バンジャマン・デュベール Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/バンジャマン・デュベール/ Mon, 30 May 2022 02:37:58 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.3.2 https://image.tokion.jp/wp-content/uploads/2020/06/cropped-logo-square-nb-32x32.png バンジャマン・デュベール Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/バンジャマン・デュベール/ 32 32 エド・テンプルトンとバンジャマン・デュベールが作品集の発売を記念し「ブックマーク」のオンライントークイベントに登場  https://tokion.jp/2022/04/30/edtempleton-benjamindeberdt/ Sat, 30 Apr 2022 09:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=114727 現代美術家でプロスケーターでもあるエド・テンプルトンとフランス人フォトグラファー、バンジャマン・デュベールによるオンライントークイベントが「ブックマーク」で開催。

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東京・原宿の「ブックマーク(BOOKMARC)」で、現代美術家・プロスケーター元世界チャンピオンでもあるエド・テンプルトン(Ed Templeton)とフランス人フォトグラファー、バンジャマン・デュベール(Benjamin Deberdt)がそれぞれ作品集「87 DRAWINGS」(¥8,800)と写真集「TEARS IN RAIN #1」(¥4,500)の発売を記念したオンライントークイベントを5月6日に開催する。トークショーは「マーク ジェイコブス」のInstagramアカウント「@marcjacobsjapan」でライヴ配信が行われる。

モデレイターはエドとも親交のある、編集者・ライターの竹村卓と写真家の平野太呂が務める。トークは2本立てで5月6日の18:00からエド、19:00からバンジャマンがそれぞれ参加する予定だ。

エドによる「87 DRAWINGS」は、1990年から30年以上に渡って制作されたドローイングスタイルをまとめた回顧作とも言える作品集で、妻でコラボレーターでもあるディアナ・テンプルトン(Deanna Templeton)のセルフポートレートと2人が一緒に描かれたドローイングなど、よりパーソナルなドローイングが8点収録されている。また、時間軸ではなく場所に焦点を当てたとされる14点は、ヴィンテージホテルのステーショナリーに描かれている。

同書は、新型コロナウイルス感染症によるパンデミック中に構想されたもので、10代のスモーカーやパンクス、不満を抱く若者、ハンティントンビーチを特徴づける壁が描かれており、冒頭に収録された作品は、1990年当時18歳の時に描いた、ディアナのヌードスケッチでエドの北極星として存在していることを感じ取れる。

1990年代、NYのロウアーイーストに存在したアートスペース「アレッジドギャラリー(ALLEGED GALLERY)」でキュレーターを努めたアーロン・ローズ(Aaron Rose)は「他分野での活動で高い評価を得ているため見過ごされやすいのだが、事実エド・テンプルトンの作品の中心となっているのはドローイングなのだ。ペンとインクで何層にも、そしてほぼひとりでに描かれた落書きは、どんな時でもエドがアーティストとしての立ち位置として、また世界との関係性に関する自身の問題を解決するための場であった」と語っている。

バンジャマンによる「TEARS IN RAIN #1」は、1人の人間や共通の目標で結ばれたグループを通して、人生の瞬間を記録したシリーズ。同作は東京の出版社「スーパーラボ」のために特別に制作され、それぞれのテーマ、キャラクター、記録された瞬間に応じて、どう撮影したかを示すフォーマットになっている。同作にはバンジャマンにとってのスケートボード・ヒーロー、マーク・ゴンザレス(Mark Gonzales)が1999年にパリで開催した展覧会の様子も収録されている。

また、会場となる「ブックマーク」では、同日から18日までエドの作品集「87 DRAWINGS」の展覧会も開催する。

■エド・テンプルトン、バンジャマン・デュベール オンライントークイベント
日程:5月6日
会場:ブックマーク
住所:東京都渋谷区神宮前4-26-14
時間:18:00〜(エド・テンプルトン)、19:00(バンジャマン・デュベール)
入場料:無料
配信:「マークジェイコブス」公式インスタグラムアカウント
@marcjacobsjapan

※エドの作品集「87 DRAWINGS」購入者には、「ブックマーク」だけのサイン入りステッカーを、バンジャマンの「TEARS IN RAIN #1」購入者にはサイン入りポストカードをそれぞれプレゼントする。

■「87 DRAWINGS」エキシビジョン
会期:5月6〜18日
会場:ブックマーク
住所:東京都渋谷区神宮前4-26-14
時間:12:00-19:30

*Courtesy of Ed Templeton and Roberts Projects, Los Angeles, California

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目は口ほどにものをいう。写真は言語ほどに伝達する——常にクリエティブであり続ける写真家、バンジャマン https://tokion.jp/2020/12/09/benjamin-deberdt/ Wed, 09 Dec 2020 06:00:02 +0000 https://tokion.jp/?p=12931 2024年にオリンピックを控えるパリ。変わらないものと変化させないといけいないものがせめぎ合う街で、常にクリエティブであり続ける写真家バンジャマンの話。

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新型コロナウイルスが猛威を振るう現代社会においても、写真の重要性や素晴らしさは変わらない。1カットが伝える情報と記録。そして作家性とメッセージ。その中でも、スケートボードにまつわる写真とそれを撮り続ける写真家を紹介する本企画。あえて言うなら、SKATEBOARD DIASPORA。世界はさまざまなことで引き裂かれているけれど、スケートボードでつながっていることを実証したい。

今回の主人公はバンジャマン・デュベール。写真を撮り続けて30年以上。パリの街を流しているだけで、老若男女さまざまなスケーターやキッズに、“O.G.(パイセン)!”ってあいさつされるアイコンの1人。柔和な哲学者のような佇まいや、食事中に別のレストランのおすすめメニューを話し出すほどの食通な横顔など、話したいことはたくさんあるけれど、今回はスケートと写真について紹介したい。

パリのステレオタイプってなんだろう

グレーな石造りの建物。マロニエの街路樹。通り雨と青空。美しい教会の鐘の音。すてきなショーウインドーにシックな人々。エンドレスなフランス語の会話……。ヒストリカルで、芸術や文化に富んでいて、多種多様な人間がいて、いろいろなバックグラウンドを持った人々がストリートにいる……。写真家・バンジャマンも、そんな街に暮らしている1人。「フランスの家庭料理っていえばビーフシチューで、ここのビーフシチューがパリで一番だ」って食べながら、先日食べたアフリカ料理はすごくおいしかったとかって他の料理の話を持ち出すようなパリジャンらしい一面を持つ男。映画『アメリ』が好きだと言ったら、ちょっとファンタジー過ぎだよっていうところから、舞台となったモンマルトルやその丘にあるバジリカ聖堂についての歴史的見解が止まらなくなって、途中で「トゥー・マッチ、トゥー・ドゥだった」と自嘲するところなんかもパリジャンぽいところ。その反面、オーセンティックなパリの街並みを愛していて、観光名所よりパリの変わらない場所を背景に選んだり、そういったところでスケートボードという、もともとはカウンターカルチャーだったものを被写体にする柔軟でクリエイティブな目線を持っている。今ではスケートボードは、世界共通言語のようなものになってきた。けれど、それは1980年代から1990年代にはまだまだアンダーグラウンドだったパリのスケートやストリートシーンを写真家達が記録し続けてきたからこそ。特に、バンジャマンはそんなパリのストリートを代表する記録者なのだ。

今も昔も、ラボをこよなく愛すること

1990年代、東京。「渋谷のクリエイトでセレクトしちゃいましょう!」とか「青山のクロマートに20時にピック行ける?」とか「ホリウチなら中2日でアップしますけど」なんていうやりとりを写真家としていたのがついこないだだったような気がする。今はデジタル全盛の時代。フィルムで撮った写真のベタ焼きをライトテーブルに置いて、ルーペでのぞき込んで、ダーマトでセレクトしていく。そんなラボ(現像所)の“当たり前”の光景を目にすることはなくなった。新しいビルが建つと、その前までそこに何があったのか思い出せないのと同じように、ラボをベースにした写真のクリエイティブなやりとりを、誰とどのようにやっていたのか、悲しいかな、すぐに思い出すことができない。

そんな中で、バンジャマンはずっとフィルムで撮影し、アナログプリントにこだわっている写真家だ。特に、フィルム1本どころか3本、4本と撮ってもなかなかメイクできないストリートスケートの撮影においては、デジカメのほうが適している。何回だってシャッターを押せるし、なんならその場でできをチェックすることもできるからだ。バンジャマンは言う。「インスタはじめデジタルの良さもある。若い写真家やスケーターは、そういった消えていく良さをよくわかっているよね。でも、パリだと、20代のスケーター達も、記録として保管できる本や紙の大切さを再認識しているんだよ。それがまたおもしろいね」。ここがバンジャマン O.G.(パイセン)のすてきなところで、黙々と自分が良いと思ったことや活動を続けるだけで、決して次世代に押しつけることはしないのだけれど、結局、すてきなものを残すことによって、若い子達のクリエイティブの選択肢を広げることに成功してしまっているのだった。
バンジャマンが、今も昔も、ラボをこよなく愛しているところは、職人さんとのつながりも含めて、すてきだなと思う。

パーフォレーションやフレームの糸くずすらいとおしいこと

パリで、ショップに入ったら額装された写真が飾られていた。カフェの壁に写真が掛かっていた。バーの奥に写真が並んでいた。そのすべてがバンジャマンが撮り、ラボでプリントしたものだった。東京では忘れかけていたラボ。現在、パリには5つほど大きなラボがあるというが、アナログプリントをしているのはバンジャマンがひいきにし続けている「Atelier Publimod」のみ。オーナーいわく「昔は圧倒的にファッションや広告の写真が売り上げを占めていたけれど、今ではスケートやストリートの写真の現像がトップ3に入っている。そしてその大半がバンジャマンのフィルムさ」。現像を待って、コーヒー片手に雑談している間、ひっきりなしにネガを出しにくるのは、若い人達が多かった。確かに、バンジャマンとマーク・ゴンザレスの共作『LE CERCLE』なんかは、ラボでプリントした大判のバンジャマンの写真に、ゴンズが直筆で絵を描いていったもので、それは絶対に紙でないと表現できないものだ。そんなのを見せられたら、誰だって紙に焼いて残したいと思うに決まっている。 

思い出したエピソードがある。10年前くらいだったか。バンジャマンから来た紙焼き写真の黒いフレーム部分に糸くずがひょろひょろとついていた。それは狙ったものではなく、暗室でついてしまったものって感じがした。デジタルだったらレタッチしたりするのが常とう手段かもしれない。どうする? っていうこちらの問いに彼は笑うのだった。「糸くずはそのままでいいよ。自分が焼いたっていうシグネチャーみたいなものでしょ」。コントラストや構図が少しでも自分のイメージと違ってたりすると、気になってしまって一晩中考え込んでしまうというキメ細かさがある一方で、このようなユーモアもある。バンジャマンの写真は、良い意味で面倒くさいと言っていい。こだわってタイトにするところと、大胆に楽しくバルブを開け放ってしまうトゥーフェイスな部分が、まさにパリの街とリンクしている。糸くずも面倒かつこだわって焼いた自分の写真のいとおしい一部だって微笑んでしまうところがいい。

コロナ禍でロックダウンするパリ。でもクリエイティブは止まらないこと

2020年、コロナ禍のパリ。この時、私が知るストリートシーンでは、2つの印象的なできごとがあった。どちらにも、バンジャマンの存在があった。1つは、3月の最初のロックダウンの時。パリで一番ホットなプラザスポット、リパブリック周辺ではホームレスが急増し、連日100人以上の人々が食料配給のために並んでいた。ラボも何もかもがクローズしている中、バンジャマンはあることを思いついた。持病を抱え外出するのが特に危険なバンジャマンのアパートの下に、プロスケーターで作家でもあるスコット・ボーンが、入手困難となったフィルムを1本借りにやって来た。バンジャマンは、窓から彼にフィルムを入れた缶を投げて渡した。その瞬間、彼はいかにしてアナログフィルムの写真をページにできるか、また、どうすればみんなで共作することができるかを思いつく。
バンジャマンやスコット・ボーンが撮り終えたフィルムを、バンジャマンの妻マリアが買い物の途中でポールに届ける。それからプロスケーターで写真家のポールが自宅で現像をする。そして、再び、マリアがそれらを持ち帰って、バンジャマンがスキャン作業をした。そうやって、ロックダウンした街のアーティクルが日本のスケートマガジン、『Sb Skateboard Journal』に掲載されたのだった。

そして、このクリエイティブの火種は、2つ目のできごとを起こす。それは、バンジャマン、スコット、ポールをはじめ、セルゲイやジョージ、タビュといったパリのストリートでも活動する16人のアーティスト達による共同制作、“NO CONTACT SHEETS”という写真展示だ。人と直接的にコンタクトできない状況下を、フィルムロールでバトンリレーして写真に記録するという試み。これは、写真家とかスケーターとかっていう、日々、何かにとらわれることより何かをひねり出すことを続けてきた人間達だからこそのクリエイションだと思う。自分達が信じたもの。自分達が好きなもの。そこから生み出すポジティブな姿勢。クリエイティブな活動。確かにコロナ禍で不安定な情勢は続いている。それなのに待ったなしで迫ってくるオリンピックといった世界的イベント。今や、街じゃなくて、人のほうこそ強制的な変化を求められている。そういう時に、バンジャマンは発見した。というより確信したに違いない。時代遅れ? と思われがちなアナログなフィルムと手段が、実はいついかなる時でも、クリエイティブでポジティブなものを作り出せるということを。なんていうのか、バンジャマンがやっていることは、インスタントなんかじゃなくて、1年後も5年後も同じ本質的なことを言ったり、やったりして、そのくせ「トゥー・マッチ、トゥー・ドゥだった」と微笑んでいるようなものだと思う。

今はパリだけでなく、東京もロンドンもニューヨークもどこだって、大変な状況だ。だけど、バンジャマンの粛々とクリエイティブであり続ける、そのポジティブな写真という記録は、ちょっと離れている場所で編集作業に明け暮れる自分にとっても良い影響を及ぼしてくれてる。彼は、今をときめくバキバキの新しいことや大仕掛けなことをする写真家ではなく、オーセンティックなタイプの写真家であり記録者である。そして、尊大ぶらない、ストリートの誰にとってもすてきなパイセンである。そんなところがまたすごくいい。

『LE CERCLE』 ©Benjamin Deberdt
スケーターズ・スケーターで、アーティストとしても著名なマーク・ゴンザレス。彼がパリで行っていたアートワーク活動を、バンジャマンが密着、フィルムに収めた。その大判プリントに、マーク・ゴンザレスが直接、絵を描いた共同作品集。実際に会った時に感じたシリアスでナーバス、つかみどころがないマーク・ゴンザレスと、粛々とクリエイティブな作業を続けることができるのもバンジャマンらしさ。

『THIS WAS JUST NOW』 ©Benjamin Deberdt
情勢面、体調面、家庭や環境面などなど、どんな状況下にあっても、クリエイティブであり続けること。それがバンジャマンの信条。日々における多くの写真撮影やWEBマガジンの運営といった、パブリシティな活動をする一方で、私的な作品集シリーズ『THIS WAS JUST NOW』を定期的に発表している。現在は、かつてのニューヨークシティへの撮影旅行を基にした写真集を制作中。今は亡きキース・ハフナゲルなどの貴重なカットもある。

バンジャマン・デュベール
パリ在住の写真家。フィルム写真のアナログ・プリントにこだわり、街のラボをこよなく愛する。それと同時に、WEBメディアとして『LIVE SKATEBOARD MEDIA』を手掛けるスケートボード・エディターとして、盛り上がり続けるパリのスケートボードシーンを記録している。
Instagram:@benjamin_deberdt_photography

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