阿刀“DA”大志, Author at TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報 https://tokion.jp/author/daishi-ato/ Mon, 12 Feb 2024 04:22:07 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.3.2 https://image.tokion.jp/wp-content/uploads/2020/06/cropped-logo-square-nb-32x32.png 阿刀“DA”大志, Author at TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報 https://tokion.jp/author/daishi-ato/ 32 32 世界が注目する“HARAJUKU CORE”ガールズメタルバンド「花冷え。」インタビュー後編 日本のカルチャーをミックスした「カオス」な音楽 https://tokion.jp/2024/02/08/harajuku-core-hanabie-vol2/ Thu, 08 Feb 2024 09:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=223225 2023年1月に発表のシングル曲「お先に失礼します。」で一躍有名になったガールズバンドの「花冷え。」。インタビュー後編では、海外ツアーのエピソードや新曲に込めた想いなどを聞いた。

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花冷え。のメンバー。左からヘッツ(Ba.&Cho.)、マツリ(Gt.&Vo.)、ユキナ(Vo.)、チカ(Dr.)。オフィシャル写真より

花冷え。
2015年結成のガールズメタルバンド。ユキナ(Vo.)、マツリ(Gt.&Vo.)、ヘッツ(Ba.&Cho.)、チカ(Dr.)の4人組。激しいメタルロックのサウンドに、日本のサブカルチャーや価値観を詰め込んだ歌詞やビジュアルで注目を集める。元々は中学・高校の同級生であるユキナ、マツリ、ヘッツを含む4人で活動開始したが、ドラマーのメンバーチェンジにより23年5月にチカが加入。同年7月、ソニーミュージックレーベルズ エピックレコードジャパンからメジャーデビューを果たし、デビューアルバム『来世は偉人!』を発表する。海外ツアーやフェス出演、ワンマンライヴなどを精力的にこなす。24年1月19日には新曲「O・TA・KUラブリー伝説」をリリース。
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日本から世界に進出したバンドは数あれど、世界でも売れるバンドの共通点は“日本らしさ”をふんだんに盛り込んでいることではないだろうか。今、“HARAJUKU CORE”という新ジャンルを確立し、欧米を中心にメタルキッズ達から熱狂的な支持を得る日本のガールズバンドがいる。ユキナ(Vo.)、マツリ(Gt.&Vo.)、ヘッツ(Ba.&Cho.)、チカ(Dr.)の4人組による「花冷え。」だ。

今や飛ぶ鳥を落とす勢いの花冷え。のユキナとマツリにインタビュー。前編では、バンド結成までの経緯や高校時代に通ったライヴハウスでのエピソード、スタイル確立までの試行錯誤を語ってもらったが、後編では海外ツアー中のエピソードや新曲「O・TA・KUラブリー伝説」に込めた想い、今後の意気込みなどを聞いた。

前編はこちら

“HARAJUKU CORE”の名付け親は海外ファン

——花冷え。はあっという間に海外での活動があたりまえの状況になってきていますけど、海外へ行きたいという気持ちは以前からあったんですか。

ユキナ:いやー、それが頭になかったんですよ。

マツリ:そこまで考えられていなかった、っていうのが近いかもしれないですね。だから今回も、「行けんだ!?」みたいな(笑)。「海外の人にも刺さるんだ!?」って。

ユキナ:歌詞も日本語ばかりなので。今回の海外ツアーでも日本語の歌詞なのにみんな歌ってくれるんですよね。

マツリ:しかもみんな上手いんだよね(笑)。

——「海外に行けるんだ!」ってなったのもここ1年ぐらいの話ですもんね。

ユキナ:そうですね。コロナ禍でだいぶ活動が制限されていた頃、「我甘党」という曲のMVのコメント欄にかなり英語が増えて、「海外に行けたらいいけど、どうやって行くんだろう?」っていう気持ちではずっといたんですけど。

マツリ:海外のチャートに入る機会が増えたのも「我甘党」の頃だったと思います。「この国はどの辺にあるんだ……?」みたいなところまで自分達の曲が広がっているのをその時に実感しました。

——花冷え。の音楽を“HARAJUKU CORE”と名付けたのは海外のファンだそうで。

マツリ:お客さんがコメントで「これは新しいジャンルだ! “HARAJUKU CORE”だ!」って名付けてくれて、「めっちゃぴったりじゃん!」と思っていろいろな場面で拝借してます(笑)。

ユキナ:花冷え。って人に説明するのが難しいバンドだから、そのコメントを見た時に「これだ!」ってなったよね。

マツリ:なったね。海外では全部メタルになってしまうから、“HARAJUKU CORE”っていいワードだなと思いました。

——その頃は自分達の音楽を「メタル」のひと言でくくられることに違和感があったんですか。

マツリ:いや、私達の音楽の場合、メタルだと思って聴くと「あれ!?」ってなると思うんですよ(笑)。だから、新しいことをやっているっていうことだけでも伝われば興味を持ってもらえるだろうし、新しいメタルのスタイルとしてこういうのもあるんだって思ってもらえたら嬉しかったので、メタルでくくられるのが嫌っていうよりもカオスなことをやってるのが伝わってほしいっていう感じでしたね。

——そして、そこから紆余曲折を経てメジャーデビューを果たし、去年初めてワンマンライヴと東名阪ツアーを行いました。

ユキナ:ワンマンはやるタイミングを失い続けて、「やるならバンとやろう!」って思いながら去年まで一度もできなくて。

マツリ:ワンマンは温め過ぎたんだよね。「やるならこのタイミング!」「いや、ここだ!」って先延ばしにしているうちにメジャーデビューが決まって、いいタイミングだからっていうことで結成8周年で初めてやりました。

ライヴ三昧の海外ツアー

——そして、ワンマンやメジャーデビューの感慨に浸る間もなく、いきなり大規模な海外ツアーへ。しかも、想像以上にたくさんのお客さんがやってくるという。

ユキナ:今思うとびっくりだよね。

マツリ:本当に! 「待ってたよ」感が本当にすごかったんですよ。みんな、すごく温かかったし、今思うとライヴ中はすごく不思議な感覚でした。初めて行く国ばっかりな状況でライヴをして、たくさんの人が来てくれて、「すごいことをしてるな」って。

ユキナ:今、日本に帰ってきてから振り返ると、本当にすごい時間だったなってしみじみ思います。行く前はけっこう構えてしまっていたんですよね。英語ができないから英語の勉強もしてて、「どうやって英語で想いを伝えたらいいんだろう……?」とか一生懸命考えてたんですけど、いざ現地でライヴをやってみたら「言葉が通じなくても伝わるものがあるんだな」と思いました。

——ユキナさんは英会話教室に通ってましたよね。

ユキナ:通っていました、泣きながら(笑)。

——通った意味はありました?

ユキナ:……ここは「すごくあった」って言いたいところなんですけど(笑)、言葉以上にパッションが大事だなと思いました。

——結局、現場でのやりとりなんですね。

ユキナ:もちろん、流ちょうに英語が話せるようになったらもっと世界は広がるし、また違ったステージにも上がれると思うんですけど。

マツリ:意外と伝わるんだよね。リハーサルとか普段の会話でも、みんなこっちが伝えたいことをくみ取ってくれたり、どこの国の人も温かいなと思いました。

——でも、リハでの音づくりなんてすごくシビアだろうから、ちゃんと意志の疎通ができないと大変じゃないですか?

マツリ:そうですね。だから、知ってるワードを駆使して、身振り手振りで「ここの音はカットしたい」とか伝えて。意外と伝わったよね?

ユキナ:うん。ヨーロッパはヨーロッパ在住のPAさんにお願いして一緒にツアーを回ってもらったんですけど、すごいノリノリでやってくれました。

マツリ:曲をすごく聴き込んできてくれて、リハでも「この曲のここの部分を調整したいからもう1回やってくれ」とか言ってくれたり本当に熱心で、そのおかげで4公演目くらいにはバンドの音がまとまったんですよ。ヨーロッパはすごくいいPAさんに出会えましたね。

——アメリカツアーはどうでした?

マツリ:アメリカは公演数がヨーロッパよりも多くて。

ユキナ:毎日のスケジュールも、寝る、起きる、リハ、ライヴの繰り返しで。

マツリ:だから、途中から自分がどこにいるのかちゃんと確認しないとわからなくなっちゃって。しかも、バンド史上初めて6日連続でライヴをやったんですよ。

——しかも海外で。

マツリ:その上、どの会場もすごく暑くて、エアコンが効いてるはずなのにライヴが始まるとなぜかサウナみたいになっちゃって。

ユキナ:そのおかげで暑さ耐性ついたよね(笑)。

マツリ:どれだけ暑くてもライヴできる自信がある(笑)。

ユキナ:もう、空気がなさ過ぎて意識が吹っ飛びそうになった。

マツリ:そういう意味では、メンバー全員、ライヴ中に何かアクシデントが起こっても焦らないようにはなったかもしれない。

——そうやって海外で経験を積んだことは曲づくりに影響を与えていますか。

マツリ:とても与えていますね。メジャーデビューアルバム『来世は偉人!』は自分の中ではコンセプトアルバムという感じでピコピコ感とかキラキラ感を全曲多めにしたし、それも花冷え。の軸の1つとして今後も続けるんですけど、そういうしっかりした軸をもう2つとか3つぐらい欲しいなと思っていたんですよ。そんな中で、海外に行ってみて、「こういうジャンルを混ぜてみたらおもしろそうだな」とか、「テンポが速い曲が多過ぎるからもっと落としてみるか」とか、「チューニングを変えてみようかな」とか、次のアルバムに向けたアイデアがポンポン出てきて、そのたびにメモしていました。

ユキナ:メンバーでも話し合ったしね。

マツリ:そう、この間のツアーでは「こういうことをやりたい」っていう私の考えを伝えて、メンバーがやりたいことも聞いて、次のアルバムにどういう曲を入れるかという4人の意見をまとめたので、それに沿ってこれから制作が始まります。

——世界を回る中で新たな武器の素材を集めて、それをもって次の作品へと向かうんですね。

マツリ:ツアー中にホテルでつくった曲もあるので、それもまた違った感じに聞こえるんじゃないかと思います。

ユキナ:対バン相手からの影響もすごくありましたね。アメリカはドロップアウト・キングとフォックス・レイクと一緒に回るターンと、ギャラクティック・エンパイアと回るターンがあったんですが、同じバンドとずっと一緒にツアーを回ることは初めてだったので、めっちゃ楽しかったです。

マツリ:めっちゃ楽しかったよね。

ユキナ:一緒にいるうちにどんどんグルーヴが高まって、最後はすごく寂しくて。

マツリ:めっちゃ寂しかったけど、みんなカッコよくて、「これが最後なわけないじゃん。またすぐ会えるよ」って言ってくれたんですよ。

ユキナ:私はもうボロボロ泣いて(笑)。「この人達がいたから駆け抜けられた」って。

マツリ:バンドと別れたあと、ゴリッゴリのハードコアを聴きながら隣でユキナがめっちゃ泣いてて、「シュールだな」と思いました(笑)。

ユキナ:彼等のライヴを観ることで毎日気合が入っていたんですよ。

マツリ:どのバンドもラストの私達までつなげるためにライヴをしてくれているのがすごく伝わってきたので、最後はけっこうグッと来ましたね。

ユキナ:いつか日本にも呼びたいですね。

マツリ:それは絶対にやろうと思っています。日本のキッズとかバンド好きなお客さんにも絶対刺さると思うから。

ついに堂々と“オタク”を掲げた花冷え。

——今回リリースされる新曲「O・TA・KUラブリー伝説」はツアー中につくった曲ですか?

マツリ:海外へ行く直前につくった曲なんですけど、ピコピコ系の曲はこれで少しの間お休みにしようと思っています。なので、これまでに出したピコピコ系の曲以上にやりたい放題やりました。新しいところでいうと、AIの音声が入っていたりしてちょっと2.5次元を狙った曲になっています。

——英語のナレーションの部分ですか? 全然気付かなかった。

マツリ:そうです。AIの音声に喋らせて、途中からユキナの声をかぶせることで2.5次元ぽくなるっていう、ちょっと最新感がある曲になっています。

ユキナ:私的には、今回のツアーを経て「日本のカルチャーってこんなにウケてるんだ!」と思って。もちろん、情報としては知っていたけど、どこの国に行ってもみんなが「日本のアニメのこれが好き」「ポケモンが好き」って直接言ってくれるのがすごく嬉しくて。それでこのようなテーマの歌詞にしました。

——これまでの曲にもちりばめられていたけど、ついに堂々とオタクを掲げたという。

マツリ:オタクのことしか語られていない歌詞ですね。

——「セーラームーン」的なものも感じました。

マツリ:メンバーみんなそういうアニメが好きだったりするので、キラキラ感は入れました。

ユキナ:これまでとはちょっと違った、花冷え。にしかできない曲になったと思います。

——オタクを掲げられるバンドってなかなかいないですからね。そこも花冷え。の他のバンドとは違う特徴というか。ほかのバンドにも「実はアニメが好きで」という人はいるんでしょうけど、それを自分達の音楽にまでストレートに反映させることってなかなかできないと思うんですよ。だけど、花冷え。はそうじゃなくて、自分達の中にあるもの、生き様をすべて見せていくというパンク魂もある。そういう意味で「O・TA・KUラブリー伝説」はすがすがしいんですよね。

ユキナ:確かにすがすがしいですね(笑)。ストレートにありのままを提示したというか。

マツリ:そうだね。「自分達もオタクだから自信を持ってオタクについて語ってもいいだろう!」と(笑)。

ユキナ:そして、「世界にはこんなにオタクがいるんだ、実際に見てきたぞ!」と(笑)。

マツリ:そういうところがおもしろいんじゃないかと思いますね。オタクの人が聴けば「うん、わかる!」ってなると思うし、オタクじゃない人もこれを聴いて「オタクってなんかいいな」って思ってくれたら嬉しいですね。

——そんな想いが込められていたとは。

マツリ:今やオタクというのはライトなものになっている気がするんです。「電車で隣に座っているきれいなお姉さんもどうせオタクだからな!」っていう世の中になってきているから、今は堂々とオタクだって言っていい世の中なんだよっていうことが伝わったらいいなと思います。

ユキナ:「ラブリー」って英語で「すてき」っていう意味もあるじゃないですか。だから、「オタクってすてきやん」みたいな。

マツリ:「オタクでいるのは全然恥じることじゃないよ」っていうことをオタク本人から言えればなと(笑)。

——では、2024年はどんな1年にしたいですか。

ユキナ:2023年は世界中で吸収するものがたくさんあったので、それを2024年にフル活用して大放出したいですね。それはライヴにせよ、曲にせよ。あと、日本もツアーでしっかり回って、海外でもフェスがあるので、たくさん活動していきたいと思います。

マツリ:楽曲面に関しても、2023年はピコピコ感やキラキラ感を特に意識して制作していましたが、2024年はまた新たな花冷え。の一面を見せたいと思っているので、そういう部分がチラッと出てくるんじゃないかなと。

——最後に1つ聞かせてください。日本のアーティストの海外進出についてこれまでは、バンドなら先にちゃんと国内を回ってから世界へ行くべきだとか、海外のマーケットを狙うなら英詞の曲を出さなきゃいけない、みたいことを長年にわたって言われ続けてきたと思うんですけど、花冷え。はそういった“常識”をすべてぶち壊したと思うんです。皆さんのような立場から、これから世界に出ていきたいバンドにアドバイスというか、今の時代ならではの世界進出のやり方について何か言えることはありますか。

ユキナ:国によって見れる見れないはあるかもしれないですけど、YouTubeやSNSを通じてこんなに自分達の音楽は広がるんだと思ったし、それがあったからこそ日本語にもかかわらず私達の曲を歌ってくれたり、初めて行く国でも熱狂してくれたと思うので、音楽だけじゃなく、視覚に訴えかけるようなSNSの使い方も大事かなと思います。

マツリ:歌詞にあまり英語がない私達が海外へツアーに行った時に、ライヴで散々遊びまくって満足して帰ってくれるお客さんがたくさんいたから、もっと前から海外に行ってみてもよかったのかもって思ったんですよね。今思うと、私達は必要以上にビビってたなって。海外でライヴを組むとなると、交通費とかいろいろ経費がかかったりしてそう簡単にはいかないから無責任なことは言えないですが、少しでもバンド的に行きたい気持ちがあるなら行ってもいいと思いますね。

たとえ海外で知られていなくても、ヨーロッパやアメリカにはフラッとライヴハウスに遊びに行く文化があるし、タクシーでもはやりの曲だけじゃなくて、運転手さんの趣味でマイナーだけど超カッコいい曲が流れていたりして、音楽を日常的に聴いている人がすごく多いと思ったんですよ。だから、自分達から動いて見つけてもらいに行くのもアリだなってすごく思います。

Photography Hamanaka Yoshitake

■花冷え。「O・TA・KUラブリー伝説」配信先

■花冷え。メジャーデビューアルバム『来世は偉人!』特設サイト

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世界が注目する“HARAJUKU CORE”ガールズメタルバンド「花冷え。」インタビュー前編 すべては女子高軽音部から始まった https://tokion.jp/2024/01/31/harajuku-core-hanabie-vol1/ Wed, 31 Jan 2024 09:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=222723 2023年1月に発表のシングル曲「お先に失礼します。」で一躍有名になったガールズバンドの「花冷え。」。インタビュー前編では、結成秘話やスタイル確立までのもがきを聞いた。

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花冷え。
2015年結成のガールズメタルバンド。ユキナ(Vo.)、マツリ(Gt.Vo.)、ヘッツ(Ba.&Cho.)、チカ(Dr.)の4人組。激しいメタルロックのサウンドに、日本のサブカルチャーや価値観を詰め込んだ歌詞やビジュアルで注目を集める。元々は中学・高校の同級生であるユキナ、マツリ、ヘッツを含む4人で活動開始したが、ドラマーのメンバーチェンジにより23年5月にチカが加入。同年7月、ソニーミュージックレーベルズ エピックレコードジャパンからメジャーデビューを果たし、デビューアルバム『来世は偉人!」を発表する。海外ツアーやフェス出演、ワンマンライブなどを精力的にこなす。24年1月19日には新曲「O・TA・KUラブリー伝説」をリリース。
https://hanabie.jp
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日本から世界に進出したバンドは数あれど、世界でも売れるバンドの共通点は“日本らしさ”をふんだんに盛り込んでいることではないだろうか。今、“HARAJUKU CORE”という新ジャンルを確立し、欧米を中心にメタルキッズ達から熱狂的な支持を得る日本のガールズバンドがいる。ユキナ(Vo.)、マツリ(Gt.&Vo.)、ヘッツ(Ba.&Cho.)、チカ(Dr.)の4人組による「花冷え。」だ。

彼女達を一躍有名にしたのは、2023年1月に発表したシングル曲「お先に失礼します。」。エピックレコードジャパンからメジャーデビューする約半年前にYouTubeに公開したミュージックビデオは、現在までに550万回以上の再生数を記録し、そのコメント欄は海外ファンからの英語コメントであふれている。原宿のデコラファッションを思わせるカラフルな衣装に身を包み、ユキナはアニメのようなキュートボイスと激しいデスボイスを使い分けながら、演奏陣は疾走感のあるメロディーやヘビーなリズム&サウンドを奏でる。このギャップこそが彼女達のパフォーマンススタイルだ。

メジャーデビュー後は初のワンマンツアーのみならず、フェス出演、海外ツアーを果たすなど、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの花冷え。にインタビュー。前編ではユキナとマツリが結成秘話やスタイル確立までのもがきなどを答えてくれた。

——去年1年、すさまじい活躍っぷりでしたね。

ユキナ:本当に想像を絶するというか。もちろん、「海外に行くぞ!」という気持ちはありましたが、とにかく目の前のライヴを思いっきりこなしてこなしてこなしていく1年でした。

マツリ:気持ち的には目の前のことに取り組むって感じだったんですけど、バンド的に初めての経験ばかりだったので、とても大きなターニングポイントになったと思います。

——メンバーチェンジ、初のフェス出演、初のワンマンライヴ、初の東名阪ツアー、メジャーデビュー、初の海外ツアー、以上すべてが去年1年の出来事です。特に、初の国内ツアーと初の海外ツアーを1年の間に経験したバンドは過去にいないと思いますよ。でも、はたからはとんでもない1年を過ごしてるように見えていたけど、本人達的には目の前のことに必死でそこまで客観的に見れていなかったりするんですか。

マツリ:落ち着けるタイミングがあまりなくて、とにかく目の前のことを毎日やる、みたいな感じでしたね。

ユキナ:1つひとつの出来事は濃過ぎるのに過ぎるのはあっという間で、これをずっと続けていきたいと思ったし、やりたいことはまだまだいっぱいありますね。だから、感謝もありつつ、この先の活動に対する想いもどんどんあふれ出てきています。

——1年前にはまだシングル曲「お先に失礼します。」が世に出ていないっていうのが信じられないですよ。

マツリ:本当ですよね! 私もそれは先日思いました。「今、YouTubeの再生回数はどうなってんだろう」と思って確認した時に、「そんなに前のことじゃないんだ……」って自分でもびっくりしましたね。

——体内カレンダーが完全にバグってる。

マツリ:バグってる(笑)。

ユキナ:いや、本当に。

ライバル心を燃やした高校軽音部時代

——さて、花冷え。は今回が「TOKION」初登場ということで、結成の経緯からお聞きしたいと思います。まず、花冷え。は高校の軽音楽部で結成されたということですが。

ユキナ:中高一貫校なので中学校からマツリとベースのヘッツとは同級生なんですけど、軽音部は高校にしかなかったんです。それで私とヘッツは一緒に軽音部に入ろうっていう話はしていて、当時はまだそこまで話したことのなかったマツリも激しい音楽が好きっていうことをうわさで聞いていたので、「そういう音楽好きなの? 何聴いてるの?」みたいな感じで話しかけたんです。

マツリ:私はもともと、花冷え。の最初のドラムととても仲がよくて、その子はもともと吹奏楽部で私もバンドが好きではあったんですけど、「軽音部行くか……」ぐらいのテンションで、「入るぞー!」みたいな意気込みはなかったんですよ。ユキナが話しかけてくれたのはそんなタイミングで、「同じ趣味の子もけっこういるのかもな」と思って体験入部に参加しました。

ユキナ:マツリはすでにギターを触っていたし、激しい音楽も好きみたいだったから、「この子は絶対に入れたほうがいい!」と思っていました。しかもマツリはクラスのまとめ役というかリーダー的な存在で、バンドもまとめてくれそうだったので。

——そんなマツリさんとは反対に、ユキナさんはそこまで明るいタイプではなく、どちらかというと陰キャ寄りの性格だったんですよね?

ユキナ:そうですね。ヘッツと私は中学の時は美術部で、教室の端っこで絵を描いていましたね。マツリは運動部でクラスのまとめ役。

——じゃあ、最初に声をかけるときはけっこう勇気を振り絞ったんじゃないですか。

マツリ:けっこう自然だったよね? たしか、廊下ですれ違ったときに「重ためなバンド好きなの?」みたいに話しかけてくれて、そこで話しているうちに私もユキナのことを詳しく知って、それから一緒にライヴに遊びに行ったりするようになったんですよね。

ユキナ:一緒にフェスに行ったりもしたし、2人で転がってました。

マツリ:「ディッキーズ」履いてね(笑)。

——廊下ですれ違いざまに声をかけるって、まるでアニメじゃないですか。

マツリ:確かに今思うとアニメっぽいですね(笑)。その場面だけはめっちゃ覚えてる。

ユキナ:私は覚えてなかった(笑)。

マツリ:中学の時の部活の違いとかもあって本当に話をしていなかったので、最初は「なんで私?」って思ったんですよ。「しかも、なんでバンド好きなの知ってるんだろう?」って。

ユキナ:でも、マツリはバンドのタオルを体育の時によく持って来ていたし、周りの子も「なんか好きらしいよ」って言っていたんですよ。

——激しい音楽をやりたいというのはユキナさんのなかで最初から決まっていたんですか。

ユキナ:できるかどうかはわからなかったのですが、激しい音楽が好きっていう共通点があるなら絶対おもしろくなるだろうなと思っていました。

——そして、その具体的な共通点の1つがマキシマム ザ ホルモンだった。

ユキナ:はい。

——そのほかに当時2人で盛り上がっていたバンドは?

マツリ:BABYMETALは2人ともよく聴いてて、「好きなのー!」ってなってたよね?

ユキナ:そうだねえ。

マツリ:あとはパンク/メロコア系の音楽も好きで、当時はグッフォー(GOOD4NOTHING)やSHANKが好きだったり。

ユキナ:あとはdustboxとかELLEGARDENとか。

——そうして花冷え。がスタートするわけですが、最初はコピーをやっていたんですよね。どの辺りのバンドをコピーしていたんですか。

マツリ:最初はSCANDALじゃない? それかDOES。

——へぇ~!

ユキナ:部室に置いてあった先輩達からのお下がりのスコアを一生懸命あさって(笑)。

マツリ:そこから弾けそうなヤツを探して。

——そうやって技術を高めていって、「そろそろホルモンのコピーをしたいぞ」と。

ユキナ:本当は最初にホルモンをやろうとしたんですけど先輩に止められて(笑)。「基礎を学びなさい」と。

マツリ:だから、ホルモンのコピーをしたのはみんなが慣れ始めてからだよね。

ホルモンで最初にコピーしたのは?

ユキナ&マツリ:(即答で)「絶望ビリー」ですね。

——どの曲をコピーしたかってそんなにすぐ思い出せるものなんですね。

マツリ:ああ、確かに! 

ユキナ:けっこう鮮明に覚えてます(笑)。

——そのほかにコピーしていたのは?

マツリ:(ELLEGARDENの)「ジターバグ」。ブルエン(BLUE ENCOUNT)もやってたし。

ユキナ:あと、FLiPっていうガールズバンドの「カートニアゴ」って曲とか、WHITE ASH。

マツリ:ああ、やった! WHITE ASHはめっちゃ好きでした。

ユキナ:ゼブラヘッドもやったよね。

マツリ:これは私がスコアを持って行って、「これ、やんない?」って(笑)。

——ゼブラヘッドのスコアなんてあるんですね。

マツリ:あるんですよ! 今も実家に置いてあります(笑)。

——当時からドラムは変わっていますけど、メンバーの関係性って今も変わらないものなんですか。

マツリ:みんな大人になっていってるから多少は変わっていますけど、基本的にはあまり変わらない気がしますね。

ユキナ:ヘッツも変わらないですね。

マツリ:でも、ヘッツはより宇宙に近づいていってる。

——より開放されていってる?

マツリ:はい、より開放されていってます(笑)。

——話を聞いていて思ったんですけど、花冷え。にとって、女子校という環境はけっこう大きかったりしますか。

ユキナ&マツリ:大きかったと思います。

マツリ:男女いれば混合のバンドが生まれたりしていたと思うんですけど、ガールズバンドだったからか部内の女性特有のバチバチ感が異常だったんですよ。「みんなぶっつぶしてやる!」ぐらいの勢いで(笑)。

——自分達の周りのバンドに対して

マツリ:はい。当然周りはみんなガールズバンドで私達以外にも負けず嫌いな女の子が多かったので、それが相乗効果を生んですごくよかったです。みんなバンドだけに集中してたし。

ユキナ:モチベーションが違ったよね。

マツリ:だって、みんな恋愛とかしてなかったじゃん! 周りにいないから(笑)。

ユキナ:先生にも、「なんで私達はもっとこうやりたいのにやらせてくれないんですか!」ってかみついたり。

——具体的には?

マツリ:うちの高校は校外でライヴするのが禁止だったんですよ。危ないしお酒が出る場所だから「未成年はダメ」って。今思うと「そりゃそうだよな」って感じなのですが(笑)、私達は「ライヴハウスでやりたいんだよ!」って、ライヴハウスまで親についてきてもらうから出てもいいかって学校と交渉したり。

ユキナ:いろんな先生にハンコもらいに行ってね(笑)。

——本当にそんなハンコってあるんですね。

ユキナ:書類にちゃんとハンコの枠があって、担任、指導部主任、副校長、校長って。そうしてるうちに応援してくれる先生も出てきて。

——周りのバンドと競い合ってるうちに、「オリジナル曲をつくらなきゃ!」という気持ちになっていくんですか。

マツリ:それもありましたね。部内のほかのバンドがオリジナルを先につくってたんですよ。それで「やっべ! マジか!」ってなってつくり始めたり(笑)。あと、私達は高校生のコンテストに出場したのですが、そういうところに出るようなバンドはオリジナル曲を持っているバンドが多かったので、「そろそろつくんなきゃね」って。

——花冷え。ってほかのバンドと同じことをやりたくないという意識がものすごく強いバンドじゃないですか。それって高校時代から続いているものなんですか。

ユキナ:確かにそうですね……(笑)。花冷え。っていうバンド名もほかとカブりたくなかったからですね。

マツリ:当時は英語のバンド名が周りに多かったんですよね。

——たしかに、「花冷え。」という名前は強烈です。「高校生が付ける名前か?」っていう

ユキナ:当時のドラムがけっこう頭がよかったので、彼女がその言葉を探してくれて。

マツリ:しかも、そのドラムも死ぬほど負けず嫌いで、絶対誰ともカブりたくないタイプだったんですよね(笑)。

——そして、花冷え。は新宿アンチノックを中心にライヴハウスで日々もまれていきます。

マツリ:学校終わりに制服でダッシュしてアンチノックへ向かってました(笑)。

ユキナ:物販を入れたキャリーケースを朝の登校のときからガラガラと持って行って、先生にバレないように教室の端っこに置いておいて、学校が終わったらまたガラガラガラ……(笑)。

マツリ:私はアンプヘッドとエフェクターボードを合体させてカートにくくりつけてたから、先生から何回も「お前、それはなんだ」って言われたり(笑)。ヘッツもボードが大きかったから3人とも大荷物でガラガラガラガラ(笑)。ライヴがある日はそうしていましたね。

——そして、放課後にあのアンチノックの階段を下りて行くと。

マツリ:初めてアンチに出た時、めっちゃ怖かったよね。

ユキナ:怖かった。

マツリ:アンチの入り口って暗いし、なんかヤバいじゃないですか(笑)。だから、「誰から先に下りる……?」みたいな(笑)。

——あはは!

ユキナ:「先行ってよ!」。

マツリ:「行けよ!」みたいな(笑)。

——あのライヴハウスは階段の上から中の様子がうかがえないですからね。

マツリ:そうなんですよ。入ってみたらみんなフレンドリーで超優しいんですけど、最初はビビってましたね。

——現場で学ぶことは多かったですか。

マツリ:いやー、ほとんど現場で学びました。先輩も含めてすごく恵まれてて、「打ち上げはこうこなせ」とかそういうところまで教えてくれる人がめちゃくちゃ多くて、すごい勉強になったよね。

ユキナ:マツリはギターの音づくりをいろいろな人に聞きまくってね。

マツリ:みんな本当に優しいから、使っていない機材を使わせてくれたりしたんですよ。バイトをしていたとはいえ、機材をポンと買えるほどお金は貯まっていなかったので本当にありがたかったです。

——女子高生でアンチに出るバンドなんてほかにいなかっただろうから、みんなかわいかったんでしょうね。なんとかこの子達を成長させたい、みたいな。

マツリ:すごくかわいがってもらっていたよね。

ユキナ:うん、本当に。

——親戚のおじちゃんみたいな(笑)。

マツリ:あはは! でも、久しぶりに会うと本当に親戚のおじちゃんみたいなテンションで「おお、元気にしてるか!」って言ってくれます(笑)。

ユキナ:私達の活動も見てくれていて、「あれ、よかったじゃん!」とか感想を言ってくれたり。

マツリ:「体壊すなよ」とかみんなそんな感じで(笑)。アンチってすごくファミリー感がある会場だと思います。

音楽とビジュアルの転換期

——いい話ですね。花冷え。はメタルコアバンドらしからぬカラフルな衣装も特徴だと思います。これはヘッツさんを中心に作られているものですけど、その感覚はどうやって培われていったんですか。

マツリ:最初は普通の服着てたよね?

ユキナ:そう、男性のバンドにもっと馴染もうとしてたんです。

マツリ:当時は「ナメられたくない」と思って。当時のメタルコア界隈は黒スキニーが本当に多かったんですよ。黒スキニーに白Tを着て、「笑顔も見せない!」みたいな。頑張ってそういうキャラクターにしようとしていた時期がありました。

——頑張ってシーンに馴染もうとしていたんですね。

ユキナ:そうです。私なんて、公園でヘッツに白いTシャツを持ってもらって、そこに赤い絵の具をぶちまけて血だらけみたいにしたり(笑)。そうやって馴染もうとしていたんですけど、どこかで「これは違うな」って。

マツリ:「私達がやりたい曲と合ってないかも」ってなってきて、しかも当時は似たようなキャラクターのバンドも多かったので、もっと違うことをしてもいいんじゃないかっていう話になって、そこからガラッと変えました。

ユキナ:メンバーみんなアニメとかサンリオみたいなかわいいキャラクターが好きなので、そういうものを前面に出したほうがギャップが出るしおもしろいんじゃないかっていう思考になっていて。ヘッツの髪もどんどん明るくなっていきました(笑)。

マツリ:ヘッツはすごかったよね。高校の卒業式当日にはもう髪染めてきてて。今のバンド内の空気的にも私達は何をしてもOKなんですよ。

ユキナ:好きな道をストレートに突き進む、みたいな。それが衣装にもどんどん出始めたのかなと思っています。

——それが自分達の自然な姿だし、バンドのオリジナリティーにもつながっていくということに徐々に気付いていったと。

マツリ:そうですね。「好きな服、好きな色、好きなキラキラ感で全然いいな!」って。でも、そこにたどり着くまでに何段階かありましたね。

——今のスタイルになったのはいつぐらいの時期だったんですか。

ユキナ:ハタチとか?

マツリ:シングル曲「L.C.G」(2019年11月発表)を出したぐらいで「もうカラフルでいいんじゃない?」ってなった気がします。ヘッツの髪が紫になったり、私も金髪にしたり、その辺から徐々に変わっていきました。

——「L.C.G」は音楽的にもそうですけど、ビジュアル面でも大きな転換期だったんですね。

ユキナ:あそこは一番の節目ですね。

——今の花冷え。の快進撃を支えているものの1つとしてSNSの使い方の上手さもあると思っていて。花冷え。はけっこう前から積極的にSNSを使っていますよね。

マツリ:使ってますね。

——それは好きでやってたところもある?

ユキナ:いや、やったほうがいいって先輩から言われて。「せっかく女子4人でやってるんだから、写真とかもっとばんばん上げたら? 見てる人は絶対に嬉しいと思う」って言ってもらって、たしかにもっと更新すればいろんな人に届きやすいなと思って、ライヴがある時なんかに上げるようにしていますね。

マツリ:最初の頃は、アカウントはあるけどあんまりSNSは使ってなかったんですよ。ライヴのときに写真があったら上げる、くらいな感じで。でも、それだと自分達のキャラクターが伝わらないじゃないですか。インスタってパッと見てすぐに「この人はこういう感じの人」っていうことがわかるのがいいところだから、人柄がちょっとでも伝わるようにしなきゃねという話になって。その頃は自撮りも上げていなかったんですけど、ボーカルはこの顔、ギターはこの顔ってわからないのはあまりよくないなと思って撮るようになりました。

——花冷え。はX(旧Twitter)もインスタもちゃんと使ってるし、まだマネージメントがついてないコロナ禍の頃からYouTubeの生配信もよくやってたじゃないですか。あのフットワークの軽さはすごいなと思って見てました。

マツリ:ライヴが全部キャンセルになっちゃってたから、「忘れられたらいけない」と思って、当時はめちゃめちゃやっていましたね。

——コロナ禍で必要に駆られてやっていたことが今の活動にもつながってきている。

マツリ:そうですね。コロナ禍がなかったらSNSとちゃんと向き合うことはなかったかもしれないので、コロナ禍での学びはめちゃめちゃありました。

後編へ続く

Photography Yoshitake Hamanaka

■花冷え。「O・TA・KUラブリー伝説」配信先

■花冷え。メジャーデビューアルバム『来世は偉人!』特設サイト

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「BAND-MAIDは前に進んでいる」 世界に多くのファンを持つBAND-MAIDインタビュー後編 https://tokion.jp/2021/10/29/global-icon-band-maid-part2/ Fri, 29 Oct 2021 06:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=72053 インタビュー後編では世界で活躍する日本発のバンド、BAND-MAIDのこれからの活動、そして日本のガールズバンドシーンについて。

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メイド服姿でハードロックを演奏する、そのギャップで世界中に多くのファンを持つ日本のバンド、BAND-MAID(バンドメイド)。ギター・ボーカル・作詞を担当する小鳩(こばと)ミクを中心に、ギター・作曲を担当するKANAMI、ドラムのAKANE、ベースのMISA、ボーカルSAIKIの5人編成。アメリカ、イギリス、ヨーロッパなどを中心に行うワールドツアーでは全公演ソールドアウトになるなど、世界中に活躍の場を広げている。9月にはNetflix映画『KATE』が公開され、さらに注目される存在となった。

インタビュー前編では「なぜBAND-MAIDが海外でこれほど支持されているのか」をテーマに語ってもらったが、後編では、小鳩のソロプロジェクトcluppo(クルッポ)やNetflix映画「KATE」、TVアニメ『プラチナエンド』オープニングテーマ「Sense」、さらに日本のガールズバンドについてなど、これからのBAND-MAIDの活動につながる話を語ってもらった。

――小鳩さんのソロプロジェクトcluppo(クルッポ)、びっくりしました。

SAIKI:あははは!

小鳩:びっくりしてもらえましたっぽ? よかったっぽ。

――しかも、エイプリルフールネタで終わるかと思ったら、8月10日の鳩の日にシングルCD「PEACE&LOVE/Flapping wings」で追い打ちをかけるという。

小鳩:そうなんですっぽ。あれはもともとサプライズで始めたことで、みなさんにびっくりしてもらうことが目的で始めましたっぽ。

――かなり本気の楽曲ですよね。

小鳩:cluppoを出す前にも、エイプリルフール企画で過去にだいぶクオリティの高いことをやってきていたので、cluppoを適当な感じでやるのは違うね、やるなら本当かウソかわからないぐらいまで本気でやって、ダメだったらそのまま終わればいいし、よかったら続けよう、という感じで始まりましたっぽ。

――そうしたら思いのほか反応がよく。

小鳩:そうですっぽね。喜んでくださる方がとても多かったので、「じゃあ、次も何かしようか」「ぜひやりたいですっぽ」ということで、「じゃあ、8月もやりましょう」ってなりましたっぽ。なので、4月1日の時点では8月にシングルを出すことは決まっていなかったんですっぽ。

―いい曲ですよね。

小鳩:ありがとうございますっぽ。どうせやるならBAND-MAIDと重なっても意味がないので、真逆のことをやろうと思ってやりましたっぽ。

――とはいえ、典型的なJ-POPではないですよね。

小鳩:そうですっぽね。ただJ-POPに寄せるだけではつまらないので、BAND-MAIDと同じようにcluppoもちゃんとコンセプトを決めて始めましたっぽ。「HIPPIE-POPPO(ヒッピーポッポ)」という1960~70年代の楽曲をcluppoなりに再解釈して現代の雰囲気も取り入れつつ、cluppoらしさをつくっていきましたっぽ。

――この先もパーマネントに続いていきそうな感じがしますね。

小鳩:8月10日にcluppoのCDを出したのが新しいスタートだと思っているので、このままサプライズの1つとして続けていけたらなと思いますっぽ。

――そんなcluppoの活動をSAIKIさんはどう見ていますか?

SAIKI:最初、曲も聴かせてこないし何も言ってこなくて、MVのチェックで相談してきた時に「え、曲できてんの!?」ってなって。みんなで「めちゃいいじゃん! ファイトー!」って(笑)。

小鳩: AKANEはファンみたいになってますっぽ。

SAIKI:AKANEはただのファン! だって、5月10日のメイドの日にあった「BAND-MAID “THE DAY OF MAID”」のオープニングアクトでcluppoが出てくれたんですけど、AKANEはリハを観たり会場ですれ違ったりするたびに、「ああ~、cluppoさんだ!」「あ、すごい! すごい!」って(笑)。

小鳩:「中身同じ人なのに、そんなに対応変わるっぽ!?」って。

SAIKI:「小鳩だよ、あれ」って(笑)。

小鳩:この間もCDが出たって話をしたら、「CDとTシャツにサインってしてもらえるのかな……?」って連絡が来て、「なんだっぽ!?」って(笑)。

SAIKI:1人だけ距離感が変なんです(笑)。

小鳩:KANAMIは「曲、すごくよかったよ。ここが好き!」とか言ってくれるんですけど、AKANEだけおかしいんですっぽ。ありがたい限りですけど。

SAIKI:ということで、メンバーは全力で応援してます(笑)。

BAND-MAIDはちゃんと前に進んでいる

――「PEACE&LOVE/Flapping wings」のリリースがいいブリッジとなって、9月5日に「Sense(TV Size Ver.)」の配信がスタート。10月27日にはフルサイズバージョンがCDでもリリースされました。

小鳩:最近はcluppoばかり活動していたので、その分びっくりされる方も多いかなと思いますっぽ。

――短い中にギュッと詰め込みましたね。

小鳩:TVアニメ『プラチナエンド』とのタイアップということもあって、普段アルバムでつくるようなBAND-MAIDの雰囲気とはまた違っていて、いいスパイスが入ったりして情報量は多いのかなと思いますっぽ。

――曲のオープニングはまさにそんな感じですね。

小鳩:製作委員会側の要望もあったりしたので、オープニングはデモの段階から少し変わって、最終的に今の感じに落ち着きましたっぽ。オーケストラが豪華になりましたっぽ。

――それが結果的にBAND-MAIDとしての幅を生んでいます。

小鳩:そうですっぽね。KANAMIが「勉強してきた!」って言ってましたっぽ。

――ただ勢いで駆け抜けるんじゃなくて、緻密な構成がしっかりとあって。

SAIKI:確かにそうですね。新しいけど、構成とかリフの感じにKANAMIらしさが出てると思います。

――そして、長らく延期されていたNetflix映画『KATE』もついに公開されました。

小鳩:そうなんですっぽ! 自分達も今か今かと待ってましたっぽ。「(公開が)なくなったらどうするっぽ……?」って話してました。

SAIKI:なかったことになってるんじゃないかって(笑)。でも、ティザー映像に自分達が映っていてびっくりしました。

――TVアニメ『プラチナエンド』もあるし、結果的にはいいタイミングだったかもしれないですね。

小鳩:そうですっぽね。いろんなお知らせができたから。

SAIKI:結果オーライなバンドだなっていつも思ってます(笑)。

――全米ツアー、欧州ツアー、アジアツアーがキャンセルになってしまい、まだ先の見えない状況が続きますが、BAND-MAIDとしてはどんな未来を思い描いていますか?

小鳩:世界征服というのは変わらないし、コロナ禍でオンラインお給仕(配信ライブ)ができたことは自分達の中ですごく大きくて。それまではオンラインお給仕なんて考えたこともなかったけど、全世界の方が観られるのが魅力だし、自分達には合っていることもわかったので、ポジティブな気持ちでこれを利用しながら世界征服に近づいていけたらと思ってますっぽ。

SAIKI :有観客ももちろんやりたいですけど、コロナ禍前の状況に戻らないことは覚悟しているので、まだまだ時間はかかると思いますし。有観客が安全にできるようになるまで、ご主人様お嬢様(ファンの呼称)には私達と一緒に辛抱強く待ってもらえたらと。最高の景色がまた見られる日がくることを願って、元気に過ごしたいですね。

――クヨクヨしてるのはBAND-MAIDらしくないですからね。

小鳩:クヨクヨはしないですっぽね。自分達の性格的にも「まともに活動できないね……」ってただ言っているだけなのは性に合わないので。

SAIKI:「今はお給仕ができない」という考えがチームの中でもあるし、リスクをとるより安全な状態で会える日を待とうと思っています。今年の5月から動画配信サービス(会員限定)も始めたし、お給仕のいいお知らせがいつできるのかはわからないですけど、ほかにもご主人様お嬢様に喜びや楽しさを提供できるようにいろいろ考えているので、新たな試みも一緒に楽しんでもらえたらと思います。

小鳩:よく「cluppoをやっているからBAND-MAIDが止まっているんじゃないか」って言われるんですっぽ! でも、大丈夫っぽ! BAND-MAIDはBAND-MAIDでちゃんとやってるっぽ! cluppoはBAND-MAIDの活動のつなぎみたいに捉えてもらえたらうれしいなって思いますっぽ。

――そんなシリアスに捉えないでほしいと。

SAIKI:はい、心配しないで(笑)。

日本のガールズバンドをもっと盛り上げたい

――最後に、日本のガールズロックが盛り上がっていることに対してお2人はどう考えていますか?

小鳩:素直にうれしいですっぽ。

SAIKI:うれしいですね。私達が結成した頃はポップな音楽をやっているバンドが多くて「カッコいい」を売りにしている女性のバンドは少なかったけれど。時代のせいもあるのか最近はそういう人達が増えて、ハードロックファンが盛り上がってくれているのはうれしいですね。

――先日、テレビ番組の『マツコの知らない世界』でも取り上げられていましたよね。

SAIKI:私達もギリギリまで知らなくて!

小鳩:「もしかしたら出るかも知れないので一応チェックしといてください」って言われてたんですけど、「え! しっかり名前まで言ってくれてるっぽ!」って私達もびっくりしてましたっぽ。

――番組内でMary’s BloodのSAKIさんが、「日本は女性の地位が低いのに、なんでこんなにガールズバンドがいるんですか?」と海外メディアに聞かれて、「その考え方で言うと、あなた方の国のほうがガールズバンドの数が多いんじゃないですか?」と返したエピソードがいいなと思いました。

SAIKI:確かに! 「言った!」って思った(笑)。

小鳩:海外では、日本ほどガールズバンドは多くないって話も聞きますっぽね。「なんで楽器やってるの?」ってよく聞かれるレベルですし。海外だと女性だけでバンドをやるっていう考えが最近はあまりないように見えるっぽ。

SAIKI:バンドの中に1人女性ベーシストがいるっていうのはよくありますけど、メンバー全員が女性っていうバンドは割と珍しい。

――かつては海外にもけっこういたんですけどね、1990年代とか特に。

SAIKI:ああ、そうなんですね。今は少なくなっているんですね。

小鳩:なんでなんでしょうね? それは男女の差というよりも、単純に文化の違いや歩んできた歴史の違いが影響してそうですっぽね。とはいえ、「もっと盛り上がれ!」っていうのはありますっぽ。私達は最初の頃から「ガールズバンドをもっと盛り上げるきっかけになれば」っていうことを言っていたので。

――「日本は女性が女性らしくいられるから、いろんな形のガールズバンドができるんだと思う」という話も別のインタビューでSAKIさんから聞きました。

SAIKI:確かに、見た目がかわいらしい海外のバンドっていないですよね。わりとセクシー系だったり、カッコいい感じですもんね。

小鳩:そもそも、「Kawaii」って言葉は海外でも通じるし、日本のカワイイ文化が大きいのかなって思いますっぽ。

SAIKI:日本にはいろんな女の子がいる分、選択肢が多いのかなと思います。「日本人っぽい女の子」と言っても、その種類が海外の方よりも多いように感じるんですよね。そういう自由度の高さが関係しているのかなって今思いました。

小鳩:個性豊かだっぽね、日本は。

――確かに、日本はカワイイのサブジャンルまで存在しますもんね。

小鳩:いっぱいありますっぽ! 原宿系だったり、アキバ系だったり。

SAIKI:病みカワイイとかいっぱいあるもんね。

小鳩:最近は特に増えている気がしますっぽ。地雷系、ぴえん系……(笑)。

SAIKI 増えたー、もうわからん。「それ、一緒じゃない?」って(笑)。

――もはやカワイイのトレンドに追いつけてない(笑)。

小鳩:アニメの存在も大きいのかなって思いますっぽ。日本はアニメ文化の影響が大きいから、新しいキャラが出てくるとそれで盛り上がったり。

――確かに。そのキャラクターのコスプレをする女子が現れて、またそれを真似する子が出てきて。

SAIKI:女の子のアニメ、多いもんね。

小鳩:多いっぽ多いっぽ。海外はアメコミっぽいヒーローものが多くて、女の子が主人公のアニメが多いのは日本の特徴なのかなって思いますっぽ。『キューティーハニー』とか、『セーラームーン』とか。昔からその流れはある気がしますっぽ。

――アメリカで女性が主人公のマンガやアニメというと、ぱっと思い浮かぶのが『ワンダーウーマン』だったりしますもんね。

小鳩:基本的に強い感じですっぽね。あとは、『シンデレラ』みたいにキレイな感じですっぽ。

SAIKI:そうそう、優雅だったりもするし、その国ごとの女性観が出ているんだと思います。

――日本のガールズバンドの多さや幅広さにはこの国の文化が大きく影響しているんですね。

小鳩:大きいと思いますっぽ。言ってしまえば、私達もメイドですし(笑)。

SAIKI:カワイイのいちジャンルがここに(笑)。

小鳩:でも、最近は本当に若いガールズバンドが増えてうれしいですっぽ。

――ガールズバンドじゃなくて、ただのバンドとして見てほしいという人達もいますよね。

小鳩:今はメディアにハードロックのガールズバンドが出る機会が多くなって、世間が正しい認識を持ってくださるようになったので気にしていないんですけど、BAND-MAIDを始めた当初は「ガールズバンドはアイドル」みたいにひとくくりにされていたので、「アイドルじゃないよ!」っていうのを見せたかったですっぽ。

SAIKI:「ガールズバンドでもいんですけど、バンドなんです!」みたいな。

小鳩:当時は、自分達で演奏はしてないけどバンドとしてやっている方々がけっこういらっしゃったので、そことは違うんだというところを見てもらいたかったっていうのが大きかったと思いますっぽ。

SAIKI:時が経って曲数も増えて、「BAND-MAIDらしい曲ですね」って言われるような定番の曲ができるようになってからは呼ばれ方は気にならなくなりました。

――これからはフォロワーを生み出すような存在になれたらいいですね。

小鳩:なっていきたいですっぽね。日本での認知度を海外ぐらい上げたいですっぽ!(笑)。 そして、海外でももっと知ってもらえるように頑張りたいですっぽ!

BAND-MAID(バンドメイド)
2013年に結成した日本発のハードロックバンド。小鳩ミク(ギター・ボーカル)、SAIKI(ボーカル)、KANAMI(ギター)、AKANE(ドラムス)、MISA(ベース)の5人組。メイドの見た目とは相反するハードなロックサウンドが、全世界のファンやメディアから支持を得ており、YouTubeの総再生回数は1億回を超える。2019年には、世界最大級のイベンター「Live Nation」とのツアーパートナーシップを発表し、 ロック界の伝説Tony Viscontiによるプロデュースを含むアルバム『Conqueror』をリリース。2021年1月には4thアルバム「Unseen World」をリリース、9月に公開されたNetflix映画『KATE』にも出演。9月6日にはTVアニメ『プラチナエンド』オープニングテーマ「Sense(TV Size Ver.)」の配信を開始、10月27日にはCDシングル「Sense」をリリースした。

■BAND-MAID「Sense」Music Video
https://youtu.be/BWN6iOFjm9U
■BAND-MAID「Sense」配信先一覧
https://band-maid.lnk.to/Sense
■BAND-MAID「Sense」CD購入先一覧
BAND-MAID.lnk.to/Sense_CD

https://bandmaid.tokyo
Twitter:@bandmaid
Facebook:@BAND-MAID
Instagram:@bandmaid.jp
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCJToUvYrmkmTCR-bluEaQfA

cluppo(クルッポ)
BAND-MAIDを作り出した小鳩ミクのソロ・プロジェクト。生み出した新たな音楽ジャンルは「HIPPIE-POPPO」古き良き70年代をcluppoが再解釈し、ラブリーでピースフルなミュージックを奏でる。
https://www.cluppo.tokyo/

Photography Akihito Igarashi(SIGNO)

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「2年ぐらいで終わる可能性もあった」 世界に多くのファンを持つBAND-MAIDインタビュー前編 https://tokion.jp/2021/10/25/global-icon-band-maid-part1/ Mon, 25 Oct 2021 09:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=70789 インタビュー前編では、世界で活躍する日本発のバンド、BAND-MAIDの人気の理由に迫る。

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メイド服姿でハードロックを演奏する、そのギャップで世界中に多くのファンを持つ日本のバンド、BAND-MAID(バンドメイド)。ギター・ボーカル・作詞を担当する小鳩(こばと)ミクを中心に、ギター・作曲を担当するKANAMI、ドラムのAKANE、ベースのMISA、ボーカルSAIKIの5人編成。アメリカ、イギリス、ヨーロッパなどを中心に行うワールドツアーでは全公演ソールドアウトになるなど、世界中に活躍の場を広げている。9月にはNetflix映画『KATE』が公開され、さらに注目される存在となった。

インタビュー前編では「なぜBAND-MAIDが海外でこれほど支持されているのか」をテーマに、小鳩とSAIKIの2人に結成から今までのことを振り返りつつ、海外で知られるようになったきっかけ、海外でのライブ、また日本語歌詞へのこだわりを語ってもらった。

――BAND-MAIDは結成して9年目を迎えました。世界征服への道はまだ半ばだと思いますが、結成当初の自分達が今のバンドの状況を見たら「よくぞここまで行ったな!」と思うんじゃないですか?

小鳩ミク(以下、小鳩):実は結成から2年ぐらい経った頃、BAND-MAIDが終わる兆しがあったんですっぽ。でも、海外からの反応が救いになって続けることができたんですっぽ。あの頃の自分達が見たら、「よくぞここまで」というより「9年もやってるの!?」ってびっくりすると思いますっぽ。

SAIKI:これまであまり言ったことなかったですけど(笑)。

――それは知らなかった! 海外からの反応というのは「Thrill」のMVのことですか?

小鳩:そうですっぽ。あれがなかったら、あの作品を最後にバンドが終わる予定もありましたっぽ。

SAIKI:でも、私達がそのことを知ったのはそれよりも後のことで、「本当はあれが最後になる予定だったんだよ」「ええ~っ!?」って。

小鳩:ある日、社長から突然言われて、「そうだったんですかっぽ!?」って自分達も驚きでしたっぽ。

SAIKI:「よかったねぇ……」ってみんなで(笑)。だから、「Thrill」のおかげです。

――何があるかわからないものですねえ。今振り返ってみて、BAND-MAIDがウケた理由ってビジュアルの斬新さのほかに何があったと思いますか?

小鳩:やっぱり、楽曲とのギャップが大きかったと思いますっぽ。コメントでも「この子達が本当に弾いているのか!?」という内容が一番多かったっぽ。かわいい格好をした女の子が楽器を演奏しているというのが衝撃だったみたいで。それは今でも思いますっぽ。

――そう考えると、いい音楽をやっていても全く話題にならなかった可能性もあったわけで、完全に作戦勝ちだったんですね。

小鳩:メイドさんは海外だと日本文化として見られていて、それで気にしてくださる方が多かったので、映像だからこそ伝わったものなんだろうなと思いますっぽ。

――2010年代って感じですね。

SAIKI:映像がなかったら今の私達はないかなって思います。

――そのほかに海外の人から言われた言葉で印象的なものってありますか?

小鳩:「『Thrill』はアメリカン・ロックを感じさせる」とか、メンバーそれぞれに個性があって、その頃私がリッケンバッカーを使ってたということもあって「日本のビートルズだ!」とか(笑)。SHOW-YAさん以降、日本でハードロックをやっている女の子ってあまりいなかったので、「日本にもこういうロックバンドがいたんだ!」ってびっくりされることはありましたっぽ。

海外進出は結成の頃から目標だった

――今回の取材にあたって、5年前に他メディアで行ったインタビューを読み返したんですけど、今と比べて違和感がなかったんですよ。

SAIKI:へぇ~(笑)。

小鳩:変わってなかったですかっぽ? 

――海外に行きたいとか、あの頃はまだ外部の作家が曲を書いていたので、「自分達で全曲を書けるようになりたい」とか。当時からビジョンが明確だったからなんでしょうね。

小鳩:ここまでのことは想像してなかったけど、海外に行きたいとは結成の頃から言っていたし、大きな目標が最初からありましたっぽね。

SAIKI:大きな目標以外に細かい目標も共有するためにみんなで話をしてみたら、やりたいこととかやりたい音楽のスタイルが5人とも一緒で、だから進めやすかったというのはありますね。バンドって1人でもヤバいメンバーがいたらヤバいじゃないですか(笑)。そういうことがBAND-MAIDにはなくて。

小鳩:確かに。

SAIKI:自分達で言うのもなんですけど、私達は全員「たまには遊べ!」と言われるぐらい真面目すぎるところとか、ブレたくないっていうプライドの高さがあるからそれがよかったのかなと思います。

――BAND-MAIDがハードロック路線を選択するきっかけになったのが、「Thrill」のMVを紹介してくれたJrock Radioだったんですよね。

小鳩:そうですっぽね!

SAIKI:本当にびっくりした(笑)。

小鳩:びっくりしたっぽ! SNSのフォロワーが海外から急に増えて、「みんな、アカウント乗っ取られたか!?」っていう話をしてたら、Jrock RadioさんがきっかけだったっていうのをKANAMIが見つけてくれたんだっぽね。

SAIKI:そう。

小鳩:「よかったー、乗っ取りじゃなくてー」って。それぐらい意外でしたっぽ。

――事前に先方から連絡があったわけじゃなくて、勝手に紹介していたんですね。

SAIKI:一応、メールはくれていたらしいんですけど、英語だったし、よくないメールかと思って当時のマネージャーもそのままやり過ごしていたらしくて。

小鳩:当時はこっちから海外へは何もアプローチしてなかったから、まさか海外からメールが来るなんて思わないじゃないですかっぽ。

SAIKI:どうやって見つけてくれたんだろうね? 一度、聞いたことあったけど忘れちゃったね(笑)。

小鳩:ねえ。

初の海外単独ライブだったメキシコ

――それをきっかけに海外でライブをするようになったわけですけど、みなさんは海外でどうやってライブをするのかほとんど知識がなかったわけですよね。どうしていたんですか?

SAIKI:最初は海外に行くための買い出しが大変で。向こうには何があって、こっちから何を持っていったらいいのか全然わからない。

小鳩:でも、ありがたいことに海外での初めてお給仕(ライブ)が大きなイベント(2016年3月にアメリカ・シアトルで行われた「Sakura-Con」)で、あちらがある程度必要なものを用意してくださったのでそれはよかったですっぽ。それでもあとで「あれが必要だったね」という話になったので、次に活かせましたっぽ。

SAIKI:あと、いまだに課題ではあるんですけど、荷物の重量!

小鳩:毎回空港で時間取られるっぽね。

SAIKI:はじめの頃は空港のチェックインに6時間ぐらいかかっていたんですよ。

――ええっ!? それは初めて海外で単独お給仕を行った2016年の話ですか?

小鳩:そうですっぽ。メキシコの単独の時が大変でしたっぽ。「機材はここに詰め込んで……でも洋服が入らない!」とか。その頃はキャリーバッグもそんなに大きくなかったので、ひぃひぃ言ってたっぽ。手持ちのバッグを大きいものにしたり。

――それにしても、初めての海外の単独ライブがメキシコというのもすごいですよね。

小鳩:「メキシコでお給仕が決まりました」って急に言われて、「え、メキシコ!?」って。でも、その頃海外だとアメリカよりもメキシコのほうがファンの方が多かったんですっぽ。Jrock radioで盛り上がったあと、メキシコの方からのメッセージが増えて、メキシコのプロモーターの方が私達のことをすごく好きになってくださって、「今、メキシコでファンが増えてるから、ぜひ来てほしい!」って言ってくださったんですっぽ。でも、最初に行く国がメキシコだなんて思ってもいなかったし、会場も1000人キャパって言われて。その頃は日本でもそんな大きい会場でやったことなかったんですっぽ。だから、「(ご主人様お嬢様<ファン>が)前列しかいなかったらどうする?」って言ってたんですっぽ。でも実際はパンパンだったからめちゃめちゃびっくりしましたっぽ!

SAIKI:ウェルカム状態ですっごく盛り上げてくれたからやりやすかったよね。

小鳩:何やっても盛り上がったっぽね。

SAIKI:日本じゃなかなか見られない盛り上がりだったので、いい意味で日本とのギャップを感じましたね。

――普通は日本で自信をつけてから「よし、海外に行くぞ!」って感じですけど、BAND-MAIDは海外で自信をつけて帰ってきたんですね(笑)。

SAIKI:海外での経験のおかげで心も強くなって、日本でのツアー中にトラブルが起こっても、「あれに比べれば平気っしょ」って。「リハができるだけマシです! ありがとうございます!」みたいな(笑)。

小鳩:「日本語が通じるっぽ!」みたいなことでも喜べましたっぽ。

SAIKI:海外ツアー直前のリハは、「よし! やってやんぜ!」みたいな感じでしたね(笑)。

小鳩:気合いが違ったっぽね。現地でリハができないことを想定して準備したり。海外でのトラブルなんて挙げだしたらキリがないっぽね。

SAIKI:でも、2019年に行った海外ツアーはよかったね。

小鳩:よかったっぽね!

SAIKI:あれは初成功でしたね、細かいトラブルは多かったけど、アンプが燃えたりとか。

小鳩:そうそうそう、アンプが燃えたっぽ。煙臭いなと思ったら燃えてたっぽ。

SAIKI:アメリカのダラスでしたね。でも、それぐらいでしたね。

――皆さんにとってはアンプが燃えるなんてささいなことなんですね。

小鳩:ささいなことになっちゃいましたっぽね!

海外を意識した曲作りと日本語歌詞へのこだわり

――海外ツアーへ行くようになったことで、海外を意識した曲作りをするようになったりしたんですか?

小鳩:なりましたっぽ! 海外にはコールアンドレスポンスをしてくださる方がとても多いので、シンガロング多めの曲を増やそうってなりましたし、歌詞も部分部分でなるべく簡単にして、日本語がわからなくても歌えるパートを足したりするようになりましたっぽ。

――でも、日本語で歌うことは変えなかったんですね。

小鳩:そうですっぽね。むしろ、「日本語がいい」って言ってくださる海外の方が多いんですっぽ。BAND-MAIDの歌詞で日本語を勉強したり、漢字の意味を聞いてきてくださる方が多かったので、「日本語は大事にしていきたいね」ってなりましたっぽ。

――昔は海外進出を目指すなら英語の歌詞じゃないと、という風潮がありましたよね。

小鳩:最初から意識せずに日本語でしたっぽ。

SAIKI:やっぱり、日本人なので日本語で歌うほうがニュアンスを伝えやすいし、本来伝えたいことに近い表現になるじゃないですか。歌詞の捉え方は自由ですけど意図していない形では伝わってほしくないので、そういうリスクを避けるために日本語を選んでいるのはあると思います。

――日本語のほうが気持ちも乗せやすいですもんね。

SAIKI:そうですね。生で聴いてもらうほうがイントネーションとかを通じて日本語の奥深さも伝わるし。なので、英語で伝えたいところは英語で歌うし、日本語で伝えたいところは日本語で歌う。そうやって表現の自由度を高めたかったというのもあります。

――英語である必然性があるから英語で歌ってる。

小鳩:そうですっぽね。この部分は英語でいきたいね、とか。

SAIKI:英語と日本語でそれぞれのイントネーションがあるじゃないですか。KANAMIがあげてきたメロを聴いて、そのときに浮かんだ言葉が英語ぽかったか、日本語ぽかったかで決めるほうがより耳が気持ちよくなると思うので。ただでさえBAND-MAIDの曲はカロリーが高いというか、言葉が細かくて音数も多いので、よりすんなり聴いてもらえるような歌詞になるように努めていますね。

後編へ続く

BAND-MAID(バンドメイド)
2013年に結成した日本発のハードロックバンド。小鳩ミク(ギター・ボーカル)、SAIKI(ボーカル)、KANAMI(ギター)、AKANE(ドラムス)、MISA(ベース)の5人組。メイドの見た目とは相反するハードなロックサウンドが、全世界のファンやメディアから支持を得ており、YouTubeの総再生回数は1億回を超える。2019年には、世界最大級のイベンター「Live Nation」とのツアーパートナーシップを発表し、 ロック界の伝説Tony Viscontiによるプロデュースを含むアルバム『Conqueror』をリリース。2021年1月には4thアルバム「Unseen World」をリリース、9月に公開されたNetflix映画『KATE』にも出演。9月6日にはTVアニメ『プラチナエンド』オープニングテーマ「Sense(TV Size Ver.)」の配信を開始、10月27日にはCDシングル「Sense」をリリースする。

BAND-MAID「Sense TV Size Ver.」:https://lnk.to/Sense_TVSize
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YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCJToUvYrmkmTCR-bluEaQfA

Photography Akihito Igarashi(SIGNO)

The post 「2年ぐらいで終わる可能性もあった」 世界に多くのファンを持つBAND-MAIDインタビュー前編 appeared first on TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報.

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