ザ・サルべージズ Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/the-salvages-2/ Sat, 06 Mar 2021 14:55:29 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.3.4 https://image.tokion.jp/wp-content/uploads/2020/06/cropped-logo-square-nb-32x32.png ザ・サルべージズ Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/the-salvages-2/ 32 32 「ザ・サルベージズ」の美学が宿る、音楽・映画のコラージュ 新コレクション“Hybrid Creatures”にまつわる作品への思い入れを創設者にきく https://tokion.jp/2021/02/11/the-salvages-hybrid-creatures-2/ Thu, 11 Feb 2021 02:00:10 +0000 https://tokion.jp/?p=20283 1970〜1980年代の音楽や映画のモチーフを再構築したコレクション。モデルのHIMAWARIとALIのCesarのフォトビジュアルも公開。

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「TOKiON the STORE」で2月4日に発売した、「ザ・サルベージズ」の新コレクション“Hybrid Creatures”では、創設者のアーン・チェンとデザイナーのニコレット・イップが影響を受けた音楽や映画のモチーフを再構築したTシャツとスウェットを展開している。英ゴシック・ロック・バンドのジャケットの目にフォーカスしたアートワーク、“HEAD”という単語をもとにした米音楽と映画のコラージュ、1970年代ニューヨークのギャングカルチャーとジャマイカのレゲエ隆盛を描いた映画の掛け合わせなど、そのコラージュの妙には2人が数々の作品群に触れてきた経験と「ザ・サルベージズ」の美学が表れている。発売に合わせて@fuckingshunが撮影した、モデルのHIMAWARIとALIのCesarのフォトビジュアルも公開した。今回のコレクションについて「僕はこれらのアルバムジャケット、音楽、映画に触れながら育ったよ。僕とニコレットの中では、これらの美的センスやグラフィック、言葉などが共通してあると感じている。そして、すべてがどことなく結びついているように思う。そこで僕達はそれらを紡ぎ合わせることにしたんだ」と語るアーンに、それぞれのバンドや映画について、思い入れを語ってもらった。

スージー・アンド・ザ・バンシーズ


ボーカルのスージー・スーは僕たちの時代の最高にアイコニックな女性であり、ニコレットが好きな女性アイコンの1人だよ。スージーは確固たるスタイルを持っていて、実に優美だ。僕は1988年にスージー・アンド・ザ・バンシーズのライヴを見に行ったんだけど、彼らのパフォーマンスに強い衝撃を受けたよ。それにこの目のグラフィックは、ピーター・マーフィー(バウハウスのフロントマン)の目にとても似ているんだよね。

バウハウス


僕はバウハウスにはかなり影響を受けているよ。バウハウスが全盛期の時、僕はまだ幼かったけど、その後ラヴ・アンド・ロケッツ(バウハウス解散後にピーター・マーフィーを除いたメンバーで結成された)やソロのピーター・マーフィーを見ることができた。10代の頃、バウハウスをよく聴いていたし、彼らのMVもよく見ていた。彼らもまたスージー・アンド・ザ・バンシーズのように、完璧なスタイルとアティチュードを持っている。今回採用した目のプリントは、このバンドの最もアイコニックなTシャツだ。

ディス・モータル・コイル『フィリグリー・アンド・シャドウ』


僕はコクトー・ツインズやデッド・カン・ダンス、ピクシーズなどが所属する4ADのファンだよ。とりわけ、このレーベルのスーパーグループ、ディス・モータル・コイルが好きなんだ。『フィリグリー・アンド・シャドウ』は彼らの2枚目のアルバム。もちろん、アルバムジャケットの目のグラフィックも気になってる。

トーキング・ヘッズ『リメイン・イン・ライト』


トーキング・ヘッズの『リメイン・イン・ライト』は僕のお気に入りのアルバムの1つ。プロデューサーはブライアン・イーノだよ。デヴィッド・バーンとデヴィッド・リンチの組み合わせはなんとも絶妙。そう思わないかい?

『イレイザーヘッド』


1980年代、僕が10代前半の頃、バウハウスのメンバーのデヴィッド・Jが『イレイザーヘッド』のTシャツを着ている写真を目にしたんだけど、あとでそれがデヴィッド・リンチの名作カルト映画であることを知ったんだ。

『ウォリアーズ』


この映画を見たのは、僕がまだ10歳になったばかりの頃だ。当時はすごくイケている映画だと思ったよ。最近、改めて見たんだけど、今でもとてもかっこいいと感じた。時代を問わないクラシック作品だよね。

『ロッカーズ』


僕はこのジャマイカの映画のファッション、音楽、カルチャー含めすべてが好きなんだ。中でも一番良いのはリチャード“ダーティ・ハリー”ホールがDJブースを乗っ取るシーンだね。

Translation Ai Kaneda

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1970〜1980年代音楽・映画のグラフィックを再構築 「ザ・サルベージズ」のTシャツとスウェットが「TOKiON the STORE」で発売 https://tokion.jp/2021/02/04/the-salvages-recreating-70s-80s-music-and-film-graphics/ Thu, 04 Feb 2021 02:00:36 +0000 https://tokion.jp/?p=18988 創設者のアーン・チェンとデザイナーのニコレット・イップが愛するゴシック・ロックや映画のグラフィックを使用。発売日は2月4日。

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2016年にスタートしたシンガポールのファッションブランド「ザ・サルベージズ」は、創設者のアーン・チェンとデザイナーのニコレット・イップが愛するカルチャーを落とし込んだアイテムを制作してきた。オープン以来「TOKiON the STORE」でも扱っている「ザ・サルベージズ」だが、このたび、1970〜1980年代の音楽・映画のビジュアルを再構築したグラフィックのTシャツとスウェットを2月4日に発売する。

英バンドのビジュアルから選定した3つの“目”

フロントプリントの鋭いまなざしは、女性ボーカリストのスージー・スーが率いたスージー&ザ・バンシーズと、ゴシック・ロックの代表格であるバウハウスのグラフィック。バックプリントには、バウハウスも所属していたレーベル4ADの創設者アイヴォ・ワッツ=ラッセルが主導し、同レーベル所属のミュージシャンが流動的に参加したプロジェクト、ディス・モータル・コイルのセカンド・アルバム『フィリグリー・アンド・シャドウ』のジャケットを採用している。

米音楽・映画の“HEAD”をミックスした遊び心あふれる1枚

ベースは、1977年公開の映画監督デヴィッド・リンチの長編デビュー作『イレイザーヘッド』。奇妙なキャラクターが登場するかなり不条理かつ難解な作品だが、今なおカルト的人気を誇っている。そこに掛け合わせたのは、1970〜1980年代を中心に活動したトーキング・ヘッズのフォース・アルバム『リメイン・イン・ライト』のアルバムジャケット。バンドの代名詞でもあるロックとアフリカン・ビートを融合した音楽性が一気に開花した作品で、音楽メディアなどの名盤ランキングにも必ずと言っていいほど入る1枚だ。

登場人物の集合ビジュアルが印象的な1970年代の2作品

映画同士をミックスしたアイテムも制作。フロントには、リロイ・ホースマウス・ウォレスやジェイコブ・ミラーなど、当時のジャマイカのレゲエ・ミュージシャンが実名で出演する1978年公開の『ロッカーズ』のビジュアルをプリント。バックには、個性豊かなギャングチームの抗争を描いた1979年公開の『ウォリアーズ 』をモチーフにしている。

Photography Shinpo Kimura

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シンガポール発「ザ・サルベージズ」が米写真家メアリー・エレン・マークのフォトTシャツを制作 「TOKiON the STORE」で発売 https://tokion.jp/2020/12/21/mary-ellen-mark-the-salvages/ Mon, 21 Dec 2020 06:00:06 +0000 https://tokion.jp/?p=15082 メアリーを象徴する作品「Tiny in Halloween costume」など、4種類のTシャツを全世界で各50枚限定販売。

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「TOKiON the STORE」でオープン以来取り扱っているシンガポール発のブランド「ザ・サルベージズ」。これまで創設者のアーン・チェンとデザイナーのニコレット・イップが影響を受けたバンドをモチーフにしたTシャツDIYシャツなどを発表してきたが、今回、新たにアメリカの写真家メアリー・エレン・マークの作品をプリントしたフォトTシャツを制作した。Tシャツは4種類で、全世界各50枚限定。「ザ・サルベージズ」のEC以外では「TOKiON the STORE」のみの展開となり、12月24日に発売する。なおメアリー・エレン・マーク財団が写真を提供したオフィシャルフォトTシャツは今回が初となる。

メアリー・エレン・マークは1940年にアメリカ・ペンシルベニア州で生まれた。彼女は売春婦やホームレス、麻薬中毒者といった社会問題に目を向けた写真家として知られる。1983年にはシアトルの家出した少年少女を撮影し始め、その一連の作品は『LIFE』で特集され、彼女の代表作である写真集『Streetwise』に収められている。

その中で出会った当時13歳のTinyとは、メアリー自身が2015年に生涯を閉じるまで親交があった。Tinyがハロウィンの衣装に身を包んだ1枚は、『Streetwise』の表紙にもなっており、今回のコレクションにも採用されている。

メアリーは頻繁に展覧会を開催したり写真集を販売したりしており、その積極的な活動とドキュメンタリーな作風によって、今も世界中にファンが存在している。

アーンとニコレットも彼女の被写体へ向ける視線に引かれていて「メアリーの挑発的で考えさせられる作品には、いつも感銘を受けてきた。もちろん彼女はすばらしい写真家だけど、それ以上にヒューマニストなんだ」と語る。今回のコレクションでは、撮影当時の社会問題を切り取ったものから、愛くるしいものまで、厳選した4枚を選んだ。

「Tiny in Halloween costume」(シアトル、1983)

先述の13歳の少女Tinyを写した、メアリーを代表する1枚。カメラへ向けた眼差しはおぼろげだが、どこか気取ったポーズをとっている彼女の胸にはどんな思いが秘められていたのだろうか。後にTinyは10人の子どもを持つ、麻薬中毒に苦しむシングルマザーとなり、それまでの過程は『Tiny, Streetwise Revisited』に収められている。「メアリー・エレン・マークが生涯を通して友達だったTinyという女性の写真で、とてもアイコニックな1枚だ。『Streetwise』の表紙にも採用されているね。」(アーン)。

「White Junior and Justin with their boomboxes」(シアトル、1983)

「White Junior and Justin with their boomboxes」(シアトル、1983)
街中でブームボックスを持つ2人の男の子を写した1枚。「この子達がブームボックスを使っていたところが好きなんだ。同じ頃、僕も自分のブームボックスを持って街をふらついていたよ」(アーン)。

「Gay Pride Parade」(ニューヨーク、1973)

ニコレットが選んだ1枚。「1973年にニューヨークで行われた、『プライド・パレード』と呼ばれる前の同性愛者によるパレードの写真ね。カルト的な人気の『パリ、夜は眠らない。』が上映されるずっと前、メアリーは当時物議を醸した1967年の「Miss All-America Camp Beauty Pageant」(女装した男性がその美しさを競い合った。この様子を追ったドキュメンタリー映画『The Queen』も制作されている)と主催者のジャック(Flawless Sabrinaという名前でドラァグクイーンとして活躍)を撮影していたの。LGBTQという言葉が使われる前のことだし、メアリーが時代に先駆けていた証明だと思う。彼/彼女達の人生にスポットを当てて、リアルで特別な物語を捉えていたのよ」(ニコレット)。

「Ruby Tuesday as Minnie Mouse」(ニューヨーク、2014)

某キャラクターの仮装をした犬の表情がなんとも愛くるしい。犬をこよなく愛するアーンとニコレットおすすめの1枚だ。「犬がプリントされたTシャツがとにかく好きなんだ。見るだけでほっこりした気持ちになるよね」(アーン)。

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左右非対称のデザインを持つ「ザ・サルべージズ」の新作スニーカー“マニフェスト”、そして“D.I.Y.シャツ”へ込められた思いを知る アーン・チェン、ダグラス・ハートへのダブルインタビュー https://tokion.jp/2020/10/16/interview-with-earn-chen-and-douglas-hart/ Fri, 16 Oct 2020 08:00:31 +0000 https://tokion.jp/?p=8934 「TOKiON the STORE」でも注目度が高い「ザ・サルべージズ」に新作スニーカーが登場。ブランドオーナー、アーン・チェン、D.I.Y.シャツをバーンズリーとともに手掛けたダグラス・ハートにアイテムのバックストーリーを聞く。

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「TOKiON the STORE」で展開中のシンガーポール発の新興ブランド「ザ・サルべージズ」。「TOKiON the STORE」のローンチ以降、ブランドオーナーであるアーン・チェンのインタビューを2度にわたって掲載してきたが、その後も続々とニューアイテムが到着している。特にブランド初となるスニーカーは、“マニフェスト”と銘打たれた挑発的プロダクトに仕上がっており、大手シューズメーカーとのコラボレーションによらない、ブランドのインディペンデントでD.I.Y.なスタンスが表明された象徴的な逸品だ。3度、アーン自身にアイテムのバックストーリーを語ってもらった。

さらに今回はコレクションで重要なモチーフとなったUKバンド、The Jesus and Mary Chainのオリジナルメンバーであり、「ウェンブレックス」シャツと「ザ・サルべージズ」のコラボレーションアイテムに携わった、ダグラス・ハートからも話を聞くことができた。人気絶頂期にThe Jesus and Mary Chainを脱退して以降、多くのアーティストのMVを手掛ける映像ディレクターとしてシーンの第一線で活躍しているものの、彼自身がフロントに立つという機会は少なく、とても貴重なインタビューとなっているはずだ。

アーン・チェン(ザ・サルべージズ オーナー)へのインタビュー。

――記事には掲載しませんでしたが、最初のインタビューでもスニーカーの製作秘話を教えてくれましたが、改めてスニーカーについて教えてください。靴職人の下でどんなことを学びましたか?

アーン・チェン(以下、アーン):私はある靴職人が作ったスニーカーを少なくとも15年は履いているほど大ファンなんだ。腕利きの靴職人がいるうわさをずっと前から聞いていて、友人のおかげで、その職人とコンタクトがとれた。でも最初にその巨匠を訪ねた時にはスニーカーをオーダーするのも断られてしまってね。僕がトレンドを意識したスニーカーを作ろうとしていると勘違いしていて、それが一生モノの靴を作るという彼の美学に反したらしい。でも私は諦めずにしつこくアプローチし続けて、3度目に彼を訪ねた時に、私が思い描いていたヴィジョンに目を向けてくれて、イエスと言ってくれたんだ。その時から僕は10ヵ月間仕事を休み、靴作りをその職人の下で学ぶことに集中した。このスニーカーはイギリスのデザイナー、ヘレン・カークムが手掛けていて、私と彼女は自分達の好みをシェアするためにたくさん会話を重ねた。スニーカーをデザインする工程はとても楽しいものだったけれど、それを実際プロダクト化するまでのプロセスはとても長い。デザインにはさまざまな要素が含まれていたり、複雑な時はなおさら大変なんだ。その職人ははとても忍耐強い性格で、コンピューターは一切使わず、手作業で製作は進んでいく。長く愛用できるハイクオリティなスニーカーを作るためには最高の素材が必要なんだ。レザーなどの素材はイタリアの老舗、「ビブラム」から調達した。もちろん、クオリティやスタイルだけでなく、環境にも配慮した素材を使用している。ジョギングする時もディナーに出掛ける時も、さらにはダンスをする時もこのスニーカーは欠かせない。靴が高級品で、修繕しながら履き続けてきた時代と同じように、スニーカーも手をかけて長く履けるものを手掛けていきたいと思っているよ。このスニーカーならたとえヘビーユースしたとしても、最低でも5年は持つはずだよ。

――あなたのブランドの魅力はバックグラウンドにカルチャーが感じられるデザイン、そしてディテールへの並外れたこだわりだと思います。このスニーカーにはどんな思いが込められてますか?

アーン:このスニーカーは、“脱構築主義建築(デコンストラクティビズム)”と呼ばれる1980年代のポストモダン建築のムーヴメントにインスパイアされている。そのムーヴメントは“形態は機能に従う”といったルールに反していて、ヴィジュアルは断片化され、コントロールされたカオスとなっている。アウトソールに至るまで、左右非対称デザインのスニーカーは世界初だと思う。性格は正反対だけど、うまくいくカップルのうように、それぞれの違いが相手の魅力を引き出す。“マニフェスト”スニーカーも同じように、左右でデザインが違うことで、魅力が増すように計算されているんだ。

――カーフスキン、スエード、フルグレインレザー、ニット、メッシュなどさまざまな素材を組み合わせた意図はなんだったのでしょうか?

アーン:自分達がすでに慣れ親しんできた素材を解体し、再構築することで、素材の持つ魅力、特性を再解釈してみたかったんだ。

――主要ブランドがさまざまなコラボレーションを発表したり、近年のスニーカーブームの勢いは増すばかりですよね。アーンさんがスニーカーをリリースしようと思ったのはなぜですか?

アーン:スニーカーというアイテムに対して、僕達のD.I.Y.の姿勢で、普通のスニーカーではやらないようなことをやってみたいと思ったところからスタートしたんだ。ルールにとらわれることなく、自分達なりのやり方で作品を生み出す、その方法を学びたい、その気持ちに突き動かされたね。

――このスニーカーを手にする人にはどんなスタイリングをしてほしいですか?

アーン:ファッションは自己表現の方法の1つなので、自分のスタイルを持つ人に“マニフェスト”はぴったりなアイテムだと思う。その人の独自のスタイルに合わせてもらえたら嬉しいよ。

――今店頭にも並んでいる、ボビー・ギレスピーの“ポルカドット・シャツ”のアイデアはそもそも誰のアイデアだったのでしょうか?

アーン:バーンズリーと私は究極の“ポルカドット・シャツ”を生み出す計画を水面下で進めていて、そのために話をしながらアイデアを交換してきた。話し合いの結果、最もアイコニックな“ポルカドット・シャツ”は、アルバム『Sonic FLower Groove』のジャケットでボビー・ギレスピーが着ていたシャツだということで同意したんだ。

――スニーカーのようなニューアイテムにも注目ですが、「ザ・サルべージズ」がこれからリリースするアイテムはどんなものでしょうか?

アーン:日常に取り入れたくなるようなアイテムをこれからもっともっと形にしていきたいと思ってるから楽しみにしていてほしいな。

アーン・チェン
「アンブッシュ」、「サレンダー」、「ポテトヘッド・シンガポール」など、多くのショップを生み出し、1990年代の東南アジアにストリートファッションや若者の文化を紹介し影響を与えた。最近では、自身のブランド「ザ・サルべージズ」をパートナーでありデザイナーのニコレット・イップと運営。アーンとニコレット、2人のオルタナティブカルチャーへの愛情に根ざした、アパレルアイテムは人気を獲得し、カルト的な支持を得ている。

ダグラス・ハートへのインタビュー。

――まずあなたの近況について聞かせてください。ロックダウンの期間、どのように過ごしていましたか?

ダグラス・ハート(以下、ダグラス): 最初の1ヵ月はずっと映画を観ていた。イタリアの映画監督エリオ・ペトリの『労働者階級は天国に入る(The Working Class Goes to Heaven)』や『Todo Mod』、スロバキア出身のステファン・ウーヘル監督の『The Sun In A Net』『The Miraculous Virgin』みたいな作品をね。それから、アダム・フェイスが主演の1970年代のテレビ番組『Budgie』の2シリーズも観尽くしてしまったところで、映像制作に没頭していた。

――「ザ・サルべージ」、そしてアーンさんの存在は以前からご存じでしたか?

ダグラス:バーンズリーが「ザ・サルべージズ」のアーンを紹介してくれて、その時に彼の存在を知ってね。そこからこのプロジェクトがスタートしたよ。

――今回のコレクション”The Choice Of The Last Generation”は、初期のThe Jesus and Mary Chainにインスパイアされています。当時のことを思い出してもらいたいのですが、まず、あなたがThe Jesus and Mary Chainに加入した経緯、“ジーザス ペプシ”ロゴのTシャツを着るようになったきっかけを教えてください。

ダグラス:学生時代に、私の故郷であるイースト・キルブライドでメンバーのジム・リードとウィリアム・リードに出会ったんだ。1960年代のガレージやガールズ・グループ、1970年代のパンクに夢中だったのは私達は他の若者同様に、マジックマッシュルームをきめて、音楽を聴いて退屈な日々をやり過ごしていた。しばらくしてから、音楽を聴くだけじゃなくて、演奏することにも興味を持ち始めて、バンドとして活動をスタートさせたんだ。私がロンドンを訪れた際にクリスチャンのグッズを取り扱う店で「Jesus Pepsi」のTシャツを見つけて、ステージで着始めてから、自分達でもツアーで売るようになったよ。

――カスタムD.I.Y.シャツは「ウェンブレックス」とのトリプルコラボレーションですが、このコラボレーションはどうやって始まり、具体的にはどういった作業を行ったのでしょうか? あなたが気に入っているポイントも教えてください。

ダグラス:バーンズリーと私は同い年で、私達の人生は12歳の時にパンクロックでガラッと状況が変わった。パンクが、芸術学校では教えてもらえない音楽と創造力を私達の人生にもたらしてくれ、2人ともティーンエイージャーになる頃には、洋服のリメイクを始めたんだ。私はバーンズリーの服に対するアイデアや姿勢が大好きで共感してきた。だから、D.I.Y.シャツを彼と制作するプロジェクトは私にとって完璧とも言えるものとなった。あのシャツに込められているのは、まさに私達が1977年に服のリメイクを始めた時のあのスピリットが込められている。それぞれのシャツをグレーのシェイドやステッチ、ボタンなどカスタムを施すことによってユニークにしたかった。The Jesus and Mary Chain在籍時にはこれだと思うブラックシャツに出会うのが難しく、白いシャツをあえて自分の手で黒く染め、愛用していた。

――当時、バンドのヴィジュアルコンセプトは誰がコントロールしていたのでしょうか。メンバーの中で誰が一番おしゃれでしたか。

ダグラス:初期の頃のヴィジュアルコンセプトに関しては、メンバー全員が撮影、スリーブに使用するコラージュ作りなど細かいところも自分達でコントロールしていた。Tシャツなどマーチャンダイズも同様だね。バンドメンバー全員が服が好きだったし、同じようなファッションに身を包むことで、グループとして統一感を出していたんだ。

――The Jesus and Mary Chainがこうして今も若者を引きつけている魅力はどこにあると思いますか。

ダグラス:私達は最高の曲を書き、素晴らしいレコードをリリースし、なおかつおしゃれで、全員がイケメンで……魅力を感じないほうがおかしいだろう!?

――2016年にPULPのスティーヴ・マッケイらとCall This Number(コール・ディス・ナンバー)をスタートしていますね。ここ数年は「ミュウミュウ」のコレクションも撮影されていたようです。このプロジェクトについて教えてください。

ダグラス:Call This Numberは、私とスティーヴ、そして唯一無二のアイコンだった(Public Image Ltdの元メンバーでアルバム『Flower of Romance』のジャケットのモデルである)ジャネット・リーの3人でビデオと音楽を融合するプロダクションとしてスタートした。私達はアナログのビデオカメラで撮影し、同じくアナログのエフェクトミキサーを駆使しながらイメージを加工していった。サンフランシスコを拠点にパンクの映像を収集するターゲットビデオの作品や1970年代後半~1980年代前半にニューヨークで放送されていたケーブルテレビの音楽番組に影響を受けているね。

――フィルモグラフィーを拝見して、My Bloody ValentineやThe Stone Roses、Babyshamblesといったビッグネームの作品群も素晴らしいのですが、個人的にはOcean Colour Sceneの作品をディレクションされていたことを知って感動しました(特に「The Day We Caught The Train」!!!)。僕の青春の名曲です! キャリアの中で特に印象深いビデオがあれば教えてください。

ダグラス:コレクションの中から1つを選ぶのはとても難しいね。でも、最近の作品で一番のお気に入りを選ぶとしたらI Break Horsesの「I’ll Be The Death Of You」だね。最近制作したビデオの中でもできあがりがとても気に入ってるんだ。

――映像ディレクターとして多くのMVに関わる一方で、ご自身の音楽活動はスローペースでしたよね。昨年ソロ名義のEP「X Film plus Ultra」と「Let’s Form A Cell」をまとめたカセットテープがリリースされていましたが、そこにThe Jesus and Mary Chainに通じる感覚を発見して嬉しくなりました。今あなたにとって音楽活動はどのような位置付けですか。

ダグラス:今は映像作品で大忙しだから、音楽活動に時間を割くのが難しいんだ。でも、いずれアルバムを作ってリリースしたいと思ってはいるよ。

――では最後に、東京についてはどんな印象を持っていますか? 最近ではいつ東京に来られましたか?

ダグラス:東京は大好きさ。でも残念ながら1991年にThe Jesus and Mary Chainのライヴで来日して以来訪れる機会がなくてね。街の様子などもその当時からすごく変わってるんだろうな! また訪れることができたらすごく嬉しいね。

ダグラス・ハート
1961年生まれ、グラスゴー出身。Jesus and Mary Chainの初期ベーシストで、現在はミュージックビデオなどを手掛ける映像クリエイターとして知られ、スティーヴ・マッケイ、ジャネット・リーと共同運営するCall This Numberでは、音楽だけでなくファッションのフィールドにも活動の幅を広げている。

Text Gikyo Nakamura
Interpretor Miho Haraguchi
Edit Sumire Taya

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“僕らのアイテム1つひとつに存在意義がある” DIYすることで魅力が増す「ザ・サルべージズ」×「ウェンブレックス」×ダグラス・ハート、トリプルネーム・シャツ https://tokion.jp/2020/09/26/the-salvages-x-wemblex-x-douglas-hart/ Sat, 26 Sep 2020 03:00:41 +0000 https://tokion.jp/?p=6534 ロンドン、サブカルチャーのパイオニアとポストパンク時代のスタイルアイコンがタッグを組み、自分達の手で生み出す、世界につのカスタムシャツのストーリー。

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JESUSロゴのアイテムに続き、「ザ・サルべージズ」はデザイナーのバーンズリー手掛けるシャツブランド「ウェンブレックス」、そしてThe Jesus and Mary Chainのダグラス・ハートとトリプルネームでDIYシャツをリリースした。自らの手で染め、カットし、パッチやボタンなどがあしらわれたカスタマイズ・シャツには1970年代から脈々と引き継がれてきたDIY精神が詰まっている。マルコム・マクラーレンが生み出した「ウェンブレックス」を素材として使用したシャツは、ここ日本ではアナーキーシャツと呼ばれ、今でも高値で取引されている。その伝説のシャツ・シリーズを現代によみがえらせ、1980年代のポストパンクなエッセンスをプラスした作品は、既存のアイテムとは一線を画すアートピースとしてコレクションしたくなる。前回に引き続き、「ザ・サルべージズ」のアーン・チェン、そしてバーンズリーに今回「TOKION」でリリースされたDIYシャツの魅力を聞いた。

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——アーンさんはバーンズリーさんに出会う前から存在を知っていたんですか?

アーン・チェン(以下、アーン):2000年初めのロンドンに出入りしていた私は、バーンズリーの名を周りからよく聞いていて。私がいたそのシーンで、彼は有名人だった。その当時、「ゾルター・ザ・マグニフィシャント」をバーンズリーが手掛けていて、時代を先取りするショップだった。彼はその他にも*「ザ・チャイルド・オブ・ザ・ジャゴ」、「サンダーズ」を手掛けて、どの店もブランドもセンス抜群で憧れの存在だったし、1970年代の終わりから1980年代初頭、「キングス・ロード430」(かつて“SEX”があった場所)でのバーンズリーの逸話を私も聞いていた。彼はサブカルチャーのシーンのパイオニアとして知る人ぞ知る存在だったよ。

*「ザ・チャイルド・オブ・ザ・ジャゴ」は、マルコム・マクラーレンとヴィヴィアン・ウエストウッドを両親に持つ ジョセフ・コーとバーンズリーによって、2007年にロンドンで立ち上げられたブランド&ショップ。

——TOKIONではどんなラインアップを今後増やしていこうと思いますか?

アーン:TOKIONでしか手に入らないDIYアイテムを増やしていきたいね。既存のものをDIYすること自体、とてもサステナブルだし、手を加えることでオリジナリティを打ち出せる。子どもの頃、みんなと同じ格好が嫌だったのもあって、自分でカスタムするようになった。その当時の精神を忘れず、より多くのアイテムを生み出していきたいと思っているよ。

バーンズリー:シャツというより、私は「ウェンブレックス」というブランドに打ち込んでいて、ブランドのオリジナルのディテールを忠実に守りながら、サステナブルかつ現在の気候にあったものへと発展させているんだ。1970年代のロンドン、当時ティーンエイジャーだった私は「パンク・ミュージック」に夢中だった。ライブに来ている客達がどんな服を着ているのか、それを観察していれば、そこでのトレンドの移り変わりがどれだけ早いのかは明確だった。「NME(ニュー・ミュージック・エクスプレス)」「メロディー・メイカー」「レコード・ミラー」の誌面をチェックして、ミュージシャン達がどんなレコードをリリースしているのか、どんなファッションをしているのかを知ることができた。雑誌は今でいうインターネットみたいな存在だったし、私達はとても若くてエネルギーにあふれていた。そして、(セックス)ピストルズみたいなファッションに憧れた私は、ジャンクショップで古着を買って、仕立て屋などに出さずに自分の手でカスタムするようになった。C級のボロい服を針と糸、最小限のツールを使ってハンドメイドした服が次第に人気になり「Sex」で取り扱われ、「セディショナリーズ」へとつながっていった。私達の活動の拠点はロンドンのキングス・ロードで、「セディショナリーズ」が閉店した後も、ハンドメイドの服を買いたい客がいたので、転売屋みたいに店を通さず、自分達で売るようになった。

インターネットが主流となる以前の1980〜1990年代には、公衆電話から注文の電話がかかってきて、パブの外で受け渡しをするスタイルが定番となっていた。今ではもうこんな販売の仕方はしていないけれど、売買する人はほんの一握りで、レアな存在だった。「ウェンブレックス」シャツはアナーキーシャツの素材として使用され、「SEX」や(ドンレッツが運営を手掛けた)「アクメ・アトラクションズ」で取り扱われていたのはもちろん、テディボーイ達に愛される定番アイテムであり、その後モッズの象徴アイテムとなったため、無地のものは特に人気アイテムだった。1970年代のキングス・ロードでは車を洗う労働者達も「ウェンブレックス」シャツを愛用していて、気がつけば入手困難なアイテムとなっていた。以前よりも知恵がついた私は、世界的に「ウェンブレックス」を商標登録したことで、運良くオリジナルのサンプルやラベル、デッドストックを手に入れることができた。彼の後任に名乗り出る人がいなかったから1980年にブランドは一度なくなってしまったけれど、偶然にもブランドオーナーが私の友人の親族だということが分かって。シンデレラの元にガラスの靴がちゃんと戻ってきたように、40年の歳月を経て「ウェンブレックス」のシャツは私の元へやってきてくれたんだ。

——ダグラス・ハートとのコラボレーションはあなた達にとってどんなプロジェクトでしたか?

アーン:1980年代からずっと(彼らに憧れてぐちゃぐちゃのヘアスタイルにして、シャツはパンツにタックインせず、「レイバン」のサングラスをかけるほど)The Jesus and Mary Chain、そしてダグラスが制作したビデオのファンだったから、彼のセンスやテイストをアイテムに落とし込むプロセスはとても自然なものだったよ。

バーンズリー:どのアイテムもDIYカスタムすることでアイテムの魅力は高まると思うんだ。ダグラスと私はロックフェスティバルなどでも一緒にDJしたりして、長い友人関係を築いてきた。音楽やファッション、タイポグラフィ、ポスターなど共通の趣味やセンスを持っているし、ユーモアやシリアスになりすぎない性格が似ていて、通じるものがあるからこそ、ずっといい友達でいられるんだと思う。その一方で、洋服の細かいディテールについては、とことんこだわるところが共通しているし、年齢もほぼ同じなんだ。

——コロナはそれぞれのブランドに対してどんな影響がありましたか?

アーン:コアな顧客のために小ロットで制作するスタイルはずっと変わってないから、特に影響はなかった。パートナーのニコレットと私は本質的なところを見極めつつ、自分達でコントロールしながら洋服作りに取り組んでいる。彼女がデザインを担当しているんだけど、私達は常に密なコミュニケーションを心がけているよ。

バーンズリー:ロックダウンは「ウェンブレックス」に大きな打撃を与えた。「ウェンブレックス」はどんな人でもウェルカムなタイプのブランドではなく、確固たるプライドを持って厳選された顧客のための洋服作りを手掛けている。ロックダウン中は工場が閉鎖し、生産停止は避けられなかった。他を当たろうと思ったが、以前、2人のテーラーにひどい目にあわされたトラウマがあって。その1人のテーラーは、ドーバー ストリート マーケット ギンザで私達のアイテムがどんどん売れていくのを知って、急に下代を2倍に引き上げてきた。普通はロット数が増えれば、1つ当たりの価格は安くなるはずなのに、説明しても理解してもらえず。仕方がなく他のテーラーに依頼しようとしたら、料金を前取りされた挙句、逃亡されてしまったんだ。

ロックダウンの最中、私の天才的なパートナーである、マディーことモリー・モーティマーがミシンを買ってきて、私のボロボロの洋服やタオル、ベッドのシーツまで練習材料として駆り出していたよ。そこでアーン、ダグラス、私の3人も着古されたシャツをカスタムしていた時のオーセンティックな手順を踏襲しながら、シャツを作ることにした。もちろん、マディー、私はそのシャツを作るために何日も夜鍋することになったが、何度かの試作の末、なんとか完成形までたどり着いた。1950年代、1960年代のアンティークのボタンを不ぞろいに付け替え、ヴィンテージのファブリックをパッチのようにたくさん手で縫い付けた。マディーはレッスンを受けることで、技術を習得し、今では立派なテーラーとして、私を支えてくれている。それに、辛抱強くアイテムを待ち続けてくれる顧客やアーンの存在にもとても励まされたね。たとえ時間がかかったとしても、愛情を注いで作られたハンドメイドの服の価値を彼らはちゃんとわかってくれると私は信じていたんだ。

——「ザ・サルべージズ」や「ウェンブレックス」のアイテムに人々が引かれる理由はどんなところにあると思いますか?

アーン:ブランドとして信頼がおけるからだと思う。そしてアイテム1つひとつに存在意義がある。古着店で販売されているヴィンテージTシャツや洋服に価値があるように、愛着を持って長く着続けることによって、アイテム自体の魅力が増していくんだ。ほつれたとしても、長く着られるようにリペアを施す。そんな風にすればよりサステナブルで、服のオリジナリティを醸成することができる。

——アーンさん、バンズリーさんにとってお互いはどんな存在でしょうか?どんな風にコミュケーションしていますか?

アーン:僕らは電話でよく話をするんだけど、アイデアを持ち寄り、交換するプロセスの時点ですごく盛り上がる。互いに刺激を与え合う存在だね。バーンズリーは1970年代後半のパンク・シーンで育ち、「SEX」と「セディショナリーズ」を運営するマルコム・マクラーレン、ヴィヴィアン・ウエストウッドがいたシーンの熱烈なファンだった。その一方で私は1980年代前半のポストパンクの時代に育った。異なる時代に育ちながらも、私達は互いに共鳴するスタイルを持っている。何よりも私にとってバーンズリーはレジェンドであり、彼から学ぶことがまだまだたくさんあると思う。

バーンズリー:実際のところ、ポストパンクから受けた影響もかなり大きい。その時代も私は若く、ライブやファッションに夢中だったからね。私達の共通点をあげるとすれば、右腕となるビジネス・パートナーがいて、自宅でアイデアを生み出しながら、もの作りができる環境にあること、そして他の人が作らないようなオリジナルのアイテムを作ることに夢中なところかな。服のデザインを練る上で、ファッション自体よりも音楽からの影響が大きいところも共通していると思う。それに、ダグラスと私は常に作る服のアイデアを互いに投げ合って切磋琢磨している。アーンと電話で話す内容は、服の話だけじゃなくて、音楽や映画、本や伝統的なスタイル、最近興味があること、それに何気ない日常の話などさまざまさ。ボビー・ギレスピー(プライマル・スクリーム)と話す時はほぼ音楽の話だね。彼の素晴らしいところは純粋な音楽ファンなところと、常に音楽に対してアンテナを張っているところさ。ボビー、ダグラスそして私は筋金入りの音楽好きで、バンドなら、パブリック・イメージ・リミテッド、スージー・アンド・ザ・バンシーズ、サブウェイ・セクト、ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ホークウィンド、シン・リジィ、ステイタス・クォー、スライ&ザ・ファミリー・ストーン 、マルコム・マクラーレンが手掛けたバンドなどに夢中だし、ジャンルでいうなら、ソウル、R&B、ロックンロール、フレンチ・ポップ、エレクトロニカ、クラウト・ロック、サイケデリア、ファンク、レゲエ、ヒップなジャズに精通しているんだ。かつて、ジョン・レノンが「エルヴィスの前には何もなかった」と言っていたように、ロックンロールは、ほぼすべてのジャンルの音楽、そして我々の“過剰な”スタイルの起源となっていると私は考えているよ。

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ファッション、カルチャーの救世主「ザ・サルべージズ」創設者、アーン・チェンがコレクションに込めた思い https://tokion.jp/2020/08/07/the-salvages/ Fri, 07 Aug 2020 06:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=2846 音楽とファッションを融合するシンガポール発ブランド「ザ・サルベージズ」。オーナー兼デザイナーのアーン・チェンの音楽原体験が反映されたアイテムが時を超えて私達に「カルチャー、ファッションとは何か?」を訴えかける。

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「TOKiON the STORE」にて展開されるシンガーポール発の新興ブランド、「ザ・サルべージズ」。日本では「ドーバー ストリート マーケット」でいち早く紹介され、1980~1990年代のパンク、ニューウェーブ、オルタナティブロックをモチーフにしたコレクションを展開。“Siouxsie”や“Bauhaus”など、その記号を読み取るマニア達を狂喜させてきた注目のブランドだ。
「ザ・サルべージズ」の立ち上げこそ近年だが、その創設者であるアーン・チェンは、シンガポール~東南アジアのストリートファッション界ではパイオニアの1人であり、彼のライフストーリーをひもとくと、かつて『TOKION』が深くコミットした1990年代東京発のストリートカルチャーともダイアグラムが重なりあっている。アーンにブランドのバックボーン、展開されるアイテムについて語ってもらった。

シンガポールにおけるストリートファッションの黎明期であった1990年代、すでに自身のアパレルショップをオープンしていたアーンにとって転機となる出会いがあった。それが当時、レコードレーベル「Mo’Wax」や音楽プロジェクト、UNKLEのプロデューサーとして活躍していたジェームス・ラヴェルだ。
「1998年頃、ジェームスがシンガポールのツアー中に、僕のショップを訪れたんです。ショップではニューヨークやロンドンのストリートブランドを展開していましたが、当時まだ小さかった裏原宿のブランドもすでに取り入れていて。ジェームスはそのことにとても驚いてくれました。それが縁で僕らは友人となり、音楽や、ファッション、スニーカーなど趣味を語り合う仲へと発展していきました」。
この出会いからしばらくして、アーンはジェームスと共同で、シンガポールのストリートファッション史にその名を刻むショップ「Surrender(サレンダー)」を始動する。最先端のストリートファッションを紹介する東南アジア地域のハブとして、シンガポールだけでなく、フィリピンやインドネシアなど近隣諸国からも若者が訪れた。
「2000年にジェームスと一緒に『Surrender』をスタートした。裏原宿のカルチャーはニューヨークやロンドンでも紹介されていましたが、まだとても限定的なものだった。ジェームスが日本のデザイナーやクリエイター達とコネクションをもっていたおかげで、ここシンガポールでもそのトレンドを知る機会を得て、実際に服を手にすることができるようになったわけです」。

高橋盾や藤原ヒロシ、NIGO®ら日本のストリートカルチャーのカリスマ達との交友から、裏原宿ムーブメントのキーパーソンでもあったジェームス。彼と知り合う前、シンガポールのファンションフリークな若者であったアーンは、当時の裏原宿シーンにどうやってアクセスしていたのだろうか。
「当時はインターネットがなかったので、情報源は主に日本の雑誌でした。『TOKION』や『relax』などで裏原宿のカルチャーが大きく取り上げられていて、リサーチしていくと、ファッションだったりアートだったり、フレッシュなものばかりで驚いたことを覚えています」。

その後、2014年に「Surrender」の運営から退き、一度はファッションの仕事から離れていたアーンだったが、2016年、「ザ・サルべージズ」という新たな旗を掲げ戻ってきた。
「一度『Surrender』を辞め、『Potatohead(ポテトヘッド)』というクラブやレストランの経営を始めました。それから2年が経って、やはりファッションが恋しくなってしまいました(笑)。きっかけは、僕が何年もかけてコレクションしてきた洋服や音楽、トイを売りたいと思ったことなんです。洋服が持っている情熱を引き継いでくれる、ヴィンテージが持つ価値のわかる人達に、貴重なアイテムを引き継いでシェアしていきたい。もともとそのために用意したプラットフォームが「ザ・サルべージズ」でした。ブランド名は、洋服をSalvage(=救助、引き上げる)といった意味でネーミングしました」。
アーンが提供したコレクションはインパクトのあるものだった。彼が15~20年かけて集めたという貴重な「ラフ・シモンズ」のアーカイブは瞬く間に評判を呼び、セレブリティがその顧客リストに名を連ねることになる。
「エイサップ・ロッキーやカニエ・ウエストまで興味を持ってくれました。出品したヴィンテージアイテムがすべて売れたところで、僕のパートナーのニコレット・イップが、ロゴを入れたブランドのマーチャンダイズを作ろうというアイデアを出してくれて、オリジナルアイテムを作るようになりました。そうすると今度は、G-DRAGONやBLACKPINKなどK-POPのスター達が注目してくれるようになって。とても自然な成り行きでブランドが認知されていきました」。
「ザ・サルべージズ」のオリジナルアイテムは、有名なオルタナティブロックのアイコンだけでなく、Spacemen3やSuicideといったカルトバンドをモチーフにしたデザインが特徴的だ。そこにはアーン自身のノスタルジーと嗜好が反映されているようだ。
「ティーンエイジャーだった頃の思い出や記憶が、コレクションのアイデアのベースとなっています。彼らは僕にとってヒーロー達でした。ピーター・ケンバー(Spacemen 3)にTシャツを作りたいと持ちかけたら、快諾してくれてTシャツを作りました。そこからいろんなミュージシャン達とコラボレーションしていきました。Suicideのマーティン・レヴは僕にとってレジェンドだったので、彼らのTシャツを作れた時はとても嬉しかったです」。

一見、定番のように思えるNirvanaのカート・コバーンのアイテムに関するエピソードも驚くべきものだ。
「1992年にNirvanaがアルバム『Nevermind』プロモーションのためにシンガポールにやってきて、友人がホストとして彼らを案内したり、写真を撮ったりしていました。ライヴの予定はなかったので、カートは滞在中に駐車場でフリーコンサートをやりたいとリクエストしてきたのですが、調整する時間が足りずそれは叶いませんでした。その代わりに彼らはスタジオライヴをやり、たった5人のオーディエンスがその貴重な瞬間に立ち会うことができました。すでに『Smells Like Teen Spirit』が全米1位を獲得し、世界的にも注目されたオルタナティブバンドだったにもかかわらず、インターネットが普及する前だったのもあり、彼は自身がビッグスターになっていることを認識していない様子でした。『ザ・サルべージズ』では、カートが残していった落書きをTシャツのデザインにしました。そこには“俺は楽器を弾けないけど、そんなのどうだっていい”と書かれています。これが当時の彼の認識を裏付ける証拠です」。

今回展開されるコレクション”The Choice Of The Last Generation”では、The Jesus and Mary Chainにインスパイアされたアイテムが印象的だ。
「彼らが出てきた当時、そのファッションやヘアースタイルが独特で、とても影響を受けました。僕もスタイルを真似て、ヘアースタイルを彼らのようにしていて。写真がないのが残念だけど(笑)。きっかけはずいぶん前のことですが、ダグラス・ハート(The Jesus and Mary Chain)がペプシをオマージュした“JESUS”ロゴのTシャツを着ている写真を見つけました。僕はそのTシャツを気に入って、まず再現したサンプルを何枚か作って、デザイナーのバンズリーに見せてみました。バンズリーはそれをダグラスやボビー(・ギレスピー)達本人に見せるととても気に入ってくれて、それが今回のコレクションへとつながっていきました。ダグラスからはオリジナルの“JESUS”ロゴのTシャツについての由来も聞きましたが、なんともともとキリスト教のグッズショップで売っていたTシャツだったそうです。それをあんなにクールに着こなしていることに驚きました。シャツの裾をカットし、ルーズなシルエットでパンツにタックインせずに着るのがThe Jesus and Mary Chainらしいスタイルだったのですが、ダグラスとバンズリーはそのシャツを“DOUGLAS”シャツとして再現していました。ダグラス曰く、オーバーサイズの古着のシャツを黒く染め、裾をカットアウトして短くしていたとのことで、『ザ・サルべージズ』でもバンズリーとダグラスからアイデアをもらい、当時彼らが着ていたシャツを今回再現しています」。

ボビー・ギレスピーは、スコットランド出身のバンドPrimal Screamのメンバーとして知られているが、初期のThe Jesus and Mary Chainにもドラマーとして在籍。アイコニックな存在だった。今回のコレクションで展開されるポルカドット柄のシャツは、Primal Screamのファーストアルバム『Sonic Flower Groove』(1987年)のボビーの装いにインスパイアされたものだろう。こういったファンならではのマニアックなアイデアや再現性の追求が「ザ・サルべージズ」をユニークな存在へと押し上げてきた。今回のインタビューに応じるアーンの語り口も、アパレルのビジネスマンというよりは、まるでレコードコレクターやトイコレクターの収集品自慢のようでもあり、子どものように夢中になって話す彼がチャーミングだった。最後に、今回の「TOKiON the STORE」とのコラボレーションについての思いを語ってくれた。
「まだインターネットが普及していなかった時代、若かった僕にとっての『TOKION』は、自分達を教育してくれたヒーローにような存在でした。そんな大きく影響を受けた存在が店をオープンするっていうのは、すごくクールなことですし、そこに自分も関われることに興奮しています。僕にとっても人生の中でビッグイベントの1つになるので、すごく楽しみにしています」。

アーン・チェン
「アンブッシュ」、「サレンダー」、「ポテトヘッド・シンガポール」など、多くのショップを生み出し、1990年代の東南アジアにストリートファッションや若者の文化を紹介し影響を与えた。最近では、自身のブランド「ザ・サルべージズ」をパートナーでありデザイナーのニコレット・イップと運営。アーンとニコレット、2人のオルタナティブカルチャーへの愛情に根ざした、アパレルアイテムは人気を獲得し、カルト的な支持を得ている。

Text Gikyo Nakamura
Interpretor Miho Haraguchi
Edit Sumire Taya

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