峯大貴, Author at TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報 https://tokion.jp/author/daiki-mine/ Wed, 25 Jan 2023 06:26:51 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.3.2 https://image.tokion.jp/wp-content/uploads/2020/06/cropped-logo-square-nb-32x32.png 峯大貴, Author at TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報 https://tokion.jp/author/daiki-mine/ 32 32 家主、ライヴを語る バンド史上最大数のツアーの熱量を収めたライヴ・アルバム『INTO THE DOOM』リリースに寄せて https://tokion.jp/2023/01/24/yanushi-into-the-doom/ Tue, 24 Jan 2023 06:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=165190 田中ヤコブを擁する4人組ロックバンドの家主が、昨年行われたライヴツアーから全21曲を収録するライヴ・アルバム『INTO THE DOOM』をリリース。ツアーで得たものや見えた光景、ライヴに対する姿勢について4人に尋ねた。

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ソロミュージシャンとしての評価も高く、12月には3rdソロアルバム『IN NEUTRAL』をリリースしたばかりの田中ヤコブ(Vo / Gt)を中心に、田中悠平(Vo / Ba)、谷江俊岳(Vo / Gt)、岡本成央(Dr)によるロックバンド、家主。ヤコブ、悠平、谷江という3人のシンガーソングライターを擁し、岡本も交えた仲間同士でやいのやいのと言い合っているような人懐っこい空気感と、何よりいいメロディが満載のグループだ。

そんな家主が2021年発表の2ndアルバム『DOOM』を携え、全国16ヵ所を周るツアーから、全21曲を収めた初のライヴ・アルバム『INTO THE DOOM』を発表した。粛々としているようでいて一度始まるとアグレッシブで爆発力のある演奏に定評がある家主のライヴ。音源とは違った魅力が堪能できる作品に仕上がっている。

彼ら史上で最大本数のツアーをやり遂げ、『INTO THE DOOM』に結実した家主の4人に、そこから得られた経験とライヴの向き合い方の変化について話を聴いた。

家主における音源作品とライヴの位置づけとは

――本作『INTO THE DOOM』は2021年12月にリリースの2ndアルバム『DOOM』のライヴツアーの模様を収めた作品です。1stアルバム『生活の礎』(2019年)がこれまでライヴでやってきた曲を軸とした作品なのに対して、『DOOM』はこのツアーでライヴ初披露という曲も多かったですよね。

田中ヤコブ(以下、ヤコブ):仰る通り、この『DOOM』のために作った曲が多くて始まる前は「どうやるんだろう?」という怖さはありましたね。なので練習する中でライヴで出来そうな曲から手をつけていきました。

――ツアーに向けて、どのように『DOOM』の曲をライヴでできるように再構築していったのでしょうか?

ヤコブ:私としては録音物と同じものを求めても仕方ないと割り切って練習していました。アルバムを再現できるようにアレンジし直すというよりも、練習で合わせながら、ライヴをしていく中で、新たに自然とできあがっていく感じ。

田中悠平(以下、悠平):仰る通りです。

ヤコブ:そもそも家主は3人でやっていて、2019年に谷江さんも入ってライヴをするようになってからすごく自由に演奏できるようになりまして。やっぱりギターが2人いるのはすごくいいんです。だからライヴはずっとボーナスタイム。

――『DOOM』の曲をライヴでやることの難しさよりも、そもそも4人でライヴができることの自由さ、楽しさが続いているような感じですかね?

ヤコブ:そうですね。マリオカートでいうスターを取った状態。だから作り込んでいく音源作品と、4人で自由に演奏するライヴはざっくり分かれている感覚です。

――確かに家主は、音源では曲の良さが立っていますが、ライヴではヤコブさんも弾きまくるし熱量の高い演奏が際立っていてアルバムとは印象が異なります。今回「近づく」が特にそれを象徴していると思っていて。アルバムでは最初の曲ですが、ツアーではほぼアンコール以降に披露されていて、アレンジもヘヴィになっています。

ヤコブ:最後のほうに演奏していたその心は、半音下げチューニングなので途中に入れてしまうと変に間が空いてしまうという事務的な理由なんですけど(笑)。でも確かにパワーを使う曲なので、先にやると体力的にもツライです。

岡本成央(以下、岡本):「近づく」の後にまだ曲があるなんて考えたくない。ヘトヘトです。

ヤコブ:仰っていただいたアルバムとライヴでの印象の違いは、演奏する側としてはあんまり意識していないですね。録音物と同じようにしなくていいと思っているけど、変えようともしていない。自然で地続きな感じです。

谷江俊岳(以下、谷江):ライヴでは最後の曲だし、特に音はデカいですけどね。

ヤコブ:『DOOM』のレコーディングも手掛けてもらった飯塚晃弘さんが全公演PAをしていただいたので、そっちの工夫によることも大きいかもしれません。確かに「近づく」をやる時はPA卓でかなり操作されていました。

全国16ヵ所を回ったバンド史上最大のツアーを振り返って

――このリリースツアーは家主にとって最大規模の全国ツアーで、2022年2月から7月にかけて全国16カ所を回られました。たくさんライヴをされた中で印象に残っている公演はありますか?

ヤコブ:やはり初日の大阪、2日目の静岡でのライヴが思い出深いですね。こんなに全国を回るのが初めての経験だったので、ツアー日程を眺めながら私たちにこんなたくさんできるのか、お客さんがちゃんと来るのか不安でした。でも大阪のワンマンがソールドして。またライヴ中に谷江さんがギターの弦を切って、私がステージ上で張り直したり、ハプニングもあったんですけど、意外と些末なことだなと思えたんです。これで厄が落とせたしよかったよかったと。

そして次の日の静岡がherpianoとの対バン。前作『生活の礎』(2019年)の発売記念ライヴでも共演したので、再会を楽しみにしていました。コロナ禍になって以降、他の方のライヴを観ることがすっかり減ってしまって、本当に久しぶりだったのですが、herpianoを観て改めてライヴって尊いなぁと思えました。この最初の2日間がすごく楽しめたことに救われましたね。このツアーなんかいけそうな気がするぞって。

悠平:私はやっぱり札幌と京都でやった台風クラブとの対バンですね。単純にずっとファンでしたし、今では同じNEWFOLKファミリーに入れていただいて。しかも仲良くしていただいて光栄です。台風クラブが対バンだと自分たちのライヴでも全然緊張しなくて、すごくうまくいった印象があります。

ヤコブ:『INTO THE DOOM』の音源も半分くらいがこの札幌のライヴから採用されました。ツアー中盤で慣れてきたし、台風クラブは最高だし、我々も調子が良かったのでしょう。

谷江:私が記憶に残っているのは岡山です。会場の岡山ペパーランドが、共演のマドベさんのホームという感じでいいんですよ。ライヴはとにかくパッションがあるし、気持ちを鳴らしている感じがグッと来ました。打ち上げも大衆洋食屋さんでやったんですが、ペパーランド終わりの定番になっている場所だそうで、マドベさんのルーティーンに誘ってもらったのも嬉しかったです。

ヤコブ:今回ワンマンと対バンどちらもありましたが、共演の方はどの組も素晴らしかった。自分たちの企画じゃなければ、先の出番にしてもらってゆっくり観ていたかったですね(笑)

岡本:自分は青森。車で向かう途中に雪で通行止めにあって、ちゃんと着くか不安でした。

ヤコブ:最悪ダメそうなら、盛岡で降ろしてもらって新幹線で行くかとかまで考えましたね。その内、通行止めの規制がどんどんなくなって、モーゼみたいに進んでちゃんと会場に着いた。

岡本:あと沖縄とか熊本も含めて、遠方の場所で自分たちがライヴできるなんて信じられなかったです。でもちゃんとお客さんに来ていただいていて、驚きました。

谷江:終わった後に話しかけてくださる方もいらっしゃって、自分たちを知っていただいていることのリアリティを、初めて感じた機会でしたね。

ヤコブ:ちゃんと活動するようになってすぐにコロナ禍に入ったので、確かにそういう反応は初めて感じた。

――家主の音楽の届く範囲は着実に広がっていますが、それを受けて自分たちが何か変わる部分はあると思いますか?

ヤコブ:それは全くないですね。知っていただいたり、ライヴに来てくれるのは嬉しいけど、そのことで何かが変わったり、もっと来てくれるために何をしていくかを考えるのは我々の専門外といいますか……。自然に広がるのはいいですけど、自分たちの手で風呂敷は広げ過ぎない程度がいい。なるべくハードルは下げてやっておりますので、あまり大きな変化には期待しないでいただければと(笑)

岡本:そんなに器用なバンドじゃないです。

――周りの影響を受けて変化を起こすことはないとして、今回のツアーがもたらしたいい変化はありましたか?

ヤコブ:それはもうライヴの場数を踏めたことで、いい緊張感でやれるようになったのは大きいです。自分が初めてソロアルバム『お湯の中のナイフ』(2018年)を出した時に、家主でライヴをしたんですが、その時は人前に出るのが数年ぶりのことで。前日に金縛りにあったんですよ。それくらいもともとあがり症でずっと緊張はしていたんですが、今回でもうステージに上がったら楽しんだもん勝ちとなれた。

岡本:私はまだ緊張しますが、ライヴ中にどこかで「いったれ!」と緊張がどうでもよくなるタイミングは確かに早くなってきた。

悠平:単純に演奏も上手くなった気がします。ツアーに向けた練習とこれだけの数のライヴをして、自分の弾き方が変わった曲もある。

ヤコブ:「家主のテーマ」とか「お湯の中のナイフ」はこのツアーで結構変わりましたよね。

岡本:2~3年くらいやり続けてようやくその曲がわかってくるんですよ(笑)。

ライヴバンドとしての魅力・実力を示した『IN TO THE DOOM』

――そんな皆さんにとっても大きな経験となった、今回のライヴツアーを『INTO THE DOOM』として出すことになったのはどんな経緯ですか?

ヤコブ:須藤さんから提案いただいたんですけど、ツアーが始まる時点ではまだその話は無かった記憶があります。

須藤朋寿(NEWFOLK主宰):ライヴ盤は自分のアイデアとして前からあって、今回のツアーにエンジニアの飯塚さんがPAとして帯同してくれることが決まったので、こっそり全公演録っておいてもらったんです。それを最初からみんなに言うと気負うと思ったので(笑)。渋谷WWWでのワンマン公演が終わったタイミングでこれは作れそうだと思って伝えました。

ヤコブ:収録されているのはそのWWWと札幌SPiCEの音源がほぼ半分ずつ、3曲だけそれ以外の公演から選んでいます。WWWがいいライヴで取れ高がありそうだったので、それ以降で録音されているのはそんなに気負いもなかったです。すでに併願の高校が受かっている状態だった。

――ご自身でライヴを聴き返した時の印象はいかがでしたか?

ヤコブ:ライヴはその場限りであることの良さもあるので、こうやって客観的に自分の演奏を聴き返すのは怖いですね。実際よかったけど、愛憎も少しあるというか……ライヴの恥はかき捨てのはずが、残ってしまう。

谷江:演奏中はちゃんと聴こえていない箇所もあるので、音源化されてそれぞれがどう演奏しているのか、初めて知ることができる部分もあって楽しかったですよ。

岡本:アルバムと全然違いますよね。頼んだものが出てこない!って思われそう。

――そんなネガティブな印象はないです!(笑)アルバムで聴くのとはまた違う、家主のライヴバンドとしての側面が音源化されるという点で重要な作品ですよ。

ヤコブ:帰納法とでも言いますか、結果的に『DOOM』の方もピントが定まって聴こえるようになった感じはしますね。やっぱりあの形で完成させて正解だったと実感できるツアーであり、ライヴ盤になったと思います。

谷江:これまでのEPや『生活の礎』の曲とも仲良く混じっているのがいいですよね。

悠平:どの音源を収録するか選んでいる時から、どの公演もいいライヴしているなと思えました。どこから選んでも問題なし。特に私はヤコブみたいに本番でアドリブを入れられる技量もないので、自分のベースについては良くも悪くもブレがあまり無かったです。

ヤコブ:田中さんはライヴの演奏が安定しているんですよ。私や岡本さんは終わってぐったりしているし、汗の量もすごいんですけど。田中さんは毎回スンとしているし。

岡本:ライヴ前と後が同じ状態。

ヤコブ:この『INTO THE DOOM』のジャケットは渋谷WWWでのライヴ写真なんですけど、もう4月なのに田中さんだけ長袖のトレーナーなんですよ。どう考えても暑いだろって。

悠平:私はみんな寒くないのかなと思っています(笑)ずっと演奏に必死なので、他の3人ほど大きく動いてないからかも。

――最後に、今後の家主はどんな動きを想定されていますか?

ヤコブ:このツアーの後は私のソロアルバム『IN NEUTRAL』もありましたので、しばらく動いてなかったのですが、ようやくまた曲を作ってLINEグループにデモを上げていく作業をそれぞれで開始している段階です。だからどんな感じの作品にしていくかもここからですね。

――DOOM』はヘヴィなサウンドの作品でしたが、今皆さんはどんなモードですか?

ヤコブ:今はBadfingerとかPilotのような自分にとっての古典である70年代のパワー・ポップをよく聴いています。あとはMY LITTLE LOVERとかTHE BLUE HEARTS。忘れかけては、また強烈に聴きたくなる自分のルーツに回帰しているフェーズです。

悠平:私はNUMBER GIRL熱が再燃しています。この前の解散ライヴは映画館のライヴビューイングで観てきたんですが、改めてギターの良さを感じてしまって。また曲作りに入りますし、最近はギターを弾いていることが多くなっていますね。

家主『INTO THE DOOM』
■家主『INTO THE DOOM』
1.Cheater(Live)
2.茗荷谷(Live)
3.たんぽぽ(Live)
4.家主のテーマ(Live)
5.生活の礎(Live)
6.夏の道路端(Live)
7.路地(Live)
8.それだけ(Live)
9.マイグラント(Live)
10.カッタリー(Live)
11.夜(Live)
12.陽気者(Live)
13.カメラ(Live)
14.-MC-
15.NFP(Live)
16.p.u.n.k(Live)
17.お湯の中にナイフ(Live)
18.にちおわ(Live)
19.オープンカー(Live)
20.DOOM(Live)
21.ひとりとひとり(Live)
22.近づく(Live)

Photography Kentaro Oshio

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寺尾紗穂、伊賀航、あだち麗三郎による冬にわかれて 『タンデム』のDIY的な音作り https://tokion.jp/2021/07/30/fuyuniwakarete/ Fri, 30 Jul 2021 08:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=48885 2年半ぶりに新アルバムをリリース。制作時の3人の関係性をはじめ、録音やミックス、タイトルの意味などを語ってもらった。

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シンガー・ソングライター寺尾紗穂(Vo/P)と、長年彼女のサポートを務めてきた伊賀航(Ba)とあだち麗三郎(Dr /Sax)。寺尾のソロ作での体制を一度取っ払い、3人の音楽家として創作に取り組む場所が“冬にわかれて”である。2018年にファースト・アルバム『なんにもいらない』をリリースして以降も、特別なプロジェクトでもコラボレーションでもないパーマネントな共同体として定期的にライヴを続けてきた。

そして約2年半ぶりとなるセカンド・アルバム『タンデム』を4月にリリース。録音やミックスからスケジュール・予算管理など、すべて3人だけで完成させた自主自立の作品となった。それぞれの活動が多岐にわたる中でも、ほどよい距離感でつながり続けて、創作に協同する。『タンデム』とは冬にわかれてというバンドの在り方そのものを表しているようだ。リリースからしばらくたったこのタイミングで、改めて3人に本作の背景と手応えについて話してもらった。

アイデアを出しあい、じっくりと作り込んだセカンド・アルバム

――『タンデム』は冬にわかれてとしては2年半ぶりのアルバムとなりました。伊賀さんとあだちさんは長く寺尾さんのソロ活動にも参加していますが、ソロとバンドでスタンスはどう違いますか?

寺尾紗穂(以下、寺尾):私のソロのレコーディングは勢い重視のところがあって、ライヴに近い演奏がそのまま作品になることも多い。でもあだちさんと伊賀さんはもっと作り込んだことをしたい気持ちもあるんじゃないかと感じていまして。だからこのバンドでは私が仕切るんじゃなくって2人に主導権を渡しています。

――では冬にわかれての時は少し意識を切り替えているのでしょうか?

寺尾:でも実際やっている時の意識はそんなに変わらないですね。レコーディングに関してはいろいろ3人で相談しながら決める分、ソロより大変な時はありますけど。

あだち麗三郎(以下、あだち):ソロの時は紗穂さんがリーダーだから基本ジャッジに従いますけど、冬にわかれての時は「こっちのテイクのほうがいいんじゃない?」とかちゃんと主張はします。でもそれくらいかな。

伊賀航(以下、伊賀):自分もそこまで変わらなくて。普段、他の方のサポートをしていても、この通り弾いてほしいというオーダーにはもちろん応えますが、そこの部分以外は自分の解釈やテイストを入れたいと思っています。そこが冬にわかれてだともう少し自分が中心になって、やりたい音楽や、実験したいアイデアを出している感覚ですね。

――では今回の『タンデム』はどういう経緯で制作に向かいましたか?

寺尾:前作『なんにもいらない』を出して以降もライヴは定期的にやっていて、そのたびに新しい曲も作っていたので、それがある程度たまったので録音しましょうと。

伊賀:昨年の夏頃に3人でリハーサルをしていて、渋谷のタイ料理店で昼ご飯を一緒に食べている時にそろそろアルバムを作ろうと盛り上がったんですよ。それであだちくんがスケジュールを組んで、スタジオも押さえてくれた。

寺尾:2人はゆっくり作ろうとしていたんですけど、それだといつまでも出来上がらないからと(笑)。

――前作と進め方や作り方が変わった部分はありますか?

伊賀:前作はまだ寺尾さんのソロアルバムの作り方に近くて、3人がスタジオに集まって、音を出しながらその場で生まれたものを大事にしていた。ファースト・アルバムっぽい勢いも感じられる作品だったと思います。でも今回はスタジオで録ったものを、主にあだちくんと僕が持ち帰ってさらにアイデアを混ぜたり、じっくり作り込む作業を大事にしました。

寺尾:なぜそうなったかというと、レコーディングしたスタジオが違うからなんです。高いスタジオを押さえるとどうしてもその場の限られた時間で完成させるしかないという制約がある。でも今回は安めのところを使ったので、時間内に終わらなかったら延長したり日を改めて借りたり、融通を利かせる形で進めました。今回はレーベルもつけずに自分達でリリースすることにしたので、単純に予算の都合もあってこのやり方に。

あだち:追加で録音したい時は、僕が公民館を借りて録音機材を全部持ち込んで作業していました。単純に僕も伊賀さんもコロナの影響でずいぶん予定がなくなったので、時間があったことも大きいです。

「3人それぞれの異質な曲が並んでいるアルバムになった感があるんです」(伊賀)

――寺尾さんが4曲、伊賀さんが3曲、あだちさんが2曲持ち寄っていますが、一体感と流れの良さをすごく感じました。アルバムのテーマやコンセプトなど示し合わせたことはありますか?

寺尾:ないですね。決め打ちで3人が曲を持ち寄ったものをまとめたような感覚。

伊賀:だから自分の中では、3人それぞれの異質な曲が並んでいるアルバムになった感があるんです。でも統一感があるという感想をいただくことが多くてすごく不思議。自分達でもまだこの作品をわかっていないところがある。

寺尾:確かに。こんなバラバラで大丈夫? って言ってたよね。

――特に寺尾さん作の「もうすぐ雨は」と伊賀さん作の「rain song」という雨をテーマにしている曲が冒頭で続くので、そこで一気にこのアルバムの世界に引き込まれます。

あだち:以前別のインタビューでもこの2曲が雨に対するアンサーになっていると言っていただいたんですけど、全然自分達は気づいていなかった。

――「雨」はあだちさんの「山のミルトン」にも登場しますし、寺尾さんが書いた最後の「彷徨い」でも「この水の街をふらりさまよった」という一節があるので、雨が上がって街に出ていく情景をイメージしていました。

あだち:また新たな解釈ですね(笑)。「水の街」は水たまりが残っている、雨上がりの街なんだ。

寺尾:私のイメージでは水路のある街でした。

――他にも「夜」や「闇」という言葉が頻出しているのも印象的で、全編を通して世界を覆っている感覚が通底している。それがコロナ禍でふさぎ込んだ時代ともすごくフィットしているんですよね。

あだち:あぁ、逃げ出したいみたいな。何も示し合わせていないけど、無意識のうちにそれぞれから出てきたテーマは共通したものがあるかもしれない。

――あだちさんの楽曲「星の生誕祭」はソロアルバム『ぱぱぱぱ。』(2015年)の収録曲です。インスト曲でしたが、今回はそこに寺尾さんが歌詞をつけて新たに生まれ変わっています。

あだち:当時も女性に歌ってもらうアイデアはあったんです。今回どういう曲を持っていこうと考えていた時に、そのことを思い出して紗穂さんが歌ったら良さそうだなぁと。

――寺尾さんも詩に曲をつけることはたくさんありましたけど、逆に歌詞だけ書くのは新鮮に感じました。

寺尾:確かに、ほとんどやってきてない。でも「星の生誕祭」というタイトルからイメージがとても湧いたので、そこまで苦労せずに書けました。

あだち:だから生まれ変わったというよりは、1から作った別の曲という感覚です。

DIYで手掛けた録音とミックス

――今回はミックスもあだちさん、伊賀さんがご自身でされていますよね。どういう音の仕上がりにしたいというイメージはありましたか?

あだち:アルバム全体の流れで、倍音の響きを狭くしたり、広げたり調整していて、ラストの「彷徨い」に向かってバッと開けたイメージにしたいとは思っていました。

――狙ったイメージに近づけるために倍音を調整していったということでしょうか?

あだち:そうですね。倍音の調整の仕方で、サウンドの鳴りの気持ちよさがすごく変わるんですよ。例えばここ(取材を行った部屋)で音をコーンと鳴らしたら天井や壁があるから、ちょっと濁った倍音が反射して返ってくる。逆に何も反射するものがないと、真っすぐきれいな倍音が鳴る。だからちょっと空間を狭く調整すると、曇り空に覆われたようなイメージにもなるんですよ。

伊賀:知らなかった。そういう操作をしてたんだ。

あだち:これはすごく大きなテーマで、デイヴィット・バーンがその音を鳴らす建物の構造や空間がいかに音楽に影響をもたらしてきたかをプレゼンしている動画を見たことがあります。だからシティポップとかもメジャーセブンスやナインスのコードをよく使いますけど、その音の印象が都会のビルに反射する倍音と近いんじゃないかな。

――音の仕上げ方で言えば、伊賀さんの「rain song」はくぐもったベースの鳴り方が印象的で異質に感じました。

伊賀:「rain song」は普通に弾いたものとシンセのベースを両方重ねて音を太くしています。太くて強い曲にしたかったのでドラムもキックを強調させて。その代わり寺尾さんのローズ・ピアノや上物は浮遊させた印象にしています。

あだち:そこも自分達でミックスしたのが大きく影響しているかもしれません。プロのエンジニアにお願いすると、もっと遊びの部分が少なくてより多くの人が気持ちよく聴こえるように、歌をメインに整えると思います。でも今回は自分達の思った音にしちゃえばいいじゃん! という感じ。いろんな前提を抜きにして好き放題やりました。

伊賀:自分達には本職の方ほど淀みなく美しく録音する技術はないので、その分やりたいようにやろうと。

寺尾:ボーカルを録音する環境は少し考えたいですが、今回は全部自分達だけでやることにしたので、制作やお金の使い方も含めてすごく学びになりました。次作はまたやり方を考えたいですけどね。

あだち:DIYで1枚アルバムを作ることができたのは確かにいい経験になった。

『タンデム』というタイトルの裏には

――3人だけでほぼ全行程を手掛けた背景を伺うと、『タンデム』というアルバムタイトルもピッタリですね。

伊賀:これは自分の書いたインスト曲から取りました。もともと主のメロディとそこに対するハーモニーのメロディがある。そこにギターリフの計3つが折り重なっているので、「tandem」としたのですが、それを寺尾さんがいいねって。

寺尾:なかなかアルバムタイトルが決まらなかったんですけど、タンデムという言葉には2人乗りだけじゃなくて、それより複数の意味もあるそうで。3人乗りって自分の好きなペースでは進めない不安定さはあるけど、それでもどうにか前に進んでいくというのがバンドっぽいなって。

あだち:この3人の関係性はべたべたしていないし、ずっとこうだから、いつもの自然な雰囲気がジャケットになりました。でもそこに時代性を伴った意味を感じ取れるものになったのはおもしろいですね。

伊賀:今回統一感を意識したり、コンセプトを設けたりしてはないけど、自分達から自然に出たものが結果として時代を映した作品になりました。こういう作品の生み出し方もありなんだなと勉強になりましたよ。

寺尾紗穂
1981年東京生まれ。2007年にピアノ弾き語りアルバム『御身』でデビュー。大林宣彦監督の映画『転校生-さよなら あなた-』(2007年)、安藤桃子監督の『0.5ミリ』(2014年)など主題歌やCMの仕事も多数手掛ける。2010年からビッグイシューを応援する音楽イベント「りんりんふぇす」を主催。2023年に10回目を山谷で開催予定。最新刊は『彗星の孤独』(スタンドブックス、2018年)、最新ソロアルバムは「わたしの好きなわらべうた2」(2020年)。

伊賀航
宮城県生まれ。高校生の時にベースを始める。大学在学中に設計事務所に入社(2級建築士)。1996年に上京後、日本語によるソウル・バンド、benzoに加入。バンド活動に専念することを決意し設計事務所を退社。1998年にシングル「抱きしめたい」とアルバム『benzoの場合』でメジャーデビュー。2011年にバンド活動休止。現在は細野晴臣や星野源、曽我部恵一、おおはた雄一、イノトモなどさまざまなミュージシャンのサポート・ベーシストとして活躍中。また、長久保寛之、北山ゆう子らとともにバンド、lakeとしても活動している。

あだち麗三郎
1983年生まれ。東京を中心に活動する日本のドラマー、サックスプレイヤー、シンガー・ソングライター。1999年頃からドラマーとして音楽活動を開始。バンド、片想いのドラマーとしても活動しているほか、cero、前野健太らのサポートも行なっている。2009年4月、ファースト・アルバム『風のうたが聴こえるかい?』を発表。2011年3月、あだち麗三郎クワルテッット(現:あだち麗三郎と美味しい水)を結成。2013年11月、セカンド・ソロ・アルバム『6月のパルティータ』を発表。また、2003年頃から、定期的にワークショップを開催するなど身体研究家としても活動している。

■冬にわかれて ワンマンライブ in京都
会期:7月31日
会場:京都教育文化センター
住所:京都府京都市左京区聖護院川原町4‒13
時間:OPEN 17:00 /START 17:30
入場料:前売り ¥4,500/当日 ¥5,000

■春すぎて 片想い&冬にわかれてツーマンライブ
会期:9月23日
会場:渋谷WWW
住所:東京都渋谷区宇田川町13-17 地下1階
時間:OPEN 18:00 /START 19:00
入場料:前売り ¥4,500/当日 ¥5,000

Photography Ryu Maeda

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気持ちをごまかさず、素直に。カネコアヤノの『よすが』に宿る、ありのままの思いと歌の力 https://tokion.jp/2021/04/24/ayano-kanekos-new-album-yosuga/ Sat, 24 Apr 2021 06:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=30289 昨夏に録音された、約1年半ぶりとなる新アルバム『よすが』。混乱を極めた2020年、カネコはどんなことを思い、今作を制作したのか。

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カネコアヤノが「第12回CDショップ大賞」受賞作『燦々』(2019年)から1年半ぶりのアルバム『よすが』を完成させた。「とがる」「恋しい日々」「愛のままを」「光の方へ」……ここ数年のカネコの楽曲は聴く人すべてに「絶対大丈夫だから!」と言うような、どうにか奮い立たせようとする力を持っていた。エンパワーするその矛先は何より自分自身にも向けられていて、特にライヴでの姿には勇ましさすら感じられる。しかしこの『よすが』はどうだ。曲の持つパワーはそのままに、時に落ち込んでいる姿まで明け透けに吐露された、昨年以降のドキュメントのような作品となっている。この時代をどうにか生き抜いていこうとする中での、胸の内をむき出しにすることで連帯を表明する、まさに心のよりどころのようなアルバム。そんなカネコの歌の力がより純粋に迫ってくる本作の背景について本人に話してもらった。

不安続きだった2020年、そして9月のライヴで何を感じたか

――コロナでかなり不安定な時期の制作だったと思いますが、どういう計画で進めましたか?

カネコアヤノ(以下、カネコ):本当は去年の10月にアルバムを出す計画を立てていて、4月に「爛漫/星占いと朝」をリリースしたまでは予定通りだったんですけど、コロナで進行がストップしてしまって。今は焦って作ってもしゃあないから、のんびりやろうとみんなで話し合って、このタイミングになりました。

――昨年11月にはアルバムの中から「腕の中でしか眠れない猫のように」を配信リリースされましたが、それはせめてものという思いでしょうか?

カネコ:そうですね。ライヴも全部飛んでしまったし、あまりに動きがなさすぎるから。そのままだと自分も不安だったし、不安な気持ちを埋めるために出しました。

――どういう不安でした?

カネコ:やっぱりそれまではライヴをめちゃめちゃしてたし、リリースもコンスタントにしてたから、常に張り詰めてるものがありました。でもそれがパタっと全部なくなったことでボヨボヨの体になっちゃった。「私はなんで生活できてるんだっけ?」とか、家で新しい曲を作っても「これを誰が聴いてくれるのかわかんないし」って落ち込んじゃう。負のループが永遠に続いているような感じでしたね。

それで去年の9月にやった大阪城音楽堂でのライヴがコロナ後の1発目だったんですけど、やるかやめるかの話し合いをチームとしていた時に私が「このままライヴがやれない状況が続いたら音楽やめちゃうかもしれない」って無意識に言っちゃったんですよ。その時に自分でもこんなに追い詰められていたんだと気が付いて。

――その負のループがもう限界に近づいていたんですね。

カネコ:もちろんやめたくないけど……やっぱりみんなと遊んだり、何かしていたりする時間があったから1人の時間も好きになれるんですよ。今の自分はみんなに聴いてもらえるからこそ、1人で曲を作っている時間をすごく特別に感じてたんだなと思った。だから自粛期間中に家で1人で歌ってても、「それって結局自分のためだけじゃん!それはなんか違う!」って考えちゃって。ありがたい気付きだったけどつらかったなぁ。

――では大阪のライヴで久々にお客さんと向き合えた時、どういうことを感じましたか?

カネコ:まだお客さんの予約が手で数えられるほどしかなかった時の気持ちを忘れちゃいけないと思いましたね。だから私は今聴いてくれるお客さんを守らなければいけないというか、裏切っちゃいけないし、もっと真摯に向き合わないといけない。やっぱりお客さんがいないとだめだわ……ほんと大事。バンドメンバーとスタッフと一緒に築き上げたものって、私はライヴでお客さんと向き合うことで初めて証明できる、実感できるんだなと。

――気持ちも落ち込んでいた中で、曲作りはいかがでしたか?

カネコ:全然できなくなりましたね。一度完全にストップしました。だから今回のアルバムは本当に自然と出てきた曲を入れるしかなかった。

――いつもより絞り出した感覚?

カネコ:絞り出した部分もあるのかなぁ。でも自分はまだ曲作れるわと安心した部分もありましたね。ボヨボヨになった体でも結局ギターを持てば出てくるもんだなと。そもそも聴いてくれる人がいなかった19、20歳の頃は本当に自分のためだけに作っていたし、曲作りにおいては単純にあの頃に戻っただけだなと。

“夏休み”のようなレコーディング

――冒頭で今回はのんびりやろうと仰っていましたが、レコーディングはどのように進めましたか?

カネコ:とにかくのんびり作ったなぁ。予定が全部なくなったのはバンドメンバーも同じ状況じゃないですか。だから自分が動くことで、みんなも楽になってほしいというのもありました。完全に止まるんじゃなくって、自分は何かに取り組んでいるんだというものがあれば、気持ちは途切れないし、今はお互い救い合わないとって思ってた。プリプロも含めたら夏の間、2~3ヵ月はずっとアレンジとレコーディングの作業をやってましたね。なんかもう夏休みでした(笑)。

――レコーディングを夏休みと表現するのすごくいいですね(笑)。

カネコ:もちろんレコーディングがメインでしたけど海に潜ったり、温泉に行ったり、ドン・キホーテで花火買ったり、ジェンガやったり。コロナも怖いからいろいろ配慮して過ごしていましたけど、心が死んでいくのも怖かった。人といないとつらい時期だったから、すごく良かったですよ。

――過去2作『祝祭』と『燦々』は1~2週間で録り切ったようですが、今回レコーディングの方法で今までと違ったところはありました?

カネコ:過去数作のレコーディングがホント大変で。当日までアレンジ作業が終わっていない曲があったり、レコーディングの間にライヴも立て込んでいたりするから、ほんとバタバタ……みんなクタクタになりながら作ってたんですよ。でも今回は時間をかけられたのでみんな心に余裕がありました。だから夏休みみたいな気持ちだったのかも。

――具体的に時間がかけられたことで本作にもたらされたものはどこに表れていると思います?

カネコ:なんだろう? 録音に入る前のプリプロ段階で歌の人格的なものをみんなでいつもより深く理解しよう、という話し合いはしました。丁寧に作れたからか、全部通して聴いた時に「爛漫」だけちょっと違うなって気付けたんですよね。これを録音したのは去年の1月で、まだコロナなんて知らなかった頃だったし。

――確かに歌詞の「わかってたまるか」の箇所1つ取っても印象が違います。

カネコ:意味合いが変わってきますよね。改めて聴くと、もっとこう「わーっ!」てなる曲だなと思ったんですよ。だからみんなで話し合いができたのは大きい。

「聴いてくれる人の陽だまりくらいになれたら」

――何か作品全体にコンセプトは設けましたか?

カネコ:それはなかったですね。コロナを意識して作品を作るのなんて嫌ですし。この時期しか伝わらない音楽なんて意味がないし、来年聴いても再来年聴いても伝わってほしいじゃないですか。だから自然とこの時代にこれが産み落とされたって感覚。

――「栄えた街の」の冒頭は「今年はもうきっと何処へも行けない」だし、「閃きは彼方」では「外は晴天 今はため息 この家が城 守られている」と歌っています。意識せずとも自然と時代は滲んでくるものですしね。

カネコ:意識したくないと言いながら結局書いてるんですよね。勝手に出てきちゃってる。

――『祝祭』と『燦々』でのカネコさんの曲はどうにかして気持ちを奮い立たせたり、希望を見つけようとしたりしている気がしていて。でも『よすが』は落ち込んでいる時に、「そういう時もあるよね」と言ってくれるような感覚があって。例えば今「頑張れ」と言われてもキツイじゃないですか。

カネコ:そうそう! だからこの時期に曲を出す難しさはありますね。言葉って強いものだから、今は「頑張って」なんて簡単に言えない。私も頑張れてないし。だから今回元気な曲はいいや、書く必要ナイナイってあきらめました。そこは『燦々』までとは大きく変わったところな気がします。

――じゃあやっぱり今までは奮い立たせようという気持ちもあったんですか?

カネコ:そう考えていたのかもしれないです。自分はすごくネガティブで、夜にはわかりやすく落ち込んじゃう時もある。自信が持てない時の自分はめちゃめちゃ嫌いだけど、一方で言霊を信じているから、無理やりにでも自分のことを大丈夫にするような曲を書かなくちゃって。今は落ち込んでるけど、これは雨が降っているだけで、いつか太陽が上がるよって思考でいたんです。

でも去年からもうずっとどんよりしてるじゃないですか。太陽が上がるから大丈夫って今言えんのか?って。だから今回は1回それをお休みして。素直に20歳くらいの時に家で1人で曲を作っていた時の気持ちを思い出して、フラットに作ってみようとしました。

――今までと違うなと一番感じたのが最後の「追憶」なんですよね。最初に聴いた時背筋がぞわぞわっとしました。

カネコ:ほんとですか! ここ数年、自分の歌で誰も傷つけたくなくって、すごく意識していた気がする。でも今はそういう感じじゃいられないと思って、そこを一番取り外したのがこの「追憶」かな。20歳くらいの頃ってこれは言っちゃいけないとか、誰かを傷つけるだろうなという思考がなかったんですよ。そこに立ち返った感覚です。

――でもちゃんとリスナーにより添ってくれている感覚はあって、なんか地獄でなぜ悪い!って一緒に開き直ってくれている感じ。

カネコ:そうなんですよ。今回は今までの作品の中で一番何かを押し付けたくないっていう開き直りをしたかも。つらい時に奮い立たせることでごまかすんじゃなくって、今はキツイよね、やっぱマジつらいってみんなが言えるような作品になったらいいなって思った。聴いてくれる人の陽だまりくらいになれたらいい。

――そこも含めてやっぱりカネコアヤノはとても正直だなと感じたし、あとは何を歌っても信じてついていけるなと思いました。だからポジティブに沈んでいる作品なんですよね。

カネコ:嬉しい~。それでいきましょう。だから今はやる気出なくていいんですよ。ソファに沈み込んでいるくらいでいいかな。

それぞれにとっての『よすが』

――よりどころ、身よりという意味の『よすが』というタイトルにしたのは?

カネコ:そのままの意味かなぁ。今までも私の音楽はみんな自分の解釈で聴いてほしいと思っているし、それぞれのよりどころという言葉として『よすが』。

――お話を聞いていて、ご自身にとってもこの時期にこういう作品を作ることが“よすが”だったのかなと思いました。

カネコ:そうですねぇ……そう言われたらちょっとしっとりした気持ちになっちゃいますね。やっぱり「愛のままを」を作った時の気持ちとは違うんでしょうね。サウンドも含めてブチアゲ!って感じではないでしょうし。

――では今作はどういう位置づけの作品になりました?

カネコ:コロナ禍もあって人生で一番悩んだ27歳の私を思い出せる作品になった気がします。本当に誰と会って、誰に支えられてとか1つひとつの出来事を忘れない気がする1年だった。だから将来自分が聴き直した時、もしかしたら落ち込むかもしれないし、救いもあるような気もする。

――いろんな意味でターニングポイントが詰まった作品と。

カネコ:そうですね。あと今年に入って自分がコロナに感染したのもでかすぎて。2週間くらいずっと熱が出っぱなしで息苦しさもすごくて超バッドでした。後遺症が残ることもあるじゃないですか。だから声が出なくなったらどうしようという恐怖がすごかったです。私は音楽をやっている自分がいるから、好きな洋服を着ている自分が好きでいられるし、3~4年前までアルバイトもできていた。それがいきなりもう歌えなくなりましたってなったら自分の存在価値はなんなんだろうって……怖かったですね。

でもその時もベースの本村(拓磨)くんがずっと同じことしなきゃいけないわけじゃないから、いろんな事情でバンドが変わっていくことはみんなで受け止めていこうって話してくれて、ちょっと肩の荷が下りました。

――それはつらい……。今は全力で歌えるまでに戻りましたか?

カネコ:もう今はめっちゃ歌えます。だから今は歌うことが嬉しくて楽しい。よかったぁー!

「最終的にはやっぱ自分でしょ!って思ってもいいんじゃないかな」

――ここ数年で歌い方もグッとパワフルになった気がするのですが意識されている部分はありますか?

カネコ:「なんで歌い方変えちゃったんだろう」っていうコメント、たまに見かけるけど、「え? 変わってないよ」って感じ。いや、むしろ人間だからそりゃ変わるでしょ、髪型や着る服って変わっていくし、食べたいものが毎日違うのと一緒。だからその時々の感情に身を任せてればいいんですよ。考えすぎてしまって、本当にやりたいことがわからなくなっちゃうこともたくさんあったし。ある時期からそれはもうやめてます。

――そのある時期というのは?

カネコ:最初にいた事務所の契約が切れてしまった時ですね。人生で初めて放牧された気分になって、今回のコロナと同じく「音楽がなくなっちゃった、どうしよう」と。それまで自分の芯ではやりたいことがあるのに、人に言われたことをそういうものなのかとフワっと受け入れてきたからこうなっちゃったんだと思って。当時すごく卑屈だったし、笑うのも苦手だったんですよ。だからしばらく無理やり言いたいことを言うように頑張ってたんです。

そうすることで失敗もあったし、親とか友達、当時の恋人とかを傷つけてしまうこともあったと思う。でもその分真剣に向き合ってくれる人もいたから。その時の言いたいことや気付いたことにちゃんと向き合って、持論を「こうだ!」って無理してでもやりきるようにしたんです。それまでの私をべりべりべりーって剥がして、別人格になるような感覚。そうしたら『hug』(2016年)が生まれて、「とがる」(2017年)、『祝祭』(2018年)ができて、今がある。

――音楽がなくなってしまう危機から、よりありのままになっていくところは今回の状況とも通じていますね。

カネコ:サイクルしてますね。素直になることってホント私は苦手なんですけど大事なんですよ。もちろんわがままなのはダメだから、やなこともやりますけどね。最終的にはやっぱ自分でしょ! って思ってもいいんじゃないかな。

カネコアヤノ
弾き語りとバンド形態でライヴ活動を行っている。2016年4月に初の弾き語り作品『hug』、2017年9月には初のアナログレコード作品『群れたち』を発表。2018年に発表したアルバム『祝祭』は「第11回CDショップ大賞2019」の入賞作品に選出。2019年に発表したアルバム『燦々』は「第12回CDショップ大賞2020」の「大賞 青」を受賞。2021年4月14日に新作アルバム『よすが』を発表。5月からは全国ホールツアーを予定している。

Photography Kasumi Osada

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さまざまな苦しみや思想を超えてーー折坂悠太の『朝顔』に宿る、「願い」の本質 https://tokion.jp/2021/04/02/asagao-by-yuta-orisaka/ Fri, 02 Apr 2021 06:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=25611 現代の生活に対して安易な希望を提示することはできない。人々に寄り添うような『朝顔』の5曲はどのようにして生まれたか?

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2018年に折坂悠太が発表したアルバム『平成』は平成元年生まれの彼自身の姿を重ね合わせながら1つの時代の幕引きを描く、壮大ながらも強く“個”が出た作品であった。まとまった音源作品としてはそんな傑作『平成』以来、約2年半ぶりとなるミニアルバム『朝顔』が完成した。フジテレビ系月曜9時枠ドラマ『監察医 朝顔』の2シリーズ続いて主題歌となった「朝顔」を核として、シーズン2から新たに挿入歌となった「鶫」を含む5曲が収録。全曲に導入されている波多野敦子によるストリングスがサウンドを象徴しつつ、大衆の想いを引き受けて願いをささげるテーマが通底した、いわば『平成』と対極をなす“公”の歌にトライアルしたコンセプチュアルな作品だと言えるだろう。本作の生まれた背景と、折坂が今の時代に寄り添う「願い」にフォーカスして本人に話を聞いた。

「ドラマのタイアップ曲で終わらせず、自分なりの形で結実させたかった」

――2019年に発表した楽曲「朝顔」が再びドラマ主題歌となる中で、今回改めてご自身でリリースすることになった経緯から聞かせていただけますか。

折坂悠太(以下 、折坂):もともとシングル「朝顔」のリリースは配信だけだったんですけど、CDでも出そうというのがスタートです。ドラマを観ている方や自分の親戚、地元の友達にも「CDないの?」と言われるんですよ。CDで聴かない人が増えているといってもまだばかにできないものがあるなと。また今回「鶫」を新しくドラマのために作ることになったんですが、その2曲をつなぐ対句のような曲を作っていこうとなり、最終的には5曲入りになった形です。

――その「朝顔」と「鶫」に加えて、ミニアルバムとして仕上げたのはどういう狙いでした?

折坂:「朝顔」も「鶫」もこれまでの自分だけで判断できる曲作りとは違って、ドラマとすりあわせながら作っていったので苦労したんですよね。今までやってきた音楽とは別のベクトルの物差しがある中で、自分をいかに打ち出せばいいのかのキワキワを突いていくような作業でした。そうやってできたこの2曲には格別の思い入れがあるんですけど、一方で異質な感じがしていて。自分の音楽とはちょっと溝があるような……。だからドラマのタイアップ曲で終わらせず、自分なりの形で結実させたかった。だから2曲をシングルにするのではなく、そこに橋を架けてくれるような曲と一緒に出そうと。

――なるほど。「鶫」に関してドラマに提供する2曲目としての難しさはありましたか? 本作には「針の穴」という曲も収録されていますが、この言葉にも表れているような気がしていて。

折坂:まったくその通りなんですよ(笑)。「針の穴」というワードを思いついたきっかけは「鶫」を作ることに苦戦していた最中でした。「朝顔」も苦労しましたが、「鶫」はそこに加えて、「朝顔」をある種の基準として作る必要があったので、すごく複雑に考えてしまって。完成するまでに半年くらいかかりました。

――苦労を重ねた結果、「鶫」はどのようなテーマで作られましたか?

折坂:まず「朝顔」はポジティブで希望のある歌でもありますが、ちょっと憂いがあると捉えていて。もうここにいない人に対して思う気持ちとか、逆にもういない人はどう感じているのだろうかというのがテーマでした。その次の曲として「鶫」を作るタイミングで自死のニュースが入ってきたり、新型コロナで自粛期間になったり、嵐が来ていることを感じて、やっぱりこの状況を踏まえないと自分の表現として成り立たないなと。そこで出てきた歌詞が“夜が明ける”という簡潔で、ある種使い古されている言葉でした。

――“夜が明ける”には「朝顔」を象徴する歌詞“願う”の対句にも感じられます。この言葉を選んだ意図をもう少し教えていただけますか?

折坂:「朝顔」で歌われている“願う”は自ら発していますけど、“夜が明ける”はただ今を切り取っているだけで。そこに希望を読み取ることはできるけど、朝を迎えることが怖い人もきっといるでしょう。例えば今にも死んでしまいそうな人に対して、自分は歌い手としてどういう言葉をかけるのか考えていたんですね。そしたら安易に応援したり、希望を掲げたりすることはできなかった。最後のほうに出てくる“どうして 夜は明ける”という言葉には、含みみたいなものを持たせられる気がして。だからただ朝が来るのを一緒に見ている状況を映すことで、寄り添おうとしました。

――今の話は本作には収録されていないですけど、昨年発表された「春」とも共通性を感じました。この曲でも春が来ることをただ切り取っている。でも折坂さんの曲には、どうにか現実をポジティブな方向に持っていきたいというもがきがにじんでいる気がします。

折坂:ポジティブな歌を歌いたいとは思っています。でもそこには前提みたいなものが必要だと考えていて。まず「自分達が今いるところはこうだよね」という部分をちゃんと描かないとそこが活きてこないなと。「朝顔」と「鶫」は表層だけ見るとすごくポジティブだから、どういう状況で歌っているのかという前提や行間をちゃんと補足するのもこのミニアルバムの目的ですね。

――「針の穴」は正しくそんな状況を歌っていますね。

折坂:そうです。“嵐の只中”や“大しけの日”みたいな言葉が出てくる。明日も生きていられるかはわからない気持ちになることが自分にも度々あって。みんなそれぞれいろんな苦しみがある中で生きているということが、コロナになってより可視化された気がするんですよ。そのことを歌にしました。歌詞はただつらいですけど、ポジティブな方向にしたかったので曲調で痛快さを表しています。

――「今私が生きることは 針の穴を通すようなこと」と生活のつらさが表れていますが、どこか大変さをわかってくれることで救われるような心地になりました。

折坂:昨年出した「トーチ」という曲でも「私だけだ この街で こんな思いをしてる奴は」と歌っていて、その感覚とも近いですね。

――また「安里屋ユンタ」は以前からライヴでも披露されている八重山民謡です。このタイミングで収録したのはなぜでしょう?

折坂:ずっとライヴのレパートリーでしたが、「朝顔」が生まれてからは並びで演奏することも多くて。歌詞にある「マタハーリヌ ツィンダラ カヌシャマヨ」は「また逢いましょう、美しき人よ」という意味で、そこがなんとなく「朝顔」のテーマと親和性を感じていたので入れたかったんです。

――そもそも折坂さんがずっと「安里屋ユンタ」を歌っている理由はなんですか?

折坂:不思議と演奏していて気持ちがいいんですよ(笑)。基本的に歌う時は気合を入れるんですが、この曲を歌っている時は、もうなんかお風呂に入っている感覚なんですよね。なぜかはわかりませんが、そういう自分のリラックス状態を引き出してくれるので歌い続けているのかなと。

――インストゥルメンタル「のこされた者のワルツ」にはある種「針の穴」とは対照的に嵐が過ぎ去ったあとの平穏が描かれているような印象を受けました。

折坂:当初は4曲入りの予定でしたが、どれもドラマチックな抑揚を持った歌がそろって。だからもっとフラットな生活のBGMのようなものを入れたくて、録音の直前に作った曲です。ドラマ自体も亡くなったお母さんを思いながら、のこされた人達が生活している様が描かれているので、そこと地続きのイメージでした。

活動初期と現在をつなぐ、「願う」という感覚

――ドラマに合わせて作った曲をしっかり自分の音楽として結実させるための本作ですが、この経験は今後の活動にどう活きてくると思いますか?

折坂:それですよね……正直まだ整理できてなくて。今は「朝顔」と「鶫」という曲を自分の中にようやく落とし込めた感覚です。ドラマが関わるからこそできる曲が作れたという達成感はあるけど、かなり苦労したし、デモを作っている最中はこのままだと自分の音楽を信じられなくなるかもしれないという気持ちにまでなった瞬間もありました。危なかった(笑)。表現者としてこの経験を活かしていきたいですが、どう活きるかわかってくるのはこれからですかね。

――大変な作業ですが確実に新しい扉を開けてくれる機会になったのではないでしょうか。

折坂:そうですね。「朝顔」を作っている時にドラマサイドともやりとりする中で、歌詞も何度か変わっていきましたが、変わる言葉も自分の中から出てくるものじゃないと意味がないと思っていて。それで自分の思いをてらいなくシンプルにそぎ落とした結果、出てきた言葉が「願う」だったんですよね。「こんなことを歌うようになるなんてなぁ」と思っていましたし。

――以前別のインタビューで最初の作品『あけぼの』(2014年)の頃から「『願い』みたいな感覚があったのかもしれない」とお話しされていました。ずっと根底にはあったけど、「朝顔」でようやく歌えるようになったような感覚ですか?

折坂:そもそも自分が音楽を始めた頃は、僕のおばあちゃんに聴かせて良いと言ってもらえるような歌を歌いたいと思っていたんです。つまり日常的に音楽を聴くことがない人、表現や芸術の分野から遠い人に対して、自分の音楽を届けたかった。遠いかもしれないけど、思想や感覚、文化の違いを飛び越えて、ある一部分だけで共有できるのが音楽の気がします。そこには「あなたがどういう人か僕は知らないけど、あなたの幸せを願っています」という前提があると思っていて。だから今、テレビの向こうの人にドラマを通じて「願う」と歌えたのはすごく良かった。自分が歌い始めた時に思い描いていた、自分のおばあちゃんに良いと思ってもらうことともリンクしているなと。

生々しさや揺らぎを見せるライブ

――もう1つ折坂さんの表現の新たな変化という視点で、昨年「FESTIVAL de FRUE」に出演された際のコメントで「自粛前と考え方が少し変わって、ライヴの現場においては音楽をパッケージ化するのをやめようと意識しました」と仰っていました。演奏についてどのような心境の変化があったのでしょうか?

折坂:自分のライヴ表現において何が強みなのかと考えた時に、生々しさやその場の揺らぎにフォーカスするほうが意義のあることじゃないかなと思ったんです。最近のClubhouseとかインスタライヴも確実なものを届けるのではなく、途中の揺らぎの部分に何かを見出すようなものですよね。自粛期間で人に会えなくなって、「何話したか覚えてないけど今日はこの人と出会って楽しかったな」みたいなことは減りましたし、誰かと確かじゃないことを話すような、言い淀んでいる声みたいなものも大事だったなと思えてきて。

昨年12月31日にオンラインで配信された『KEEP ON FUJI ROCKIN’ II〜On The Road To Naeba 2021〜』

――最近インスタライヴをしたり、SoundCloudに多重録音のトラックを上げたりされていますよね。

折坂:プロモーションの意味もありますが、今見てもらいたいのは自分が今生きている姿なんじゃないかなと。だからライヴ表現においては作品としてパッケージされたものではなく、今生きている記録として出していきたい。

――それは昨年ライヴ音源集『暁のわたし』をリリースしたことも影響しています?

折坂:あるかもしれませんね。本当はもっとうまくいった演奏はあったんですけど、あそこに入っている音源は試行錯誤しながらやっているとか、この時の自分がすごく高まってたとか、その場所の空気感が出ているものを重視して選びました。自分のこれまでの音楽の中で自分自身が聴きたいと思うものは、必ずしもバッキバキにうまくいった演奏ではないのかもしれない。

――制作方法もアウトプットの形態も増えていく中で、次のアルバムに向けた狙いは見つかっていますか?

折坂:なんとなくはあるんですけど、まだそれぞれの取り組みで固めてきたものを分解してまた並べなおす作業をするのだろうというくらいです。2019年から京都のミュージシャン達と「重奏」編成(yatchi、senoo ricky、宮田あずみ、山内弘太)をやっているんですが、最近僕がいない時に京都で重奏メンバーに、quaeruの若松ヨウジンさんが入って演奏することもあるんですよね。客観的に見ていてそれがすごくよくって、今このバンドにどんどん引かれていってます。まだ彼らと作品を作れていないので、彼らの良さを最大限に引き出しながら、自分を反映させるようなものをやりたいですね。

折坂悠太
平成元年、鳥取県生まれのシンガー・ソングライター。幼少期をロシアやイランで過ごし、帰国後は千葉県に移る。2013年からギターの弾き語りでライヴ活動を開始。2018年10月にリリースしたセカンド・アルバム『平成』が「CDショップ大賞」を受賞するなど各所で高い評価を得る。2019年7月クールのフジテレビ系月曜9時枠ドラマ「監察医 朝顔」主題歌としてシングル『朝顔』を発表し、2020年11月2日放映開始の続編でも引き続き主題歌を担当している。また、2020年11月20日公開の映画『泣く子はいねぇが』の主題歌・音楽も手掛けた。
https://orisakayuta.jp

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