になります。今、Clubhouseで弾き語りしているアーティストをスカウトする人がいたりもするので、そこから今のTikTokみたいにアーティストが売れる場所になっていくのかどうかが気になりますね。昔、Instagramも「いいねがもらえそうなキレイに加工した写真だけを投稿する場所」になってしまっていたところ、ストーリーズができて気軽に投稿できるようになったことでユーザーが増えて定着していったように、Clubhouseも今後人々の生活にどう馴染んでいくのか注目したいです。

2つ目は、オンラインライブが今後どうなっていくのか。オンラインライブの、これだ!っていう成功例って多くはないと思うんですよ。リスナーがリアルのライブと同じかそれ以上に楽しめるような体験を作れる人が現れるのか、そういうプラットフォームが出てくるのか、すごく気になっています。例えば、YOASOBIさんのオンラインライブはスクショOKで、noteでレポートの投稿を募集していましたが、そうすると「ikuraちゃんのピアスめっちゃかわいい」と言ってピアスのアップの写真を撮ってる子がいたりして、ライブのあとにいろんな余韻の楽しみ方が生まれているのがめちゃくちゃよく考えられた仕組みだなとびっくりしたんですよね。そういうものがどんどん開発されていくんでしょうね。あとは、リアルでライブしつつオンラインでも配信して、どちらも見てもらうのが主流になるのではないでしょうか。アーティスト側にとって新しい収入の形が生まれるのではないかと思います。

——谷口さんは博報堂でARの開発にも関わられているそうですが、そういった技術が音楽コンテンツに活かされてみんなの日常に浸透していく日が来ると思いますか?

谷口:まだXR(VR、AR、MRなどの先端技術の総称)業界は、一般利用という面では発展途上で、技術自体は成熟していてもARグラスをみんなが持っているわけじゃない、といった問題があるのでなかなか難しいのですが、今後はありえるんじゃないかと思ってます。おうちでライブ会場に行っているような体験ができたり、ライブ会場に自分がバーチャルで存在できて他人からも自分が見えたり、アーティスト側も満席の会場でやっているように見えたり、そういったことは技術上可能です。将来的には世界観を伝達する力のあるアーティストがARやVRを使ってみんなで一緒に楽しんでいる感を醸成できるようになるのでは、と期待しています。リアルとデジタルの両方のいいところを取ってライブをやれる日が来るのではないかと思っています。

谷口由貴(たにぐち ゆき)
博報堂コンテンツビジネスラボ所属。2017年博報堂入社。同年より研究開発局にて若者研究やARクラウドを用いたサービス開発に従事。また、コンテンツビジネスラボのメンバーとして、エンタメ領域のコンテンツ消費行動研究を行っており、音楽分野担当として音楽ヒット分析等を行っている。2020年よりマーケティングシステムコンサルティング局にてマーケティングプラナーとしてサービス開発やプロダクト開発に従事。2021年より生活者エクスペリエンスクリエイティブ局所属。
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Photography Mayumi Hosokura

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