MADE IN JAPAN Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/made-in-japan/ Mon, 14 Nov 2022 10:58:41 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.3.2 https://image.tokion.jp/wp-content/uploads/2020/06/cropped-logo-square-nb-32x32.png MADE IN JAPAN Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/made-in-japan/ 32 32 連載「ジャパンブランドのトリビア」Vol.4 セラピストRYOKO HORIが長い海外生活で改めて感じる日本のモノや人の魅力 https://tokion.jp/2021/12/05/japans-brand-trivia-vol-4/ Sun, 05 Dec 2021 06:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=79939 メイド・イン・ジャパンのブランドやアイテムの魅力をクリエイターに問う本企画。第4回は、ベルリンで RYOKO senses salon を営むセラピストの堀涼子が登場。

The post 連載「ジャパンブランドのトリビア」Vol.4 セラピストRYOKO HORIが長い海外生活で改めて感じる日本のモノや人の魅力 appeared first on TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報.

]]>

デザインや機能性、トレンドやスタンダードという軸があるように、“メイド・イン・ジャパンであること”も、モノ選びの基準の1つになっている。連載「ジャパンブランドのトリビア」では、最先端であり、ソーシャルフルネスというステートメントに沿ったメイド・イン・ジャパンのものを、さまざまなクリエイターが紹介。今回は、ベルリンを拠点にセラピストとして活動する堀涼子。服飾専門学校卒業後、渡仏。その後帰国し3年ほど、ファッション業界で働いたのち、シドニーを経てベルリンへ移住。ベルリンでの生活は、もうすぐ10年になるという。海外生活が長いからこそ、改めて感じる彼女のメイド・イン・ジャパンの価値観とは。

−−パリ、シドニー、ベルリンと長年海外生活を送る中で、改めて感じるメイド・イン・ジャパンのモノの価値や魅力はどのようなところにあると思いますか?

堀涼子(以下、堀):メイドインジャパンのモノは、世界的に見ても“高いクオリティ”の代名詞だと思います。比べものにはならないクオリティがありますから。私が住んでいるベルリンでもコロナ禍の少し前くらいから日本ブーム。日本旅行を楽しむ友人も多く、私がなかなか帰れない分、彼らから日本各地のホットスポットの情報を聞いたりして。友人達も皆、そのクオリティの良さに信頼を置いています。だからこそ、日本のものを選びたいという思考の人も増えている。また、海外で生活をしていると改めて、日本人は人としてもすべてにおいて完璧だなと感じます。作っているものの完璧さはもちろんのこと、人としても、仕事も、時間もきちんと守りますし、とにかく“きちんとしている”のが日本人らしいなと思います。

−−モノづくりにおいて海外と日本の違い、またそのおもしろさはどんなところにあると思いますか?

堀:海外の人はトライが早いと思います。興味を持ったらやってみる人が多い。だから実験的に作ってみたら、おもしろいものや新しいアイディアが生まれたり、そういうおもしろさがありますよね。日本の器やクラフトが好きで、いろいろ集めているのですが、ものを見ていると、長年受け継がれてきた技術力が本当に素晴らしいと感じます。伝統的であるだけでなく、モダンさもある。しっかりとしたベースがあるからアレンジができる。いろんな作家さんとお仕事をするので、日本人が作ったか、外国の作家さんが作ったか、器などをみているとすぐにわかります。ベルリンは移住者が多く、いろんな国の人がクリエイティブな仕事をしていておもしろい。だからこそ、違いもわかりやすいんです。

日本のクオリティをベルリンで具現化する陶芸家による「Studio Cuze」

陶芸家久世さんの作品です。彼もベルリン在住で、スタジオを持って活動をしています。ちょうど私がベルリンに移り住んだのと同じ頃、彼も引っ越してきていて、友人を介して知り合いました。私はアルコールベースの香水を調香しているだけでなく、樹脂や香木などを焚くお香も取り扱っていて、香水のボトルやスマッジホルダー、香炉(香木や樹脂などの香を焚く器)をメイドインジャパンのクオリティで、作ってもらっています。日本にも、もちろん好きな作家さんや一緒にお仕事してみたい方はたくさんいるんですが、やはり距離があるので気軽には難しく。近くにいて、クオリティも素晴らしい。私の考えを具体的に形にしてくれる久世さんの存在はありがたいですね。

時代を超えて受け継がれる日本の古道具

日本に帰ると必ず骨董市を訪れて、昔からある街の古道具屋を巡ります。そこで江戸時代のものなんかを見つけるとお宝を見つけたような気分になります。古道具や骨董品を見て作り方や当時の用途をあれこれ想像しては、もちろんその時代のものはすべて手作りのはずですから、その技術力に圧倒されてしまいます。大切にしているモノの中でも、100年以上前の櫛は、細く均等に作られていて、その繊細さに惚れ惚れしますし、キャンドル立ては、今でいう懐中電灯のようなものだったのでしょう、常に蝋燭がまっすぐ上に立つような仕組みになっていて、きちんと考えられた機能性が素晴らしい。ヨーロッパのアンティークももちろん好きなのですが、ヨーロッパのものは、機能というよりも視覚的に楽しめるようなデザインが印象的。日本のものは機能を重視していて、デザインは削ぎ落とされている。そのシンプルさは古臭さが全くなくモダン。時代を超えて受け継がれる日本独特の機能性と技術力は本当に素晴らしいですよね。

ベルリンで一番おいしいお寿司が食べられる「Sasaya」

前回帰国したのは3、4年前。日本食が恋しくなる日々の中で、ベルリンできちんとおいしい日本食がいただけるお店があります。それが『Sasaya』。東京は、おいしいお店もたくさんあって、値段が高ければもちろんですが、安くてもハズレってめったにないですよね。ほとんど魚が食べられないベルリンで、生魚が食べられて、しかもおいしいお店は貴重。なので、頻繁に食べに行っています。「Sasaya」は、ベルリンの日本料理屋さんの中でも一番おいしいと言われているほどの人気店。日本人の大将が握ってくれるサーモンのあぶり寿司の、あのとろける感じは、食べるといつも日本を思い出します。大将は寡黙だけど、お店の中の様子は、すべて見えている。その感じも日本料理屋さんならではという感じがして、行くとほっとできる場所です。

堀涼子
1980年生まれ、大阪府出身。パリ、ロンドン、東京、シドニーを経て、現在ベルリン在住。「RYOKO senses salon」を主宰し、リメディアルマッサージ&ビューティーセラピスト、調香師、ショップオーナーとして活動している。

The post 連載「ジャパンブランドのトリビア」Vol.4 セラピストRYOKO HORIが長い海外生活で改めて感じる日本のモノや人の魅力 appeared first on TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報.

]]>
連載「ジャパンブランドのトリビア」vol.2 癒しとエネルギーに満ちた日本食 唯一無二の魅力をフード・アーティスト前田まり子が再考 https://tokion.jp/2021/09/20/japans-brand-trivia-vol2/ Mon, 20 Sep 2021 06:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=58405 メイド・イン・ジャパンのブランドやアイテムの魅力をクリエイターに問う本企画。第2回は、ブッダボウルの先駆者でフード・アーティストの前田まり子が登場。

The post 連載「ジャパンブランドのトリビア」vol.2 癒しとエネルギーに満ちた日本食 唯一無二の魅力をフード・アーティスト前田まり子が再考 appeared first on TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報.

]]>
デザインや機能性、トレンドやスタンダードという軸があるように、メイド・イン・ジャパンであることも、モノ選びの基準の1つになっている。本連載では、最先端であり、ソーシャルフルネスというステートメントに沿った“メイド・イン・ジャパン”のクリエイションにフォーカスする。今回はナチュラル・アンド・ヘルシーをテーマに活動するフード・アーティストの前田まり子に、日本の食文化の魅力を改めて考察し、自身の日本食に関するものやお店を紹介してもらった。

−−「カノムパン』から「ブッダボウル』を作るまで、その経緯を教えてください。

前田まりこ(以下、前田):イタリアンで働いたり、ケーキやクッキーを作って販売したりと、ずっと料理の世界と近いところにいました。パンとの出合いは突然で、ある1冊の本に出合ってから。その本は、日本各地で暮らす人が、自分の生活に沿ったパン作りをしているという内容。残った野菜の皮やお米から酵母を作ったり、その無理のない感じが、ちょうど生活を田舎へシフトしたいと思っていた気持ちと重なって、葉山へ移住しパンを作り始めました。「カノムパン」を始めて、気付いたら13年が経っていた。あっという間でした。毎日酵母の様子も変わるし、中に入れてから焼けるまで、1日たりともオーブンの中を見ない日はなかった。毎日が必死だったんです。10年が経った時、周年パーティーを開いて、その時自分の中で100点が出せた。そこから次に新しいことをやってみたいと意識が変わって、東京に戻ってきました。

しばらく抜け殻状態の中、「ムスムス」でアルバイトをしているうちに、食のクリエイティブ欲が再燃。葉山に住んでいた時に知ったヴィーガン食、どんなに忙しくても半年に1回のペースで行っていたほど大好きなタイのヴィーガンも網羅していたんです。そのヴィーガンを生かし、間借りしていたお店でヴィーガンプレートを始めました。その時、たまたまFacebookでブッダボウルの存在を知り、もともと作っていたプレートを少しアレンジして、色とりどりの野菜と穀物、果実を1つの皿に盛るブッダボウルに。私自身がヴィーガンというわけではなく、シンプルに野菜が好きだった。それに新しいことを考えるのも楽しかった。ブッダボウルというネーミング力も強くて好きで、これはいける! 私ブッダボウルの先駆者になる! と確信しました。それから『ブッダボウルの本』を出版しました。本を出してからは、ヴィーガン、プラントベース、ブッダボウルというワードがすごく身近に感じるようになって、なんとなく1つのブームを作れたような感覚になりましたね。

伝統のある料理、旬の食材を通して日本の風情を味わう

−−食人生においてさまざまな節目を経て、改めて思う日本の食文化の魅力とは?

前田:例えば、お節料理とか、受け継がれてきた料理や日本ならではの習慣が消えつつあるような感じがして、寂しいですし、なくなってほしくない。うちは毎年必ずお節料理を作ります。やっぱり日本人の体には日本の食材が一番合う。カノムパンをやっていた時もブッダボウルを作っていた時も、お店で野菜を見て食材ありきで、今日何しようって考えていました。それを考えている時に一番アドレナリンが出ていたかもしれません。そういう時も日本の食材を使うことが多かった。意識はしていないけど、ナチュラルに自分の中でそれが目利きとなって染み付いていたのかもしれないですね、ルーツですから。葉山での生活は、日本の生活に沿ったものをなるべく自分の手で作ろうと思った始まりで、お味噌作りや梅干しを漬けたのはその頃から。特別な何かというよりはいつもの生活の中にある普通のこと。魚を焼いて、玄米を炊いて、自分で作った味噌でお味噌汁を作って、糠床から糠漬けを出して。そういう食卓がやっぱり好き。干物や、余裕があれば、がんもどきも手作りする。それが夢のようにおいしい。季節の変わり目に、旬の食材でお祝いするとか、食べると体が喜ぶのを感じられるとか、日本食にはそういう魅力が詰まっていると思います。

季節や体調の変化を料理で感じる「麹」「糠」「梅」

−−おすすめの食材に麹と糠、梅を挙げた理由を教えてください。

前田:タイ料理店、「カノムパン」、「マリデリ」、「ムスムス」……と、これまで忙しく働いてきて、おいしいものを食べてもらいたい、その一心で続けてきたので、自分が食べるもののことまで気にかける余裕がなかった。今人生で一番自分のことにちゃんと時間をかけて、丁寧に生活できている気がしています。発酵させていく過程を楽しむこと、自分の手で作った味噌を使ったお味噌汁や、糠漬け、梅干しが日々の食卓に並ぶ。それが何よりも嬉しいんです。

−−和食に欠かせないこれら3つの食材ですが、手作りする時の楽しさはどのようなところに感じていますか?

前田:麹と納豆菌のダブルだからきっとすごく免疫力が高い。納豆麹にすると納豆の賞味期限も延びるので、そこに日本食文化ならではの保存食の魅力が詰まっています。梅は毎年漬けていて、今年は梅シロップとカリカリ小梅を漬けました。梅雨の鬱陶しい時期にする梅仕事はワクワクしますし、晴れたら外に干すので、じめっとした日が続く中で晴れを待つ。そういう季節の移り変わりとともに在ることが毎年楽しみなんです。日本独時の侘び寂びみたいな感覚が好きですね。糠床は、自分に余裕がないとすぐだめになってしまう。自分の気持ちのゆとりのバランスを教えてくれるような、そんな感覚や自分の中の小さな変化を作っていると感じることができます。

すり鉢で胡麻をする、ひと手間にこだわる

−−おすすめのアイテムにすり鉢を選んだ理由について教えてください。

前田:炊飯器は台湾のもの、土鍋も日本らしさがなく、鍋はタイやインドで買ってきたものばかり、あとはストーブなので、自分の持っているものの中で何か日本らしいものはあるかな……とふと台所を見回した時に、目に入ってきたのがこのすり鉢。夫からのプレゼントでもらったものです。する時のゴリゴリという音も好きですし、だんだんといい香りがしてくるのもワクワクする。改めて日本ならではの、いい道具だなと思います。

−−どんな料理を作る時にこのすり鉢を使いますか?

前田:胡麻は擦りたてが、格段に香りが良くておいしい。ほうれん草の胡麻和えを作る時は、ほうれん草を茹でてボウルの中に入れ、そこにすり胡麻を入れるより、すり鉢ですって、そこに調味料とほうれん草を入れて、すり鉢の側面についた胡麻までも、満遍なく和えるのが好き。その方がおいしい気がするんです。

日本の食材の魅力とオーガニックを学んだ「ムスムス」

−−「ムスムス」のおすすめポイントは?

前田:まず、本当においしいです。お米は天日干ししたものを使っていて、私が働いていた頃はランチはそのお米がおかわり自由だった。天日干ししているだけで普通のお米と味が全然違うんです。玄米と白米とを選べて、お惣菜も食べられる。「ムスムス」という店名は、野菜をせいろで蒸す料理名から名付けられたそうです。

−−前田さんにとってどんなお店ですか?

前田:「カノムパン」を辞めて1年くらいアルバイトしていたお店。日本食の勉強は、「ムスムス」での経験が生かされています。日本のものしか使わない「ムスムス」は、日本の端から端までの日本のオーガニック食材を仕入れ、調味料までこだわって料理を出していたので本当においしい基本の日本食と出合うことができました。私はランチタイムに働いていたので、丸の内のOLさんやサラリーマンで常に忙しく、優しい日本食を提供しているけれどキッチンの中は、体育会系でしたね。料理はすごく細かくて、丁寧。例えば針生姜は、針より細く切るように言われていて、私が切ったのだけ太くてすごく怒られたこともありました。技術力や腕、料理。自分にないものを知り、かなり鍛えられ、本当に勉強になりました。

前田まり子
フード・アーティスト。さまざまな飲食店で料理の腕を磨き、2000年には葉山に「カノムパン」をオープン。野菜をふんだんに使ったヴィーガン料理を得意とし、日本にブッダボウルを広めた第一人者。

Text & Edit Mai Okuhara

The post 連載「ジャパンブランドのトリビア」vol.2 癒しとエネルギーに満ちた日本食 唯一無二の魅力をフード・アーティスト前田まり子が再考 appeared first on TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報.

]]>
連載「ジャパンブランドのトリビア」Vol.1 ダイバーシティから生まれる“MADE IN JAPAN”の力をパリ発「TEMPURA」編集長が紐解く https://tokion.jp/2021/08/19/japans-brand-trivia-vol1/ Thu, 19 Aug 2021 06:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=47234 メイド・イン・ジャパンのブランドやアイテムの魅力をクリエイターに問う本企画。第1回はパリ発カルチャーメディア「TEMPURA」編集長のエミール・ヴァレンシアが登場。

The post 連載「ジャパンブランドのトリビア」Vol.1 ダイバーシティから生まれる“MADE IN JAPAN”の力をパリ発「TEMPURA」編集長が紐解く appeared first on TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報.

]]>
デザインや機能性、トレンドやスタンダードという軸があるように、メイド・イン・ジャパンであることも、モノ選びの基準の1つになっている。本連載では、最先端であり、ソーシャルフルネスというステートメントに沿った“メイド・イン・ジャパン”のクリエイションにフォーカスする。第1回はパリ発の雑誌『TEMPURA』の編集長エミール・パシャ・ヴァレンシアに、海外から見るメイド・イン・ジャパンの魅力と彼の目利きで選んだアイテムについて話を聞いた。

−−海外から見て、メイド・イン・ジャパンの価値をどう感じていますか?

エミール・パシャ・ヴァレンシア(以下、エミール):メイド・イン・ジャパン=“ハイクオリティー(高品質)”を意味しているように感じています。 フランスでは、メイド・イン・フランスの製品が再評価されているものの、それはファッションに特化した話で、まだまだ限定的。それに比べてメイド・イン・ジャパンの製品は、フランス製のものよりも見つけやすい。その理由は、高いデザイン性やスタイル、手作りの温かみがあるから。熟練した職人技術で、美しい器やインディゴシャツなどを作られているのも世界的に知られています。しかしそれらはほとんどが工場で作られている。どんなブランドも、ハイクオリティーが保たれているところは、本当に素晴らしいと思います。

−−日本だからこそ、と感じる部分はどんなところですか?

エミール:例えば、イタリアのムラーノガラスやフランスのカレーレース、アメリカのホーウィン社製レザー、イギリスのミラレーンや、サヴィルロウのオーダーメイドスーツなどのように、“メイド・イン……(その国)”の製品は世界的に人気が高く、長い歴史の中で愛されています。同じようにメイド・イン・ジャパンの製品を見ると、衣服、木工品、ガラス、スチールやカーボン製のナイフ、漆、陶器など、種類が多岐にわたっています。それは日本だからこそだと感じる部分です。

「日本人がモノづくりを始めると、質の高いものができる」というのは、1つの決まり文句だと思っていて、フランスやイタリアで食べる料理と変わらないくらいおいしいピザやクロワッサンを東京で食べることができる。これほどまでに高品質で豊富なものを作る国を他に知りません。

−−パリと日本でモノづくりにおいての違いやおもしろさはどんなところだと思いますか?

エミール:メンズファッションのシーンでいえば、東京はとてもオープンでたくさんのブランドやスタイルがあり常に新鮮。一方、パリのメンズファッションは従来の型にはまり過ぎている印象があります。最近とあるブランドが、“be normal(普通であること)”というベースラインに刷新したのですが、とても残念だと感じました。ファッションは社会的な表現をするための方法の1つです。“be normal”は、個性のない全体主義のようなもの。“be yourself”はどこへいってしまったのか? と問いかけたくなりました。

私はストリートでインスピレーションを得ていますが、東京のストリートは最適です。人々を観察することで、何が変わってきているのか、男性と女性のファッションの境界線がますます曖昧になってきていること、ジェンダーレスの服が新しい普通になってきていることなどを感じ取ることができます。

豊かな自然、歴史ある街が生んだジャパン・ブランド「ロフミア」

−−このブランドについて教えてください。

エミール:岐阜県美濃加茂市にあるブランド「ロフミア」。竹内太志さんと浩子さんご夫婦がデザインから制作まで行っていて、2人は何をするにも一緒です。レザーを使ったジャケットやバッグを得意として作っているだけでなく、ハイブリッドキューベンファイバーというハイテク素材を使ったバッグも作っています。私はここのバックパックを2つ持っていて、これまでの人生で手に入れたバッグの中で最高のバックパックだと思っています。

−−「ロフミア」のバッグの、どんなところが気に入っていますか?

エミール:技術力、品質、ファッション性、その全てが1つのバッグに完璧に融合されているところです。デザインから、パターン、縫製、販売に至るまで、すべてデザイナー自身が行っていて、さらにとてもミニマルなデザインでありながら、高い機能性も備えている。常に革新的な試みをしながら、自分達の技術を高めているところに感銘を受けました。私は、洋服を着ていて不快な思いをするのが嫌いなので、服やアイテムを選ぶ時、機能性の高さをとても重要視しています。最近はアウトドアブランドがよりスタイリッシュなスタイルを提案しているのはとても嬉しいこと。ピュアウールやレザーなどの天然素材も商品を選ぶ基準になっているので、そういう意味でもロフミアはとても好みのブランドです。

−−「ロフミア」のモノづくりの魅力とは?

エミール:以前、彼等を取材し「TEMPURA」で紹介したことがあります。その時にも感じたのですが、高い技術力や機能性に優れた素材で作られている日常品であること。そして大量生産ではなくデザイナー自身が納得するまでこだわってものを作るという思想に魅力を感じます。「TEMPURA」では常にこのような若くこだわりのある日本のブランドを取材し取り上げたいと考えています。

USED古着からセレクトアイテムまでを取りそろえるこだわりのショップ、祐天寺のfeets

−−このショップについて教えてください。

エミール:私は東京ではいろいろな街を歩き、ストリートからインスピレーションを得たり新しいスタイルを探したりしているのですが、そんな時に見つけたのが、祐天寺にあるセレクトショップ「feets」。メンズの古着や日本人デザイナーのブランド、雑貨など多様なセレクトが魅力的なお店。4、5年前に見つけて以来、日本に行くと必ずチェックしているお店の1つです。

−−どんなところが気に入っていますか?

エミール:セレクトの幅が広く、スタッフの知識も豊富で話をしているだけで楽しい。オーナーが作るオリジナルのアイウェアブランドも好みです。個人的には大きなデパートやブランドのショップよりも、各店がこだわりを持ってブランドをそろえるセレクトショップが好きなので、このお店も同じように、自分の好きなスタイルに合わせてアイテムを選ぶことができるところが気に入っています。

−−何を購入しましたか?

エミール:私自身、どんなものであっても量より質にこだわりがあります。なので、ファッションは大好きですが、たくさんの服は持っていません。シンプルなカッティング、ワイドパンツ、ミニマルな色やスタイルが好きで、ここで購入した「フジト」のワイドパンツは、いつもはいています。それからお香(アロマ)も気に入っています。

素朴で不ぞろいないとおしい備前焼のカップ

−−このカップとの出合いについて教えてください。

エミール:10年前、千葉にあるセレクトショップでこの備前焼のカップに出会いました。良質な陶土で作られる備前焼は、焼き味が不規則で、1つとして同じものがないのが魅力です。初めて手にした時、まるで地球上で長い年月を経て作られる美しい天然石のように感じました。これでいつも煎茶を飲んでいるのですが、味わいが全然違います。

−−ファッションのカテゴリーだけではない、メイドインジャパン製品の魅力とは?

エミール:日本はダイバーシティーです。たくさんの職人によって、さまざまな物が作られていて、常に新しい発見の連続。私は陶磁器、特にカップやティーポット(備前、丹波、常滑、萩、越前……)のコレクターでもありますが、掘り下げていくと伝統的な職人もいれば、革新的な試みをする職人もいることを知りました。新しいアーティストや陶芸家を見つけるのは楽しくて、とても刺激的です。

−−好きな作家はいますか?

エミール:福島の安齋賢太さんや吉田直嗣さんの黒漆の陶器が大好きです。2人とも黒田泰蔵さんに師事していましたが、今は独自の道を進み、現代の陶芸を再定義しています。日本は全国に、陶芸はもちろんのこと、それぞれの名産がありますよね。旅をすれば、必ずと言っていいほど、その土地の名産品に出会うことができます。まだ出会っていない新しい作家を探し、魅力的な陶器をたくさん見つけて「TEMPURA」でも紹介していきたいと思っています。

エミール・パシャ・ヴァレンシア
パリに拠点を置く「TEMPURA Magazine」の編集長。日本の社会問題やアンダーグラウンドカルチャーやサブカルチャーをテーマにしたメディア「TEMPURA」を2019年にスタート。設立におけるクラウドファンディングでは目標額の300%を達成した。Vol.5までを出版した。

Text Mai Okuhara
Edit Miyuki Matsui(Mo-Green)

The post 連載「ジャパンブランドのトリビア」Vol.1 ダイバーシティから生まれる“MADE IN JAPAN”の力をパリ発「TEMPURA」編集長が紐解く appeared first on TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報.

]]>